前回までのところではいくつかのソファーの形を紹介しました。
【前回までの記事】


本当はもっとたくさんあるんですけど、キリがないので次に進みます。今回はもっと「ソファーの選び方」らしい、素材などについて紹介したいと思います。
ソファーの最上位はやっぱり「布」だと思う
近年は布のソファーが増えました。とても良い傾向だと思います。以前のステレオタイプでは最高級が皮革、中でも一枚革が最高級とされていましたけど、最近はそんなこと言う人はいないですね。
コスト的に言えば、一枚革が最高級であることは間違いありません。でも一枚革は伸びやすいうえに、座っていても滑りやすくてとてもじゃないですが座り心地が良いとは言えません。一枚革よりも縫い目があるほうが合理的で良いと私は思います。
また、皮革は合成皮革と違って通気性があると言われますが、ハッキリ言って布のほうが通気性は良いです。
耐久性の点で言えば一番良いのは合成皮革でしょう。でも合成皮革はやっぱり安っぽくなります。
布と一言で言ってもランクはピンキリではありますが、布が良い理由は主に以下の3つです。
- 触り心地が良い
- 柄や色が豊か
- 通気性が良い
安い布は触り心地は良くないですけど、良い布は触り心地が良く、座り心地にも影響してきます。また、皮革や合成皮革は柄がなく、色もワンパターンでのっぺりしていますが、布には柄物があり、色合いも豊かです。
布の場合はどうしても汚れが気になりますが、中身のウレタンもどうせ10年持てば良いほうです。木のフレームの上に置きクッションのタイプを除いては、消耗品と割り切って布のものを選んでもらうのが良いんじゃないかなと個人的には思います。
ちなみに皮革の場合はメンテナンス次第で20年でも持ちます。ただしウレタンはやはりへたってきます。
「ポケットコイルだから良い」わけではない
次はソファーの中身について。ソファーの中身は基本的にバネとウレタンスポンジです。飛騨産業の穂高のような木のフレームに置きクッションを置いたソファーの場合は板ゴムや布バネを使うのが一般的です。ヨーロッパ製のふかふかのソファーに多いのはウェービングテープ、日本のメーカーのものはSバネやポケットコイルが主流です。
基本的に私はベッドの寝心地やソファーの座り心地に言及することは控えています。それは好みによるところが非常に多いからです。一般的にSバネは硬めの座り心地、ポケットコイルは軟らかめの座り心地になりますが、どちらが良いというわけではありません。あくまでも個人の好みです。
商品によってはことさら中身の構造を説明しているケースがありますが、基本的にあまり意識しないほうが良いでしょう。何を使っているから良いとか悪いとかいう話ではありません。あくまで自分にとって座り心地が良いか悪いかが大事であり、軟らかいほど傷みやすく、硬いほど傷みにくいだけの話です。ちなみにヨーロッパの家具は100年もつと言われますが、それは何度も張り替えをした上での話でしょうし、座り心地はかなり硬いうえに、たぶんほとんど座られていないんだろうと思います。脚物にしろ箱物にしろ、家具は日本のものが一番しっかりできていると私は思います。
ソファベッドはあんまりオススメできない
様々な意見はあると思いますが、個人的にはソファベッドはあまりオススメしません。スペース的な制約でどうしても寝る場所を兼ねつつソファーを置きたいというケースはあると思います。けれどもソファーとベッドを兼用するとどうしても不都合が生じるのです。
人が眠るときは相当の汗をかきます。ソファベッドが合成皮革や皮革の場合、ソファベッドの表面でベッタリします。布の場合は内部に浸透し、ウレタンの劣化を早めます。ベッドパッドのようなものを上に敷いて寝ればそういった問題を防ぐことはある程度可能ですが、実際にそうする人はほとんどいないと思います。ですから就寝をメインに考えるならベッドを選んだほうが良いでしょう。
来客用など、たまにそこで寝ることを考える場合は、ソファーを選んだほうが良いでしょう。構造的にはソファーもベッドもバネの上にウレタンが乗っているという点では同じですが、ベッドが基本的に均一な硬さに作られているのに対して、ソファーは背も座もメリハリのある硬さになっていることが一般的です。つまり、簡単に言ってしまえば構造は同じでも座り心地は違うのです。たまにしかそこで寝ることがないのに普段の座り心地を犠牲にしてしまっては本末転倒です。座り心地にこだわらないのなら、移動が容易なチェアを置いたほうが良いかもしれません。
