先日来、母がせっせと実家の食器などの処分を進めてくれています。それまでは、「片づけないといけない」、「でも捨てるには忍びない」、「誰かもらってくれる人がいないか?」などと言って遅々として進みませんでした。しかし、片づけが進むことになったのは、意外にも「不要品買取業者」がきっかけだったのです。
ある日、母のもとに不要品買取業者から1本の電話が掛かりました。曰く、「何でも買い取ります」ということでした。そのことを母が私に報告してきたので、私は断るように忠告しました。「悪質リフォーム業者や化粧品のセールスと同じで、電話で営業してくる業者はロクなことがない。きっと家に上がって金銀プラチナを買い取るのが目的だから。」と母に言うと、母は断りの電話を入れました。
しかし、翌日からそれらしき男性が何度も家に訪れたり、1日に何度も電話を掛けてくるようになりました。それで母は怖くなって、もう他人には頼めない、自分でやるしかないと思ったようです。何が片づけのきっかけになるか分からないものですね(笑)
私の母の場合はさておき、なかなかモノを手放せない、いつか手放そうと思っているけど今すぐは無理という方もいらっしゃることでしょう。そんな方のために、カタログ&ネット通販でお馴染みのフェリシモが「宅配思い出お預かりサービス」を開始しました。
フェリシモ・宅配思い出お預かりサービス

出典:PR TIMES(以下同)
このたびフェリシモが提供を開始した宅配思い出お預かりサービスは、基本的には従来から他社でも提供しているダンボール単位でモノを保管するサービスと同様です。しかしながら、コンセプトはまたちょっと違って、このサービスには2つのタイプがあります。
ひとつめは「お預かりサービスタイプ」。すぐに使う予定のないモノを数ヶ月以上預けることを念頭にしたサービスで、思い出の品やオフシーズンのモノの保管を依頼するものです。
もひとつは「お片付けサポートタイプ」。保管や処分に悩んだモノをとりあえず預けてしまうというサービスで、預けたモノをどうするかを定期的に確認する「コミュニケーションサポート」を受けることができます。また、手放す場合はリユースやリサイクルなどの有料オプショサービスの提案もあるそうです。
料金は1箱あたり税別200円/月から
2つのサービスは事実上同じ料金体系となっており、箱の大きさや契約期間に応じて料金が変わります。毎月更新コースで税別200円/月~、半年更新コースで同167円/月~、1年更新コースで同150円/月~となっています。
また、契約期間にかかわらず、1箱あたり税別2,000円~の基本料が必要になります。なお、この基本料には発送および返送の宅配料金も含まれます。
自宅保管なら1箱あたり約17円で済む
スモールのボックス(440×305×230mm)を1年更新コースで契約して1ヶ月あたり150円で保管してくれるなら安いと感じるかもしれません。しかし、果たして本当にそうでしょうか?
仮に70平米で家賃が月額7万円の家に住んでいたとしましょう。1平米あたり1,000円の場所代ということになります。
1平米でスモールのボックスがいくつ積めるかというと、単純計算で3×2列を10段、つまり60個となります。1平米で1,000円の場所代なら、1箱あたり約17円という計算です。保管サービスが1ヶ月あたり150~200円と考えると、およそ1/10で済むということになります。あまりにモノが多いようなら、広い家に引っ越したほうが安上がりかもしれません。
なお、この料金は決してフェリシモが特に高いというわけではなく、他社サービスも概ね同水準です。また、表題の”保管料は自宅の10倍”というのはあくまで70平米で月額7万円の郊外の賃貸住宅を基準にした場合です。都心のマンションでは逆にこういったサービスを利用したほうがお得な場合もあることでしょう。
そもそも保管料を払う価値があるモノ?
