”アマゾンが「部屋が片付く魔法のダンボール」の販売を開始”という驚愕のニュースが飛び込んでまいりました。アマゾンと言えば今や「インターネットの本屋さん」ではなく、オムツから住宅のリフォーム工事まで販売するネット通販大手。また、実はネット通販よりもホスティングサービス(レンタルサーバー)で多くの利益を叩き出し、キンドル端末などの開発・販売もおこなうIT企業大手です。そんなアマゾンが「部屋が片付く魔法のダンボール」の販売を開始すると聞けば、「もしや!?」と思ってしまうわけですよ。
「部屋が片付く魔法のダンボール」の正体
こちらがこのたびアマゾンが販売を開始したという「部屋が片付く魔法のダンボール」です。サイズはW38xD38xH38cm。価格は10枚で2,070円。つまり1枚あたり207円で、ホームセンターで販売されている普通のダンボール箱の価格と同程度と言えます。これがアマゾン・プライム会員だと送料無料で翌日に届くわけですから、安いし便利だと言えるでしょう。
実はこの「部屋が片付く魔法のダンボール」、アマゾンが開発したわけではありません。販売元はSumally Pocket(サマリーポケット )。運営会社は寺田倉庫となっています。
で、このダンボール箱。アマゾンで購入して普通に使うこともできるんですが、「魔法」を使うには月々324円(税込)の保管料が必要になります。つまりこのダンボール箱は、宅配便で荷物を送って預かってもらうタイプの「収納サービス」の公式ボックスなわけですねー。
“四次元ポケットがある暮らしの実現を目指した”ということなんですが、別に四次元でも何でもなくて、別の三次元空間に物理的に送るだけというサービスです。
敷居が低くて出口が厳しいサービス
ところがこの「部屋が片付く魔法のダンボール」の運用をおこなうSumally Pocket(サマリーポケット )、調べてみるとどうにもただのダンボール箱預かりサービスとは違うようです。月額324円の預かり料というのはまあ他にもありますが、預け入れ送料は無料なばかりか、中身を取り出して1品1品写真を無料で撮影してくれて、必要なモノだけを取り出して送ってくれるというのです。
これはすごく親切丁寧。しかし月額324円というのは箱の中身が30アイテムまでの話。31アイテム以上の場合はさらに30アイテムあたり月額324円が必要になります。また、ひとつ送り返してもらうのに864800円(税込)が必要(※)。敷居が低いのは良いのですが、出口が厳しいサービスとなっております。
※2015/12/11追記:複数でもひとつの箱に収まれば同じ料金です。なお返送時の送料は税込800円だそうです。
「プライスレス」なモノなら保管する価値あり?
W38xD38xH38cmのダンボール箱というサイズは、一般的な3段カラーボックスの2段分近くに相当する収納量があります。この箱にアルバムCDを入れようものなら200枚以上入ってしまい、保管料も月額2,000円を超えてしまいますが、それなりにかさの張るモノを選んで1箱あたり30アイテムまでにすれば1アイテムあたりの保管料は月々10円ちょっととなります。
また、いざ出すとなると返還料が高いわけですが、出さずにずーっと置いておけば問題ないと言うこともできます。一間幅の押入れだとW38xD38xH38cmのダンボール箱がだいたい32個入る計算です。月額324円×32個=月額10,368円。押入れ6つ分でワンルームマンションの家賃に相当する額となりますが、まあダンボール箱預かりサービスとして見てもトランクルームと見ても妥当なところでしょう。
でもこうやって見てみると、やっぱりモノを持つのにはお金が掛かるんですね。月額324円だと手軽と思ってしまいますが、それなりにまとまった量になると相当な保管料ですし、返してもらうのに864800円を掛ける価値のあるモノなんてどれほどあるでしょうか?それともやはり、こういったサービスを利用する価値がある「プライスレス」なモノを預けるならアリなんでしょうかねー?
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