【サイズオーダー本棚徹底比較】白井産業「タナリオ」vs大洋「エースラック」

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サイズオーダーが可能で全段可動棚のフルオープン構造を持つ白井産業の「スロフィー」と大洋の「エースラック(カラーラック)」は長らく火花を散らしてきました。しかし2015年、白井産業はスロフィーから「タナリオ」にバトンタッチ(タナリオは2014年発売)。タナリオvsエースラックという新たな戦いのゴングが鳴らされたのでありました。

11.徹底比較!大洋・エースラックvs白井産業・スロフィー
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ぶっちゃけ、スロフィーからタナリオにバトンタッチして何が変わったというほどのこともなく、あえてホルムアルデヒド発散量F★★の不健康家具をオススメする理由もないことから、私としてはエースラックさえあれば何の問題もないのですが、今更ながら改めてタナリオとエースラックを比較してみたいと思います。

※この記事は2016年4月20日時点の情報に基づいています(2023年6月16日一部更新)

 

タナリオは棚受金具が変わった!

タナリオもエースラックも全段可動棚のフルオープン構造であるため、通常の棚ダボのように棚板に掛かる荷重を下から支えるだけでなく、側板が左右方向に広がるのを防ぐ役割も担っています。

スロフィーではナイロンっぽい樹脂のオスとメスをハメ込むような構造の棚受けでしたが、タナリオでは金属製になり構造も変わりました。ネジを使わず、側板に挿す部分にギザギザを設けて摩擦係数を高めることで側板が横方向に広がるのを防ぐ仕組みです。

スロフィーの棚受けの構造では、ナイロンが伸びてしまって横方向への広がりを完全に防ぐのは難しかったところがあります。また構造が複雑で取り付けや取り外しが面倒でもありました。一方のタナリオの棚受金具は取り付けが簡単です。ネジではなくギザギザだけで対応するのは心許ない感じもしますが、可動固定棚1~2段だけで対応するのではなく全段にこれを装着することで荷重を分散できるのではないかと思います。ただ、取り外しが大変なうえに何度も抜き差しするとダボ穴が広がってしまって横方向への広がりを抑えきれなくなる可能性があります。

エースラックの棚受けも樹脂製ですのでやはり変形してしまうことがあります。ただ、ネジで補強するのでギザギザだけで対応するよりも安定するうえに、ダボ穴が広がるリスクも少ないです。エースラックの棚受けが金属製になれば最強なんだと思いますが、現時点ではタナリオとエースラックの棚受け金具を比較した場合、ほぼ互角と言えるかと思います。

サイズ展開はエースラックが優位

基本的にサイズ展開については、タナリオよりもエースラックのほうが豊富です。幅は15~90cmの間で1cm単位でオーダー可能という点は同じですが、高さはタナリオが6サイズ、エースラックは10サイズ、奥行は前者が3サイズ、後者は4サイズ用意されています。

また、エースラックには派生商品として「オーダーワイドラック」というシリーズがあり、幅75~120cmの間で1cm単位でオーダーすることも可能です。これも含めるとさらにエースラックのほうが優位と言えます。

ちなみに既製品については、タナリオの3色に対してエースラックは5色を用意しているためエースラックのほうが多いです。また、サイズバリエーションについてもエースラックのほうが多くなっています。

 

タナリオは不健康なF★★だから安い

まずは既製品の価格で比較してみましょう。およそ幅600×奥行300×高さ1800mmのサイズで楽天市場で比較した場合、タナリオは送料込みで税込14,080円から、エースラックは同じく17,358円からとなっており、価格はエースラックのほうが2割ほ高いです。ただし、タナリオはホルムアルデヒド放散しまくりのF★★合板使用、エースラックは最高ランクのF★★★★です。そこが分かっていればタナリオを買う理由はないでしょう

しかも、タナリオの既製品はベトナム製、エースラックは日本製です。ベトナムを悪く言うつもりはないですし、逆に日本の家具メーカーならすべて品質が良いとは言いませんが、実際に大洋の工場を見てきた私からすればエースラックのほうが品質が良いのは間違いありません。ちなみに、タナリオもオーダータイプは日本製です。

次にサイズオーダー品の価格で比較してみましょう。およそ幅550×奥行300×高さ1800mmのサイズで楽天市場で比較した場合、タナリオは税込29,100円から。強化棚板(耐荷重20kg)&F★★★★仕様をを選択した場合は税込34,200円からとなります。一方のエースラックはと言うと、F★★★★の通常仕様で税込19,440円から、タフ棚タイプ(耐荷重30kg)で税込27,640円からとなります。

つまるところ、タナリオはF★★合板だからこそ安いのであって、エースラックのほうがF★★★★で健康被害の可能性が低く、耐荷重30kgのタフ棚仕様にしてもタナリオより安いわけです。

 

パーツや加工オプションはエースラックの圧勝

タナリオのオプションは扉とフラップ扉くらいしかありませんが、エースラックにはこれでもかと言うほどパーツや加工オプションがあります。挙げだすとキリがないので割愛しますけど、パーツや加工オプションに関してはエースラックの圧勝です。

ただ、エースラックは至れり尽くせりでありがたい半面、発注が複雑すぎます。楽天市場で調べても加工オプションを扱っていないショップも多く、私でもワケが分からないです。かと言ってホームセンターで指定しても、売場のスタッフが熟知しているかと言うとその確率は低いです。一方でタナリオはオプションも少ないので発注が楽です。

 

以上の通り、商品そのものを比較すれば完全にエースラックの圧勝です。タナリオを買う理由はもはやありません。一方でエースラックは名称がカラーラックとなったり、ワイドオーダーラックとなったりする時点で、買い手にとって分かりにくすぎます。一度、交通整理をするべきではないでしょうか。

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