世間では「旦那が家事をやってくれない」という不満の声を聞くことが多いですが、我が家はまったく逆です。私と妻は隙あらばお互いの家事を奪ってやろうと虎視眈々と狙っています。
しかし、勝手なことをすれば妻のひんしゅくを買いかねません。言い方にも気を付けないと、「私のやり方に不満があるの?」などと機嫌を損ねないので注意が必要です。
ともあれ、そんな夫婦は珍しいことでしょう。ほとんどのお宅は「どうやって旦那を家事に参加させるか?」ということに腐心していることと思います。そんなわけで家事シェアアプリなるものが複数リリースされているわけですが、ここにまた新しいアプリが登場しました。
家事進捗管理アプリ「Smuzoo」

出典:PR TIMES(以下同)
IT系スタートアップ「たぬーきす」が開発したアプリ「Smuzoo(スムズー)」は、”家事労働の可視化でスムーズな家事シェアを実現する”ためのandroid版アプリです。プレスリリースではandroid版のみのお知らせでしたが、iOS版もあります。
アプリの開発目的が達成できているとすれば、旦那さんに「俺だってちゃんと家事をやっている!」などと反論される心配がなくなることはもちろん、楽しく家事に参加してもらえることが期待できるはずです。
家事のフローを細部まで把握可能
Smuzooを利用すると、たとえば洗濯をやったかやっていないかだけでなく、洗剤を買ってくるところから畳んでタンスに収納するところまでのフローを管理できます。これなら、家事をやったことがない旦那でも手順を厳しくチェックできますね。
ただ、これは恐ろしく面倒臭いです。一般的には家事を一つ一つこなすだけでも面倒なのに、作業が終わる度にアプリを立ち上げてチェックしないといけないとは…。おまけに、洗濯の進め方なんて各家庭やその日の状況によって異なるので、このフローではかなり中途半端な印象を受けます。
「今日やりたい家事カード」の管理
Smuzooを利用すると、すべての家事について、完了したか否かが一目瞭然になります。また、家事が完了したら「いいね!」を押して相手に知らせることができます。
これはまあ家事シェアアプリとしては普通の機能かと思いますが、「今日やりたい家事」ではなく「今日やらないといけない家事」という印象が強まっていくような気がします。
お互いの達成度の確認が可能
Smuzooを利用すると、終了した家事をもとに家事のシェア率を計算できます。
これを見てゲーム感覚で楽しく家事をできれば良いのでしょうけど、得てして旦那が妻に負け続けてスネる結果となりそうです。
インストールしてみたが使用に至らず

※Smuzooスクリーンショット
正直、ここまで内容を確認して、私の中では「何だか面倒臭いアプリだなー」という印象しかありませんでした。しかし、ゴチャゴチャ言っていても始まりません。早速、インストールして使ってみることにしました。
ところが、ログイン画面で断念。これまで使った家事シェアアプリはフェイスブック認証などが使えましたが、Smuzooはメールアドレスを登録しないと使えないのです。無料のアプリですからもちろん運営側にも何かしらメリットは必要だと思いますが、むやみやたらとメールアドレスを登録するのってイヤじゃないですか。もうちょっと「使ってみたい」と思える機能があればリスクも犯したと思うのですが…。
家事は基本、あうんの呼吸でやっている
アプリを使ってもいないのに言うのもナンですが、これは根本的に誤解していると思います。我が家はともかく、一般的に家事というのは面倒臭くて誰もやりたくないものです。そこで家事シェアの状況を可視化することは重要だと思いますが、ただでさえ面倒臭い家事がひとつ進捗するたびに入力するという作業が発生することは、非常に煩わしいと感じます。
夫婦間で家事をシェアする場合、基本的には「あうんの呼吸」でやっているはずなのです。旦那に頼んだけどやってくれない場合も、その状況を見れば明らかで、できていない部分や足りないところを妻が補うということが一般的です。また、干し忘れて床に落ちていた洗濯物を、旦那が気を利かせて干すということもあるでしょう。これもあうんの呼吸で、こんなイレギュラーなことはアプリでは管理できません。
どうもこのアプリは、そういう夫婦のあうんの呼吸というものを考慮せず、全部の家事を機械的にフォローしてしまっているように思います。
会社で仕事をするのと同様に、家庭で夫婦が家事をする際はコミュニケーションが欠かせません。家事シェアアプリは基本、そのコミュニケーションを補うものであるべきです。状況さえ見れば分かることを改めて入力するのは無駄ですし、かえってコミュニケーションを阻害することに繋がります。
また、このアプリは機械的な作業が多くを占めており、気付きや楽しさという要素が感じられません。たとえば以前にこちらで紹介した「Yieto(イエト)」では家事分担マップというのが作成できて、夫婦の家事の取り組み方を改めて確認することができました。また、「KAJISUKI」という同様のアプリにはSNSでシェアするという機能がありました。それらに比べると、このアプリは継続して楽しく使える感じがしません。
という具合に厳しい評価となってしまいましたが、まだリリース直後ですから今後もっと改善されていくのでしょう。「使ってみたい!」と心の底から思えるようになったらログインしてみたいと思います。
2018/12/28追記
どうもこのアプリは中身がないというか、目新しさを感じないと思ったら、家事代行サービスと連携させることが目的だったようです。ビジネスモデルありきだったんですね。

関連記事




コメント