IDC大塚家具が一般社団法人女性のための快適住まいづくり研究会とコラボして、女性のための新しい家具ラインナップ「コンパクトファニチャー」シリーズを11月1日から販売開始することを発表しました。
一般社団法人女性のための快適住まいづくり研究会というのは、マンションの購入に関心がある女性が集う団体。女性の安全で快適な住まい選びを応援するために活動し、今年で設立26年目を迎え、会員数は8.5万人を超えます。
そんな研究会の会員の要望を取り入れた企画を基に、IDC大塚家具が開発したのが今回の女性のための家具シリーズということです。
コンパクトファニチャー4つのコンセプト
- Luxury…上質でかわいい、大人の女性のためのシリーズ
- 2WAY…可変性で住まいづくりの課題に応えるシリーズ
- Easy Maintenance…女性でも扱えるイージーメンテナンス仕様
- Storage…限られたスペースでも収納スペースをしっかり確保
今回の女性のための家具シリーズには、上に挙げた4つの明確なコンセプトがあります。これらすべての条件は、多くの女性が納得するところではないでしょうか。
ですが実際のところ、これらを満たした家具というのはほぼないですよね。ラグジュアリーな家具はたくさんありますが、基本的にデカイ。基本的に単機能で、シチュエーションに応じた使い方のアレンジはできない。手入れが簡単ということを謳ったソファーなどはありますが、安っぽかったりします。
基本的に家具業界は男性社会ですから、女性が既存の家具に不満を感じるのは当然だと思いますし、こういった企画が採用されたことは大いに意義があると言えるでしょう。
カウンター&ダイニングテーブル/チェア
出典:PR TIMES(以下同)
御託はさておき、実際にどんな家具なのかを順番に見ていきましょう。まずは「カウンター&ダイニングテーブル/チェア」です。
ホワイトがベースでピンクの座面がアクセントになったフェミニンなカウンターとダイニングチェアのセット。一見、何の変哲もないように見えますが…。
カウンターは片パタ式になっており、天板を拡げればダイニングセットに早変わり!普段は1~2人暮らしでカウンタースタイルで、来客時も天板を拡げればおもてなしできちゃうというわけですね。これは良くできているというか、ライフスタイルについてよく考えられた仕様だと思います。
2WAY仕様になっているのはカウンター&ダイニングテーブルだけではありません。チェアにも一工夫あります。
カウンタースタイルにしているときはチェアが2脚余っちゃうわけじゃないですか。そのときにチェアをただ部屋の隅に置いておくというのは芸がないわけですね。
でも、座面を裏返すとフラットな板座になっていて、花台やサイドテーブルとして使うことができるんですね!もっとも、このギミックのために座り心地はあまり良くないと思われますが、まあそれは致し方なしというところでしょうか。
それよりも問題だと感じるのは、テーブルの高さが720mmであるということです。当然、それに合わせて座面高も450mmと高めになっています。
基本的に洋家具のデザインなのでそのほうが格好良いというのは分かりますけど、一般的に女性だと足が床に付かない高さです。女性のための家具なのにこの高さ設定というのは、ちょっと腑に落ちないですね。
なお、説明が前後しますが、今回のコンパクトファニチャーは、ホワイト系の「Tiara(ティアラ)」シリーズとブナ材を使用したナチュラル系の「Nordic(ノルディック)」シリーズの2ラインとなっています。ティアラシリーズについては材質が書かれていませんが、おそらくMDF合板とブナが主体なのでしょう。
食器&家電棚CF(ティアラ仕様)
お次は「食器&家電棚CF」のティアラ仕様です。ちょっとダイニングチェアのフェミニンな印象とはかけ離れた線のボードですが、家電が収納できるという実用性を考えると致し方ないところなのかもしれません。
商品名や仕様からすると、食器棚メーカー最大手のパモウナが作ったような感じです。でも、家電収納部にモイスを使っているので絶対にパモウナではないですね。
ティアラ仕様には上棚天板にLEDのダウンライトがビルトインされています。ただの食器棚というよりはギャラリーボードのようですね。ワイングラスなどを飾って収納するのには良いでしょう。
なお、ノルディック仕様はガラス扉ではなく板扉、LED照明も付きません。
リビング&ダイニングソファ/テーブル
こちらは「リビング&ダイニングソファ」と「リビング&ダイニングテーブル」のセットです。
1DK~2LDKのマンションのマンションだと、ソファーを置きたいと思っても難しいことが多いでしょう。でも、これくらいコンパクトなら問題なく置けそうです。
座面の下は収納スペースになっています。座り心地は悪そうですが、限られたスペースを有効活用できるのはありがたいと感じる人も少なくないのではないでしょうか。
テーブルにも一工夫あります。スライドテーブルが付いており、天板面を広く使うことができます。また、スライドテーブルの下はカトラリーを収めるのに良さそうな引出しになっています。
実際のところ、「こんなところにカトラリー収納してどうするの?」とは思いますが、テレビのリモコンなり小物を収納すれば良いでしょう。
ベッド&ソファ
最後は「ベッド&ソファ」です。
「要はただのソファベッドでしょ?」と思うことなかれ。普段はベッドとして使い、来客時には付属のマットレスカバーをセットすることでソファとして使える点だけ見れば、ちょっと面倒臭いだけのソファベッドです。しかし、マットレスの設置面に敢えてすべりやすい素材を使用することで、マットレスがずらしやすく、女性でもシーツ交換が楽にできるようになっているのです。
普通のベッドメーカーならマットレスがズレにくいように考えますから、まさに逆転の発想。マットレスの下には引出しを備えるなど、完全に「機能性>寝心地」にフォーカスした商品と言えるでしょう。
なお、マットレスと引出し無しのボトムフレームを追加すれば、クイーンサイズのベッドとして使うこともできます(上写真右)。
以上、見てきましたように、今回のコンパクトファニチャーシリーズは今までの男性主体の家具業界の発想とは一線を画すものとなっています。一言で言うと「コンパクトだけど欲張り」。個人的にはコンセプトはすごく良いと思います。
IDC大塚家具の従来のラインナップからするとかなり趣が異なるような感じもしますが、だからこそ新しい客層を呼び込むことができて良いのではないでしょうか。おそらく、IDC大塚家具のベテラン販売員からすると抵抗を感じる商品でしょうけど、そこから他の家具の販売に繋げていく腕の見せ所かと思います。
なお、IDC大塚家具ではわたくし収納マンと浜本工芸がコラボした「たなとつくえ」も販売中です。こちらも「コンパクトだけど欲張り」なデスクをご用意しておりますので、是非ご覧いただければと思います。
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