マンガ『ブラックジャックによろしく』(著:佐藤秀峰)は電子書籍版が無料で公開されていることもあり、ご存じの方も多いのではないかと思います。
もちろん私も全部読みました~(´∀`*)研修医が医療の現実に直面し、葛藤しながら成長していくというストーリー。何というか…一言で言うと「考えさせられる」という感じで、でもすごく感動する内容でした。妻にも「絶対読んだほうが良い!」ってオススメしました。
ブラッジャックによろしく 大人のADHD編
今回紹介するのは本編とはまた別のストーリーで、『ブラッジャックによろしく 大人のADHD編』。全部で4話ありますが、日本イーライリリーが”ADHD(注意欠如・多動症)による日常生活における困難や悩みを分かりやすく表現することで、広く疾患への理解を促し、ADHD患者さんがより適切なサポートを受けられるようになることを願い”、発行したweb版の小冊子です。
ADHDには周囲の理解とサポートが必要
私がお邪魔させていただく「片づかない」お宅でも、そこの方がADHD(注意欠陥・多動性障害)であることがしばしばあります。ADHDと診断された方もいらっしゃれば、そうでなくてもそうじゃないかなという感じの方もいらっしゃいます。また、症状はそれぞれです。典型的なADHDの方もいれば、お医者さんも特殊なケースと診断する症状の場合もあります。
ADHDは何も特殊な病気ではありません。今回の小冊子を読んでもらえば分かると思いますが、誰にでもあるようなところが顕著に出ているだけと言えばそれまでのことです。もちろん人によって程度は様々ですから、自覚のない人だってたくさんいます。逆に、「絶対に私はADHDのはずだ」と思って病院に行ってもその診断をもらえずに悩む人もいますが、収納のプロとして私が関わる場合はそこは問題ではありません。症状を理解し、どのように対処するか、ということが一番大事で、ADHDの人もそうでない人もまったく同じプロセスとなります。
今回の小冊子が素晴らしいのは、主人公(患者)の日常生活を重視し、本人と周囲の人間に理解を呼び掛けていることです。ADHDと一言で言っても症状やその程度はそれぞれですから、まず日常生活でどんな問題が起きているかを自覚する必要があります。またそれは自分のせいではないんだということを理解して安心する必要があります。また、この問題に対処するには周囲の理解とサポートが必要ですが、まず第一段階として周囲に求められるのは理解です。その点で、気軽に読めるマンガを無料で公開してくれるというのは、周囲の理解を促進するうえでとてもありがたいことだと私は思います。
一冊の手帳に書き留めるということはやはり大事
今回の小冊子にも書かれていますが、やるべきことをリストアップして書き留めるということは、やはり大事です。ADHDは健忘症のような症状を伴うことが多いので、あまり多くのことを求めないほうが良く、一冊の手帳を常に持ち歩くということにだけ意識を置くほうが良いと思います。手帳が煩わしい場合はスマホでもOKですが、ADHDの人が発想力豊かであることを踏まえると、手帳のほうが自由に書き込みやすくて良いと思いますが。
またこれは、ADHDの方に限ったことではありません。あくまで私の主観に基づく一般論として申し上げますが、ADHDでなくても男性よりも女性のほうが多動性や注意力不足が強いと言えます。これはもちろん女性に欠陥があるというわけではありません。まったく逆で、女性のほうが同時に複数のことをこなすことに長けており、創造力が豊かであると言ったほうが適切です。
お医者さん方の中には「ADHDはそもそも病気ではない」という人もいるそうですが、私も正直言って同じような意見です。もちろん私の場合は医学的見地で言っているわけではなくて、あくまで片づけの現場においてのことですが、誰しもが持っていることの程度の違いであり、悪い面がある一方で良い面があり、どんな症状であろうと自分を理解してそれに合った方法を模索するほかないと考えているのです。
その方法として、自己管理に役立つのはまず一冊の手帳です。様々な理由から手帳を使うことに抵抗を感じる人が多いようですが、難しく考える必要はありません。必要なことを箇条書きで書くだけでOKです。また、頭の良い人ほど手帳を使わずにすべて頭の中で処理しようとしますが、その方法ではどうしても限界がきてしまってパニックを起こす場合があるのです。まずは手帳という相棒を有効活用してもらったらと思います。
ちなみに、冊子に書かれているようなカラーボックスを使った収納方法というのは難しいことのほうが多いと思います。まずそのスペースを確保するのが難しいのです。基本的に新たに仕組みを追加するのではなく、まずはモノを減らすことが大切です。
…という具合にいつもながらの乱文となってしまいましたが(苦笑)、とにもかくにもまずは理解することが大事です。ADHDは何も特別な症状ではありません。たぶん私も、誰でも持っています。まったくそういう症状がないという人はいないと思います。まずは自分をよく理解して、自分に合ったモノとの付き合い方を考えましょう。それが片づけの王道だと私は思います。
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