最近、キッチン収納や家具よりもアパレル関連が充実しつつあるKEYUCA(ケユカ)。キッチン収納は一度はテコ入れが図られたものの、存在感は薄くなっているように感じます。
そんな状況ではありますが、いかにもKEYUCAらしい存在感を放っていたキッチン用つっぱり収納のB-PROPシリーズにシングルメッシュセットという新商品が投入されました。
B-PROPシングルメッシュセット
ちょっと見慣れない感じの形状のつっぱり収納グッズですが、1本脚でステンレスでできているからそう感じるものの、機能的には市販されている突っ張り式のワイヤーネット同様ですね。100円グッズでも組み合わせれば同様のかたちのものを作ることもできます。
でも市販品と違うのは、やっぱりKEYUCAならではのオシャレ感です。水切りカゴなど専用のオプションパーツを組み合わせることもできます。
ちょっと市場調査が足りないのでは?
しばらく動きがなかったKEYUCAのB-PROPシリーズに新商品が登場したことは喜ばしい限りですが、このシリーズはちょっと消費者ニーズとズレているような感じがします。
価格が高いということは大きな問題ではありません。確かに、前述のB-PROPシングルメッシュセットは同様の構造で付属品も多い積水樹脂のステンレスキッチンラックに比べれば倍ほど高いと言えますが、デザイン性を評価すれば十分競合できると思います。
ただ、B-PROPシリーズは対応する高さが低いのです。最大で95cm。一方で私がお邪魔するクライアント宅でこういう商品が必要な場合、通常110~130cmくらいに対応している必要があるのです。
KEYUCAのキッチン収納のラインナップを見ると、明らかに賃貸住宅をターゲットにしていることが分かります。分譲住宅であれば突っ張り式でなく壁に直接固定すればOKですし、扉式のシステムキッチンよりも引出式のシステムキッチンのほうが多いため、それに向けたラインナップを増やすべきだからです。そもそも最近は吊り戸棚がないキッチンが増えており、B-PROPシリーズが必要なシーンは限られています。
つまるところ、決してニーズがないわけではないですが、非常に狭い、そして狭まりつつあるところに、商品を投入してしまっている感があります。新商品登場の影で1本脚タイプが廃番となったのも自然の流れであるように思いますし、新登場のシングルメッシュセットも先行きが心配です。
私はKEYUCAが大好きです。特に家具はニトリに比べれば高いかもしれませんが、ちゃんとした品質と素敵なデザインのものが手頃な価格でラインナップされていると感じます。「学習机評論家のオススメ」では相当な人数を送客しているはずですし、表彰してもらいたいくらいです(笑)
KEYUCAのキッチン収納も非常に良い線をいっていると思うのですが、どうもターゲットが明確になっていない、もしくは実際のターゲットのニーズと合致していないところがあるように思います。私であればDIY要素の強いIKEAの売れ筋を日本流にアレンジすることを考えますが。頑張って欲しいところです。
【関連記事】
コメント