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収納マンこと、TVチャンピオン収納ダメ主婦しつけ王 芝谷浩のブログ。部屋別・モノ別収納法、オススメ収納グッズ・家具、主夫の家事にまつわる話などを紹介します。

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片づけのゴールは共同体感覚!モノは敵じゃないし自分の一部でもない

      2017/11/23

前回は『嫌われる勇気』の「第二夜 「あの人」の期待を満たすために生きてはいけない」からの引用して、家族のために片づけや家事を頑張る必要はないということを説明しました。

片づけや家事とは直接関係ないんですけど、同じところには、こんな下りもありました。

適切な行動をとったら、ほめてもらえる。不適切な行動をとったら、罰せられる。アドラーは、こうした賞罰による教育を厳しく批判しました。賞罰教育の先に生まれるのは「ほめてくれる人がいなければ、適切な行動をしない」「罰する人がいなければ、不適切な行動もとる」という、誤ったライフスタイルです。

この一節は私にとって痛快でした~。「よくぞ言った!」と拍手喝采したい気持ちになりましたね。

物事の善悪は教えるのではなく、自分で気づかなければならないと思います。なぜなら、正しいことをしたからと言って全て誰かに褒めてもらえるわけじゃないからです。道端のゴミを拾っても誰も褒めてくれないことのほうが当たり前なのです。

「誰が何と言おうと、褒めてくれなかろうと、自分がいま正しいと思うことをすれば良い」というのがアドラー心理学が示すライフスタイルです。うまく言えませんが、こういうライフスタイルを伝えていくことこそが正しい教育ではないでしょうか。

 

最近は「収納グッズ評論家」のようになってしまっていた私にとって、『嫌われる勇気』との出会いはまるで新しいオモチャを与えられたような感覚でした。そんなわけで、気が付けばアドラー心理学を絡めた片づけの話も今回で5回目となってしまいました。

私としてはもっと掘り下げたいところなんですけど、退屈してしまう方も多いと思いますので(苦笑)、アドラー絡みは今回で終わりにしたいと思います。



日本人には「共同体感覚」が備わっている

さて、今回はこれをアドラーが提唱したことで”多くの人々が彼のもとを去って”いったといういわくつきの「共同体感覚」について取り上げたいと思います(以下は「第四夜 対人関係のゴールは「共同体感覚」」より引用)。

アドラーは自らの述べる共同体について、家庭や学校、職場、地域社会だけでなく、たとえば国家や人類などを包括したすべてであり、時間軸においては過去から未来までも含まれるし、さらには動植物や無生物までも含まれる、としています。

確かにこんなことを言い出したら、オーストリアやアメリカの人々はアドラーを訝しげに見たことでしょう。共同体には人間だけでなく、動植物や無生物まで含むなんて、アドラーの頭の中はお花畑なのかと思ったに違いありません。

ですが、意外と日本人には自然に理解できる人が多かったのではないかと私は思います。日本人は八百万の神の民ですからね。山にも風にも神の存在を感じるという不思議な民族です。諸外国は日本をして宗教観がないだとか原始的な自然崇拝だとか言うみたいですけど、それはまったくの誤解です。アドラーからすれば日本人ほど共同体感覚が備わっている民族はいないと思います。

 

共同体感覚=自分の居場所があるという感覚

私のお箸とお茶碗・イメージ

あ。ひょっとしたら私の頭の中もお花畑じゃないかと思われているかもしれませんね(苦笑)実際にそうなのかもしれませんが、私がクライアントのお宅の片づけのお手伝いをしていると、事実そう感じることが多いのです。

どんなに散らかっているお宅でも、食品を床に直接置いているというのはほとんどありません。これは日本人が食品を単なるモノだと思っていないひとつの証明になると思います。

また、日本では家族それぞれにお箸が決められていることが一般的です。これは穢れ(けがれ)思想によるものと考えられます。フォークやスプーンは誰のモノか決められていないのに、お茶碗は誰のモノか決まっていることからも、日本人が古来から持っている思想に基づいていることは明らかでしょう。この場合もやはり、お箸や茶碗は単なるモノではないことが分かります。

こんなことも言えると思います。これはたぶん日本人に限ったことではありませんが、無理にモノを手放そうとすると「私の一部がちぎられるような気がする」と言われることがあります。また、モノに思い出(過去の出来事)が詰まっていて、そのモノを捨てることは思い出を捨てることになると錯覚してしまうこともままあるようです。

日本人にとって「モノが単なるモノではない」ということが、すなわち「モノもアドラーが提唱する共同体に含まれる」という論理は少々乱暴かもしれません。しかし、アドラーは以下のようにも述べているのです(第四夜 対人関係のゴールは「共同体感覚」)。

他者を仲間だと見なし、そこに「自分の居場所がある」と感じられることを、共同体感覚といいます。

床に置いてはいけない食べ物。私のお箸とお茶碗。思い出の詰まった洋服。いずれも単純にお金や他のモノには変えられない、自分の居場所を感じられるものだと思います。

 

片づけのゴールは共同体感覚

『嫌われる勇気』でもここのところは文脈が理解しにくいところですが、それ以上に私の言っていることは理解しにくいと思います(苦笑)改めて整理し直してみましょう。

「共同体感覚」と言ってもピンと来ない人が多いとは思いますが、論理的には理解しにくいものの、実は多くの日本人に染み付いている感覚だと私は思います。それは「私のお箸とお茶碗」があることからも明らかで、食事のときに私のお箸とお茶碗があることで自分の居場所を実感し、逆に私のお箸とお茶碗を他人が使っていたら違和感を感じるはずだということからも分かると思います。

大事なのは理屈ではなくその感覚です。私の話で恐縮ですが、私は自分のモノを他人が触れていると違和感を覚えます。だから基本的には人に触らせないようにします。また、そのために身の周りのモノを整頓し、テリトリーを明確にしておきます。そうすることで自分の居場所が確立できるというか、居心地が良くなるのです。そして、これこそが「片づけのゴールは共同体感覚」だと私は思うのです。

 

本当に説明が下手で申し訳ありません(苦笑)でもアドラー心理学の世界観で感覚的に捉えてもらうとちょっと分かってもらえるんじゃないかと思います。

私もあなたも目の前のモノも地球の一部。そして、どちらが上でも下でもありません。敵でもないし一心同体でもありません。手元にあるモノをしっかり握ったままでも手放しても、それが地球の一部であることに変わりありません。だから手放すことをためらう必要はないのです。

また、居心地の良い空間というのは人それぞれですが、壁で隔てられていたり何かしら線引きされた空間が居心地が良い空間と言えるのではないかと思います。その状態を作り出すのが片づけということですね。そしてその完成形として作り出されるのが共同体感覚だということです。

ますますよく分からないかもしれませんが、『嫌われる勇気』にはこのようにも書かれています(第四夜 より大きな共同体の声を聴け)。

われわれが対人関係のなかで困難にぶつかったとき、出口が見えなくなってしまったとき、まず考えるべきは「より大きな共同体の声を聴け」という原則です。

私が言う、「片づけは木を見ず森を見よ」というのと同じだと思います。しかし、頭で考えても分かりづらいと思います。感覚を研ぎ澄まし、モノよりも自分自身を見つめ直すことで片づけの本質が見えてくるのではないかと思います。

 

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