高度経済成長期に各地に建設された団地は、いま数々の問題を抱えています。建物の老朽化だけでなく住民の高齢化も進み、若い世代には魅力的な物件と考えられていません。
そこで数年前から町おこしが始まりました。無印良品やIKEA、ベルメゾンとのコラボのほか、2戸を1戸にリフォームした「ニコイチ」など、こちらでも既にお伝えした通りです。
そもそも団地の1戸は狭いので、家族3人以上で住むには狭いという問題があります。だからこそニコイチという方法も考えられるわけですが、逆に1~2人で住むというのもアリなわけで、若い世代の夫婦や単身者をターゲットとした「リノベ45」というプロジェクトが大阪府堺市の茶山台団地で始まっています。
リノベ45@茶山台団地
場所は大阪府堺市南区の茶山台団地。泉北高速鉄道の泉ヶ丘駅から歩いて10~15分のところにあり、決して不便なところではありません。
駅前には泉北高島屋のほかショッピングセンターもありますし、車でのアクセスも悪くありません。というか、むしろ私が神戸方面や大阪湾岸エリアに行くときにはいつも茶山台団地の横を通るくらいで、河内長野よりよっぽど便利です(苦笑)
それはさておき、リノベ45は2015年度から始まったプロジェクトです。2017年度は3プラン5戸を完成させ、1月26日(金)から28日(日)には現地オープンルームを実施、1月30日(火)からは入居者の募集を開始する予定となっています。
部屋の広さはいずれも45平米、家賃は月額5万円。築47年を迎える古い物件ではありますが、ワンルームマンションと比べて倍程度広く、それでいて家賃はワンルームマンション並みというのはリーズナブルと言えるでしょう。
今回はその3プランの間取りを見てみたいと思います。
無垢床&広々リビングの家
出典:リノベ45(以下同)
まずは「無垢床が気持ち良い広々リビングのある家」。1LDK+マルチスペースという間取りです。
無垢のフローリングと言っても軟らかい針葉樹だと思われ、そんなのを賃貸に出したらボコボコになっちゃうじゃないかと心配になりますけど、そこは民間ではなく公社(大阪府住宅供給公社)だからこそできることでしょうか。
この間取りの場合、「食器棚はどこに置くの?」とか、「夫婦2人で住むにはクローゼットが小さすぎ!」といった問題があります。しかし、一人暮らしならカウンタータイプの食器棚にすれば良いし、女性でもハンガーラックを1つ置けば洋服はなんとか収まりそうです。
土間スペースとその横にはマルチスペースがあるので、レジャーやDIY、園芸などが趣味の人には、魅力的な物件ですね。
サンルームがある家
お次は「サンルームがある家」。こちらも基本は1LDKながら、より正確に言えば上の間取り図のように家具をレイアウトすると1DKという感じです。
このように家具を配置すると、「ダイニングは広すぎなのに、洋服はどこに収納したら良いの?」という風に思ってしまいます。ただ、寝室側をプライベートスペースにして、サンルームで開放的なパーティーや料理教室を開くなら良いかもしれません。
また、洗濯機がバルコニー側にあるので、室内干しをするときには便利でしょう。
ガレージがある家
最後は「ガレージがある家」。1LDK+ガレージという間取りで、最初の間取りの土間とマルチスペースを足して広い土間にしたという感じですね。
なので、やはり夫婦2人で住むにはちょっと無理がある感じです。ですが、本格的に自転車をイジりたい人やDIYに取り組みたい人には、最初のプランよりも居心地が良いのではないかと思います。
ただ、個人的には寝室とガレージの間には間仕切り戸を設けて欲しかったなーと思います。階段室からの音や、冬場は冷気が気になるように思うからです。
というわけで、いずれもあくまで単身者用かと思いますが、もし私が独身だったら普通のワンルームマンションよりもリノベ45に住みたいですねー。広ければ広いほど工夫のし甲斐がありますし、リフォームしたばかりでキレイというのも魅力的です。
ぶっちゃけ、こういうのはもっと早くに取り組むべきだったんじゃないかとか、コストを度外視し過ぎじゃないのかと思うところもあります。しかし、今となってはこれくらい魅力的なことをやらないと、住人は集められないでしょうね。
というか、これら3つのプランは相当競争率が高くなるんじゃないでしょうか。それほど魅力的なプランだと思います。
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