引越しをしたものの何から手を付けて良いのか分からないというご相談は多いです。ダンボールは積み上げられたまま、収納家具を買おうにも運び込むスペースがなく、ダンボールを開けて中身を確認すると手が付けられなくなりそう…という状態も多いです。
今回は引越し後の片づけに掛かる時間や必要なスペースについてまとめてみました。
片づけに掛かる時間
- 1部屋あたり5~6時間
- LDKは3部屋と考え、15~18時間
部屋の広さ、部屋にあるモノなどの状況は様々ですので一概には言えませんが、普通に生活をしている状況でも、引越し後のダンボールが積み上げられた状態でも、快適に暮らすために必要な時間はだいたい1部屋あたり5~6時間程度必要となります。
なぜそんな風に言えるか不思議に思われるかもしれません。けれどもその理由は実に明快で、1部屋あたりのクローゼットや押入れ、収納家具の数が、幅90cm相当で5~6つ分相当が理想と言えるからです。幅90cm程度の収納スペースや収納家具にモノを収めるのに1時間程度と考えると、1部屋あたりは5~6時間程度となります。
これは引越し直後であっても普通に生活をしていて片づける場合もほとんど変わりません。引越し直後は複数のモノがダンボールに詰め込まれているのでモノを動かすのはそれほど大変ではありませんが、普通に生活をしている場合はモノのひとつひとつを動かす必要があり手間取るからです。
ちなみに20畳の部屋でも4畳半の部屋でも基本は変わりませんが、実際のところ4畳半の部屋のほうが時間が掛かることが多いです。それは身動きしにくいからです。広い部屋よりも4畳半の部屋のほうが思った以上に時間が掛かります。
収納するのに必要なスペース
- ダンボール1箱で棚または引出し1段分
- ダンボール5~6箱で幅60~90cm×高さ180cmの棚1本分
ダンボール箱のひとつひとつに、元々どこの部屋のどの棚の何段目に納めていた何なのかを記入していれば、中身がすぐに分かって作業が進めやすいです。しかし私が遭遇する現場はむしろそうでないことのほうがほとんどです。私自身はもちろん、クライアントですら、中を開けてみないと何が入っているのか分からないということがよくあります。
そんな場合、ダンボール箱をひとつひとつ開けて確認することは困難です。それでも段取りを決めていかないことには作業は進められません。そんなとき私は、ダンボール1箱を棚または引出し1段分と想定するようにしています。また棚の場合、高さ180cmくらいだとだいたい5~6段になりますので、幅60~90cmの棚だとダンボール5~6箱分が収納可能だと判断します。文庫本やCDだとダンボール1箱あたり棚2段分くらい必要になりますが、その場合は高さ180cmの本棚で10段分くらい確保できるので問題ありません。
もちろん実際に収納家具を用意するにあたっては、ダンボール箱の中身を確認して、全体のバランスなども考慮する必要があります。けれども初動ではそれくらい把握できれば問題ないのです。
引越し後の片づけの段取り
引越し直後でも普通に生活をしている場合でも、片づける際には段取りをよく考えておかなくてはなりません。1部屋あたり5~6時間掛かるということは、食事や睡眠などのことも考えると、1日あたり1部屋から1部屋半くらいしか片づけられないということが分かるはずです。
それとともに大事なのが、まずスペースを確保するということです。寝るにも、食事をするにも、ダンボール箱の中身を広げるにも、組立家具を組み立てるにも、スペースが必要です。だからまずダンボール箱はできるだけ部屋の隅や壁一面に積み上げる必要があるのです。部屋が複数ある場合は、一部屋をとりあえず納戸部屋にしてしまっても良いでしょう。
とにかく積み上げられるモノは積み上げてしまいましょう。もちろん重いモノは下、軽いモノは上のほうへ。ダンボール箱の丈夫さや大きさにもよりますが、本などの重いモノは3~4段くらいまでにしておいたほうが良いでしょう。
また、”No music, No Life”な人や仕事柄どうしても必要だという人は除いて、CDや本などは一番後回しにしてしまうのが良いです。それよりも「食う」「寝る」を確保することが大事です。リビングは片づかなくても、まずはキッチンと寝室を片づけるのが良いでしょう。
それと玄関や廊下は頻繁にモノが出入りすることになるので、できるだけ何も置かないようにしたほうが良いですね。
以上の通り説明したことは、当たり前と言えば当たり前の話ばかりです。ですが片づけに掛かる時間とスペースと手順をよく理解しておくだけで、スムーズに片づけていくことができるはずです。
引越し直後でも模様替えの際でも、いきなり完成形を目指すのは無理です。ひとつずつ着実に進めていくことが望ましいと言えるでしょう。
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