先日、お片づけブログメディア”cataso(カタソ)”に掲載された記事が大変興味深い内容でした。
⇒ ”パリの女性は「整理整頓」に自信!日本女性は「自信があるところは特になし」”
ただ、この記事だけでは分からなかったことがあり、元記事を参照してみると、また別の側面が見えてきました。
【元記事】
単純比較できない調査対象
出典:オールアバウト「海外3都市と日本女性の”自信”に関する比較調査」
まずこのデータを見る際に気を付けないといけないのは、調査対象が異なることです。
- 調査期間:日本=2015年3月9日~3月16日、3ヶ国=2015年6月2日
- 調査地域:日本=東京を含む1都3県、3ヶ国=それぞれの首都
- 調査人数:日本=777人、3ヶ国=各206人
- 勤務形態:日本=フルタイム勤務者のみ、3ヶ国=限定なし
- 年代:日本=20代よりも30代のほうが約32%多い、3ヶ国=20代・30代同数
特に調査結果に影響を及ぼす可能性が高いのは、調査人数、勤務形態と年代の違いです。調査人数についてはサンプル数が多い日本のほうが正確であるものの、それに比べると他3ヶ国については精度が低いと言わざるを得ません。
また、調査結果では「仕事の出来」がすべての国でランクインしていることから、多くの人が仕事をしている女性であることは推測されますが、サンプルの対象が異なる結果を比べるのはちょっと難しいと思います。また、日本での調査は30代が20代よりも約32%も多いため、やや保守的な結果となっている可能性が考えられます。
調査は複数回答
具体的な調査方法については断りがないのですが、調査結果を見る限り、複数回答形式であったことが分かります。また回答のための選択肢は14個以上あったと推定されます。
例えばニューヨーク(n=206人)の場合、1位の「仕事の出来」を選択した人は119人、10位の「恋愛/結婚生活」は73人。一方、日本(n=777人)の場合、1位の「特にない」を選択した人は259人、4位の「顔のつくり」は107人、10位の「料理の腕」は95人であったことが分かります。日本の調査対象人数が多かったことも影響して、日本での4位から10位はかなり僅差となってしまっていることが分かります。
以上のことから、この調査に対する信憑性はあまり高くないと感じられるのですが、今回わたしがテーマとしたいのはそこではありません。ここまではあくまで本論に至るまでの前置きです。
日本人女性は総じて「謙虚」である
オールアバウトが3月に日本でおこなった調査では、”「自分に自信がある」と回答した女性が4割、というのは想像以上の数字”であったと述べられています。しかしながら6月に3ヶ国を対象に調査をしたところ、”ニューヨーク、パリ、ソウルの女性は日本の倍近い、約8割が自分に自信が”あるということが分かりました。
特に”ニューヨークに関しては9割以上が“自分に自信がある”という結果が得られ、これは自己主張の強さを示していると考えられます。一方、それと比較すると日本人女性は謙虚で自己主張が弱いと言うことができるでしょう。
この調査結果はあくまで主観に基づくものであり、事実と一致するかどうかはまた別の問題です。”「周りと比べて劣っている」と感じてしまう”傾向が強い日本人女性がこの調査結果を鵜呑みにするのは良くないと感じます。
「謙虚」と「自己主張が強い(自分の意見をハッキリ言う)」は両立することができません。この調査結果からはネガティブなことよりもむしろ、「日本人女性は謙虚である」というポジティブな捉え方をするほうが良いと私は思います。
周りのレベルが高いほど人は謙虚にならざるを得なくなる
各国の調査結果を見ていて不思議に思ったことがあります。それはパリの女性が「ファッション(お洒落)」に自信があると思っていないということです。
多くの日本人が、パリはファッションの街であり、オシャレな人が多いというイメージを持っているのではないでしょうか。しかし調査結果ではそれが示されていません。
これはつまり、洋の東西を問わず、周りのレベルが高いほど人は謙虚にならざるを得なくなることを示しているのではないでしょうか?翻って日本について考えると、何事においてもレベルが高いため、謙虚になっているのではないかと考えられます。
私が指摘するまでもなく、聡明な女性であれば既にお気づきのことかとは思いますが、日本人女性は何事においても大変レベルが高いと思います。そしてそれは諸外国からも度々指摘されている通りだと思います。ですから今回のような調査結果は、調査方法がそもそもおかしいなどと指摘するまでもなく、まったく取るに足りないものです。
保守的かもしれませんが、日本人女性が謙虚であることは美徳であると私は思います。謙虚でありつつも、もっと内に秘めた自信を強く持っていただければと思います。家事全般、あまり頑張りすぎずに上手に手抜きをして欲しいと願っております。
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