北欧風B級家具店のIKEA(イケア)が「IKEAカタログ2018」の発行とともに、全商品の約9%に相当する886点を平均2割値下げするとアナウンスしました。
全商品の約9%を2割値下げって言ったらなかなかスゴイですよ。確率的には、10アイテム購入するとそのうち1アイテムは該当商品となっていると言え、しかもその1アイテムは2割も値下げされているわけですから。1,000円のモノを10個買えば、トータル1万円のところが9,800円になるというわけです(あくまでも確率上の話ですが)。
しかし、良いことは大きな声で言い、悪いことにはだんまりを決め込むIKEAです。素直に信じられるわけがない…というのは私だけではないでしょう。
そこで、今回の値下げが本当にお得かどうか検証してみることにしました。
HYLLIS(ヒュッリス)は確かにお得!
まず、こちらでも紹介したことのある「HYLLIS(ヒュッリス)」について見てみましょう。ヒュッリスは税込1,999円だったところが同1,499円に約25%も値下げされています。
ヒュッリスはもともとお買い得な商品です。1,499円と言ったら、3段カラーボックスとほとんど変わらない値段です。それでいて幅は約1.5倍の60cmあり、各段ともにA4ファイルが十分収まる高さがあるのですから、使い勝手は良いでしょう。
おまけにスチール製ですし、見た目も悪くありません。ヒュッリスの値下げについては間違いなくお得と言えると思います。
BESTÅ(ベストー)テレビ台は微妙かも
今回の値下げでは、IKEAの定番リビング収納システムの「BESTÅ(ベストー)」も対象となっています。その中のひとつ、ベストーのテレビ台(上写真)は税込8,000円だったところが同6,990円に値下げされています。
実に約13%の値下げとなっているわけですが、これは微妙だと思います。いや、安くなったこと自体は良いと思うんですよ。ただ、これはもともとが高かったと言えるのです。
今回の値下げでは、ベストーの中でも基本となるフレームなどは値下げ対象となっていません。上写真のテレビ台と同じサイズのフレームは税込6,000円ですが、これは値下げ対象ではありません。
で、上写真の8,000円のテレビ台と6,000円のフレームの違いは、配線孔の有無だけなんですね。これで2,000円の差があるというのはそもそも高かったのです。
IKEAの商法は、安い商品で釣っておいて高い商品も同じように安いと思わせる、言わば催眠商法です。決して悪質な方法とまでは言いませんが、今回の値下げはその手法が通じなくなってきたのでカンフル剤を投入したと見ることもできます。
OMAR(オマル)は値下げされても高い!
IKEA版メタルラックとも言える「OMAR(オマル)」もラインナップの多くが値下げされています。たとえば上写真の1シェルフセクション(92×36×181cm)の場合、税込7,398円が同5,998円に約19%値下げされています。
確かに以前よりは安くなっていますが、オマルを買うならドウシシャのルミナス互換ラックを税込4,980円で買ったほうが絶対に良いでしょうね。オマルは見た目に安っぽく、耐久性も微妙、キャスターもなし、おまけにルミナス互換品ならオプションパーツが豊富に選べますから。
IKEAの商品は日本の他の店では扱っていないオリジナルなものが多いので単純比較することは難しいのですが、このように日本の既存商品と比較できるものがあれば、値下げされてもIKEAのほうが高いということだってあるわけですね。
今回、IKEAは人気商品を重点的に大量生産することで値下げを実現したということですが、対象商品を見ると多くは人気商品とは思えません。そのことはベストーのフレームの価格はそのままで、割高だった商品だけが値下げされていることからも明らかです。
もっとも、冒頭のヒュッリスのほか、「TROFAST(トロファスト)」などの人気商品も値下げされているわけですから、あながちウソでもないとは思います。でもトロファストもそもそも割高な商品ですし、いろいろ計算しつくしたうえでダメージの少ないところを値下げしたということは間違いなさそうです。
というわけで、欲しいと思っていたものが安くなっていればラッキーですが、「IKEAは安い」と信じ切ってしまうとまんまとIKEAの策にハマる可能性大ですので、気を付けたほうが良いとは思います。
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