展示場ではゆっくり座って座り心地を確認
展示場で軟らかいソファーに座ると座り心地が良いです。しかしそのソファーに座って2時間も映画を見ていると腰やお尻が痛くなってくる場合があります。映画館でも自動車でも比較的長い時間座る椅子はたいてい硬めのはずです。だからと言ってあまり硬いものがオススメとは言いませんが、そういうことも踏まえて展示場ではできるだけゆっくりと時間を掛けて座るようにしましょう。
とは言え、なかなか展示場で2時間も座り続けることは難しいと思います。たくさんのソファーの中から一つを選ぶならなおさらです。ですから展示場でソファーの座り心地を確かめる場合はコツを押さえておく必要があります。展示場ではお尻でちょこんと座ったり、ドサッと背もたれに寄りかかって座る人が多いのですが、深めに腰かけて体のどこの部分に当たっているかを感じることが大事です。また、ソファーに座って何をすることが多いのかは人それぞれです。テレビを見る、本や新聞を読む、お茶を飲むなど、普段やっている姿勢をイメージして座ることも大切です。
また、家族それぞれ体格が異なりますので、家族全員が満足するソファーを見つけるというのは非常に難しいと言えるでしょう。その場合はクッションも併用して座り心地を確認してみるのも良いと思います。
自宅に置いた状態をしっかりイメージ
家具の展示場は広いうえに天井も高いです。そのため座り心地で選ぶとスペース的なことを忘れてついつい大きめのものを選びがちです。必ずよく寸法を測り、自宅の天井の高さやスペース的なバランスなどをしっかりイメージして購入するようにしましょう。
売場では壁側にルーム展開されたスペースがあり、「このスペースは○畳です」と書かれていることがあります。そこならまだ広さのイメージがしやすいですが、それでも手前側は壁がありませんので、普通の部屋ならば圧迫感が強い組み合わせでもそう感じないものです。しっかりと部屋の状態をイメージして、「置ける寸法」ではなく「置いて違和感のない寸法」を意識するようにしましょう。
いきなり購入に至ることのないよう、一度自宅に戻って新聞紙を同じ寸法にして敷いてみてイメージを確認するのがオススメです。あとついでに、搬入経路は事前にしっかりと確認しておきましょう。お気に入りのソファーを買ったものの、エレベーターに入らない、玄関で曲がれない、リビングの入口を通過できないなんてことになったら大変です。吊り上げの必要が生じたら後日改めて納品となったり、吊り上げ作業料金を加算される可能性もあります。これは本当に要注意です。
カラーはカーテンとの相性を意識して選びましょう
ソファーが決めれば最後は色や柄を選びますが、ここでカラーについて語り始めるとキリがなくなってしまうのでごく簡単にまとめたいと思います。
ソファーの色や柄を選ぶ場合、多くの方が展示色を購入します。最初にイメージした色や柄があって、無意識のうちに展示場でそのイメージに合ったものを探すためです。また、一般的にサンプル帳で見るよりも仕上がりは若干明るい色になるので、それをリスクと感じる人が多いためでもあります。購入者にとって展示色がもっとも安心なのです。
カラーコーディネートの基本は、一番広い面積を占めるベースカラー、中くらいのアソートカラー、小物などのアクセントカラーの3つのカラーのバランスを取ることです。一般的にベースカラーは壁、床、建具、アソートカラーはカーテン、カーペット、家具です。ソファーの場合はアソートカラーもしくはアクセントカラーを意識する必要があります。ですのでカーテンやカーペットと相性の悪い色は避けたほうが無難です。季節によってカーテンやカーペットを変えることも多いと思いますが、どの色とも喧嘩しないことがベターと言えます。ソファーの購入に合わせて、アソートカラーとアクセントカラーを見直すというのも良いでしょう。
以上、ソファーの素材などを中心にソファーの選び方について紹介しました。当初予想に反して、説明し出すとキリがないほどのボリュームになってしまいました(苦笑)本当はもっともっとあるんですけど、今回はとりあえずここで終わっておきます。
ここまでのところでセンターテーブルについての説明がほとんどできていませんので、次回はセンターテーブルについて説明をしたいと思います。
続編

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