一昔前まではプラチェストと言うと、安っぽくて生活感があるというイメージでしたが、最近はちょっと事情が異なります。シンプルでスタイリッシュなものもあれば、木目調で一見するとプラチェストには見えないものや、下手な木製チェストを買うよりもずっとスムーズに引出しが開閉できるものもあります。
経済産業省の統計によると木製タンスの販売数がここのところずっと10%前後落ち込み続けているのも、プラチェストにシェアを奪われているからではないかと思います。プラチェストのほうが安いですし、模様替えや引越しも楽ですし、家具好きの私でも木製チェストを買う理由はないと思うほどですからねー。
それでもさすがに、シンプルなデザインのプラチェストは作れても、凝ったデザインは難しいだろうと思っていました。しかし、新発売のリルデココのドレスチェンジチェスト「フルール」は、そんな私の常識を覆すものでした。
リルデココ・ドレスチェンジチェスト「フルール」
「Lilou de coco(リルデココ)」のドレスチェンジチェスト「fleur(フルール)」は、上写真をご覧いただければ分かる通り、白いアンティーク風のプラチェストです。普通なら脚部がキャスターや付け脚になっているところが、「猫脚」風になっています。
もっとも、本来の猫脚は上写真の左側の木製チェストや右側のスツールのような脚形状で、フルールの場合はちょっと猫脚とは言えません。しかしながら、まあ割りと凝ったデザインだと言うことはできると思います。
取っ手の部分は陶器でできており、これもちょっと凝った印象ですね。既に流通しているものを流用しているのだと思いますが、一見するとプラチェストに見えないことに一役買っている感じです。
一方で少し残念なのが、側面がラダー状になっていること。ここがフラットになっていればもっと木製チェストっぽくなっていたことでしょう。
フルールは幅共通で1段(DPC-01)、3段(DPC-03)、4段(DPC-04)、5段(DPC-05)タイプがラインナップされているため、ラダー状のほうが製造するうえで合理的だと判断されたのだと思います。ラダー状なら上下に連結させるだけで良いですけど、側面をフラットにするとなるとそれぞれの段数に合わせて金型を作るだけでもえらいコストですからね。
シールで着せ替えできる!
ところで、こちらのフルールがなぜ「ドレスチェンジチェスト」という名前なのかと言うと、前板の柄のシールを貼り替えることができるからです。そのためのシールもちゃんと別売で用意されています。
フルールはもともと10柄がラインナップされていますので、別に貼り替える必要性はあまりないのではないかと思います。そもそも貼り変えたいと思ったときに、この商品がまだ継続販売されている可能性は少なそうですからね。
しかしながら、貼り替えられないよりは貼り替えられたほうが消費者としてはありがたいことに違いありません。また、メーカーとしても、10柄のチェストの在庫を持たなくても、セットするシールを変えるだけで対応できるというのはメリットですよね。
フルールで用意されている10種類の柄は、男の私が言うのもナンですが、どれも素敵です。実店舗では見たことがありませんが、これはヒットの可能性がありますね。
ちなみに、リルデココというのはメーカー名ではありません。実質的な拠点を新潟県三条市に置くアイ・エル・シーという会社が販売している商品のブランド名およびネットショップの店舗名です。
アイ・エル・シーという会社については私はまったく知らないのですが、会社概要を見ると主にカタログ通販などに商品を卸しているようです。いわゆるメーカーではなくノンハブメーカーのようで、同じく三条市に本社を置くグリーンパルの商品なども扱っています。フルールは国産ということですので、ひょっとすると地場メーカーに作らせているのかもしれませんね。
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