お片づけブログメディア”cataso(カタソ)”に収納マンの新しい記事が公開されましたのでお知らせします。
⇒ ”カギを握るのは衣食住!洋服、食品、書類のパターン化で片づけがスムーズに”
今までに私の著書やブログをご覧になった方の中には、今回の記事を読んで違和感を感じられた方がいたかもしれません。なぜなら今回の記事の内容はもっともらしいことを言っているようで、実は私がかねてから言ってきたことと矛盾していると捉えられかねないからです。
誤解を恐れずに言いますと、状況によっては今回カタソに寄稿した記事の通りに片づけ始めるとまずうまくいきません。その理由は以下の通りです。
片づけは「普段手をつけていない場所から」が基本
私の今まで提唱してきた片づけ方は、「普段手をつけていない場所から片づけ始めましょう」というものでした。普段使っていない場所のほうが死蔵品が多く、処分しやすいモノが多いからです。また、それらの死蔵品を処分できれば、他のモノを収納するスペースを生み出すことができます。さらに、普段手をつけていない場所の片づけが途中で中断しても、日常生活にあまり影響がありません。
このように、普段手をつけていない場所から片づけ始めることは多くのメリットを生むのです。
洋服、食品、書類から片づけ始めるとまず失敗する
それに対して今回の記事は、普段手をつけている洋服、食品、書類をパターン化しましょうということでした。しかし、決してこれらから片づけ始めましょうとは言っていません。あくまでもこれらをパターン化できれば家事の効率が良くなると言っているに過ぎません。
ではもし、洋服、食品、書類から片づけ始めるとどうなるでしょうか。これは結果が明らかです。まず失敗します。実際にクライアントのお宅で私が「片づけは普段手をつけていない場所からが基本ですよ」と申し上げているにもかかわらず、「いや、それでも書類をまず何とかしたい」などとおっしゃって強行した場合には必ず途中でつまづいてしまっているのです。
なぜ洋服、食品、書類から片づけ始めると失敗するのか
ではなぜ、洋服、食品、書類から片づけ始めると失敗するのでしょう。それは先ほど申し上げた、普段手をつけていない場所から片づけ始めるメリットの真逆です。普段着ている洋服の中から不要な洋服を選ぶのは難しいですし、減らなければ収納スペースを生み出すことができません。また食品を処分する作業を途中で中断して夕食の準備に移るのは困難です。
基本的にモノを処分するには多くのエネルギーを要します。またいかに機械的に処理できるかがキモとなります。まずそのあたりを普段使っていないモノを相手にトレーニングを積んでからでないと、いきなり普段使っているモノに手を掛けてもスムーズに進まないのです。むしろ遅々として片づけが進まなくて、「やっぱり私って片づけのセンスがないんだわー」と思い込むことになります。
片づけを始めるにあたって部屋の状況は人それぞれ違います。基本的にそれほどモノが多くなくて収納スペースに困っているわけではない場合は、いきなり洋服や食品や書類から片づけ始めても特に問題はありません。簡単に言うと、そういう人は捨て方では困っていないのです。洋服、食品、書類にターゲットを絞ることで、より日々の家事を効率的にこなすことができるはずですし、その手応えを他のモノにも応用できることでしょう。
しかし、モノが多い場合はこの限りではありません。捨て方がまだ身に付いていない人にとっては、洋服、食品、書類はラスボスです。一番最初に手をつけるどころか、一番最後に回すべき強敵なのです。
このように今回のカタソの記事は誤解を生じかねないものだったわけですが、案外、こういう風に逆のアプローチを示してみないと、本当の基本の部分が正確に伝わらないものだと改めて思います。また、片づけのレベルや状況は人ぞれぞれ違うわけですから、どんなに評価されている片づけ術でも万人向けではないということですね。やはり片づけは自分に合った方法を知ることが大切だと思います。
【関連記事】
コメント