近年はCDの収納方法についてご相談を受ける機会が随分と減りました。その理由は、日頃からよく音楽を聴く人はダウンロード購入することが増えているからと思われます。逆にCDの収納方法について聞かれる場合は、普段聞くものではなく思い出の品として保管しておくケースが増えました。
本や雑誌もkindleや楽天koboなどの電子書籍に移行するはずなのですが、未だに本の収納方法についての相談は多いです。それもそのはず、電子書籍の普及率は19%程度とここ数年でほぼ横ばいとなっており、音楽のダウンロード購入ほど普及していないようです。
電子書籍が普及しない理由
電子書籍が普及しない理由については諸説あるのですが、消費者側から見たデメリットとしては主に以下の3点が挙げられると思います。
- コンテンツがまだまだ少ない
- 所有権がない(=使用権のみ)
- 紙媒体に慣れていると使い勝手が悪い
新刊が出てもとりあえず紙媒体だけで電子書籍はすぐには発売されないということも少なくありません。また、以前に発売された本は紙媒体しか存在せず、結局、紙媒体と電子書籍のダブルスタンダードになってしまうということが、消費者として不便を強いられているところと言えます。
2つ目の所有権について、電子書籍は基本的に使用権を与えられるのみで、kindleや楽天koboなどのプラットフォームがサービスを停止すると使用権を失ってしまうというリスクが存在します。これは実際に複数のプラットフォームが撤退したことにより表面化している問題です。お金を払ったのに所有権がなく、古本のように転売することができないというのは確かにデメリットです。
3つ目は、電子書籍は紙媒体の書籍や雑誌とは使い勝手がまったく異なるということです。紙媒体なら「確かこのあたりにこんなことが書かれていたはず」と思ってページをパラパラとめくれば探せる情報が、電子書籍では見つけにくいという問題があります。
電子書籍のメリット
以上の通りデメリットが多い電子書籍ではありますが、私はメリットのほうが多いと感じています。電子書籍を使うメリットは主に以下の3点です。
- 収納スペースが少なくて済む、大量に持ち運び可能、処分に困らない
- 安く利用できる
- 複数端末で利用可能、検索が可能
まず1つ目のメリットが非常に大きいです。電子化されているので収納スペースを必要としません。本棚を多く設ける必要がないのです。また同様の理由で、常にたくさんの電子書籍を持ち運ぶことができます。
あと私は古本屋で古本を売ったり買ったりする習慣がありません。売ってもいくらにもならないので面倒なんです。その点、電子書籍なら放ったらかしにしておいても問題ないので無駄な時間と労力を使う必要がありません。
メリットの2つ目は安く利用できるということです。kindleや楽天koboなら紙媒体の半値程度で利用できることも多いです。どうせ古本屋に持ち込んだって半値も回収できませんから、所有権などなくても私は気にならないのです。
3つ目は複数端末で利用できたり、検索が可能という、電子媒体ならではのメリットです。満員電車に乗るとバッグからタブレット端末を出すこともままならないことがあります。しかしスマホで続きを読めるのが電子書籍の良いところです。kindleや楽天koboならパソコンでも読むことができます。
また、パラパラとページをめくって必要な情報を探すのは電子書籍の不得手とするところですが、キーワードさえ分かれば電子書籍のほうが簡単に検索できます。
以上の通り、電子書籍にはデメリットもある一方でメリットもいろいろあります。特に収納のプロとしては、電子データでコンパクトに収納できるということが最大のメリットと感じています。
音楽CDの場合はもともとがデジタルデータなので自分で端末にダウンロードできましたが、電子書籍の場合はちょっと簡単にはデジタル化できないということがもっとも大きな普及の妨げとなっているのではないかと思います。
しかし電子書籍も市場が確立されて安定期に入れば、紙媒体と電子書籍が同時にリリースされることが当たり前になり、普及が加速していくのではないかと個人的には思っています。現状では紙媒体と電子媒体のダブルスタンダードは避けられませんが、本棚を置くスペースに困っているようなら早めに電子書籍を導入することで後々困ることを防げるのではないでしょうか。
コメント
こんにちは。
電子書籍については、現状、難しい面がありますよね。
本が好きなのですが、もう終活にはいる年頃なので、新しい紙媒体の本を買うのはおっくうになってきています。なので、図書館で借りるのがほとんどになってきました。
個人での普及を推し進めるよりも、図書館が電子書籍を基本とした貸し出しシステムが当たり前になれば、同じ使用権であっても(年会費のような有料でも可)もっと個人利用が進むと思います。
そして、いま現在、紙媒体で持っている書籍を出版社に送ったら、電子書籍に交換してくれるようなサービスがあったら嬉しいですよね。
ま、理想を言ってみても仕方ないのですが、電子書籍は便利だと思います。
MAOさま
こんにちは、おひさしぶりです^^
確かに図書館って、本について考える場合には外せない存在ですね。
おっしゃる通り、図書館が電子化されるのは現実的であるように思います。
確か実際にその取り組みが始まっているところが日本でもありましたよね。
一方、図書館のために電子化するとか、発行から年月の経った本を電子化するというのは、斜陽化する出版業界には厳しそうです。
実際のところ、一般人が手にする本の多くは図書館で事足りることが多いと思います。
それでも出版業界が成り立っているのは一重に本好きの方のおかげだと思います。
レンタルなら安く借りられるのに映画館が成り立つのに近い原理かなと思います。
で、若者は本離れしてしまった一方で、年配の方は本を読むのが苦痛になってきます。
今さら電子書籍と言われてもちょっと手が出ないという人も多いんでしょう。
紙媒体の本の良さを一番分かっている人たちだとも思いますし。
アマゾンや楽天も頑張ってると思うんですが、まだまだ電子書籍はベータ(版)なんですかね~?^^;