とは言え、余分な場所代をケチって家の中がモノで埋め尽くされるよりは、モノを外部のサービスに預けてスッキリさせるというのがこのサービスの趣旨でしょう。しかしながら、果たしてお金を掛けるほどの価値があるモノかという疑問があります。
以前に、実質的にメルカリが主導している「みんなのかくれ資産」という診断サイトが公開されました。

これを使って我が家のかくれ資産を診断してみたところ、かんたん診断モードで約52万円という結果が出ました。しかし、絶対にそんな額にはならないという自信があります。
くわしく診断モードで確認して見ると、トップスが1枚あたり2,655円で計算されていることが分かりました。男女とも同額で、ジャケットなどのアウターではなく、シャツやブラウスです。私はそもそも5,000円を超えるシャツなんてほとんど持っていませんので、それを手放したところで半値で売れるとはとても思えません。
一方でフェリシモの宅配思い出お預かりサービスを利用して、スモールのボックスで1年間保管をお願いした場合、基本料込みで税込4,104円掛かります。スモールのボックスならTシャツが50枚くらい入りそうですから、4104÷50で1枚あたり82円/年、1ヶ月あたりに換算すると6.8円/月くらいの保管料ということになります。
自宅なら1箱あたり16円ですが、Tシャツ1枚を6.8円で預かってくれれば負担感はありません。しかし、同じ4,104円を支払うなら、思い切ってあまり着ないTシャツは処分して、新しいTシャツを1~2枚買ったほうが気持ち良いと私は思ってしまいます。
つまるところ、価値観の違いだと言ってしまえばその通りかもしれません。しかしながら、収納はあらゆる無駄を省くためにおこなうものだという本来の意義を考えると、外部のサービスにお金を払うことは合理的でないと思います。
これは収納のプロを呼んで片づけ方を教わるのとは根本的に違うのです。片づけ方をいったん教われば、継続して出費する必要はありません。しかし、保管サービスはモノを預けている間ずっと出費を伴います。
こういったモノの保管サービスは昨今かなり普及が進んでいますが、目先の負担感の少なさに惑わされてしまっている人が多いのではないかと危惧するところです。
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コメント
収納マン様こんばんは。ようやく冬休みとなりました。
うちの家具の数を数えてみました。なお、家の広さは100平米くらいで2人暮らしです。
洋タンス3、桐タンス3、整理タンス2、食器棚2、作り付けの食器棚1、茶箪笥1、本棚5、作り付け本棚1です。なお、1間幅のクローゼットが2、半間のクローゼット(タンス)が1、納戸というか小さめの押入れが3(食品や書類、座布団など)、1間幅の押入れが1、2間幅の押入れが1といった具合です。その他、吊り戸棚(台所も)、あと玄関にも納戸と100cm程度の靴箱、1間幅の腰高の浅い引き戸。押入れ系収納は面積は広くとも使いにくいですね。あっ、外に物置2つ。
家具自体の数は少ない方でしょうか?
以前、片付けの人に来てもらったところ、「洋服半減」と言われ、へこみました。だいぶ減らしてはいるのですが(クローゼットと押入れに収納ケース)。本は仕事の資料なので、減らすことは不可能。たとえ好きな本でも資料にならない場合は処分してます。
物を溜め込みがちな母もだいぶ処分してくれるようになりましたが、道遠し。(服を買うのが好きな人ですが、私の物を買うと私が怒るので買わなくなりました。年に数着程度ですが、在庫を減らさないことには)。
日本三毛猫さま
こんばんはー^^
今日から冬休みですか?
いいですねー、ゆっくりしてください♪
100平米で2人暮らしというだけで贅沢ですねー。
とは言え、私の母は一人暮らしでたぶんそれ以上の広さの家に住んでますけど^^;
造り付けの収納スペースは決して少ないわけではなく、それでいて収納家具もちょっと多いですね。
ただ、それらの状況を踏まえても、私なら「洋服半減」という提案はしないですね。
基本的に私は、一人暮らしであれ、家族世帯であれ、一人あたりはワンルームマンション1室に収まるモノの量が理想だと考えています。
つまり、水回りは別として、1人あたり6畳くらいということですね。
それで言うと、日本三毛猫さんのお宅の場合は2DK~2LDKくらいが理想と言えるでしょう。
しかし、現実に100平米あるわけですから、無駄に空間を空けておいても仕方ありません。
また、何のために生きているのかということを考えると、他人から無駄だ何だと言われても、趣味や仕事でたくさんモノを持っても良いと思います。
特に日本三毛猫さんの場合は、お仕事関連の本が多いと思います。
桐タンスも、おそらく着物が入っているのではないでしょうか。
オシャレが趣味で、しかもお仕事をしている女性なら、当然、洋服の量が増えるのも致し方なしだと思います。
日本三毛猫さんがモノが多いと思えばその通りだし、別にそうと思わないのであれば別に今のままで良いのです。
モノの量は、理想的なライフスタイルのイメージと照らし合わせたうえで加減すれば良いのです。
それはさておき、家族と言えど他人に服を買ってもらうのって困りますよねー。
私も先日、妻からヒートテック的なものをもらって参りました。
旦那の下着を買ってくるというのは、女性の特権なんでしょうか?
逆があり得ないと考えれば、勘弁して欲しいものですねー^^;