Houzz Japan(ハウズ・ジャパン)が独自におこなった「2017 Houzzキッチン市場調査」によると、「キッチンのリフォーム・リノベーションにより、健康的なライフスタイルを送れるようになっている」ということが分かったそうです。
キッチンのリフォームで「健康になった」
出典:PR TIMES(以下同)
今回の調査から、”過去1年間にキッチンのリフォーム・リノベーションをした人のうち、69%が新しいキッチンにしたことで、家で食事をしたり、料理をする頻度が増えて、より健康的なライフスタイルを送っています。”と結論付けています。
確かに、古くて汚いキッチンだと料理をしていても気持ち良くありません。逆に、キッチンが新しくなったら、お料理をするのも楽しくなるでしょう。ですから、今更そんなアンケートを見なくても、当然の結果だとすら思います。
恣意性を感じる結論
ところがです。この調査をよく見ると、どうも鵜呑みにするのは危険なように思います。
今回の調査はHouzzに登録している日本の一般ユーザー313名を対象におこなわれており、そのうち137名の、過去1年以内に「キッチンのリフォーム・リノベーションを実施済み」、または「直近3ヶ月以内に実施予定」の人からの回答に基づいています。
そして、137名のうち「より健康的な生活になった」と答えたのが69%ですから、これが95名。さらに、そのうち「キッチンで家族と過ごす時間が増えた」と回答したのは53%で50名。逆に言うと、そう回答しなかったのは47%で45名だったということになります。
つまり、リフォームをした、もしくはその予定の137名のうち、50名(36%)は「キッチンで家族と過ごす時間が増えた」ものの、残り87名(64%)は「家族で過ごす時間は特に増えていない」と言っているわけです。それがキッチンをリフォームに求めるすべてではないとは言え、大枚を叩いた結果がこれかという気がします。
キッチンのリフォームの最多は150~250万円なのに…
もうひとつ不思議に思ったのが、「キッチンのリフォーム・リノベーションの予算と実際にかかったコストの比較」のところです。これについては、以下のように書かれています。
キッチンのリフォーム・リノベーションに伴う予算:約10分の1にあたる11%の人がキッチンのリフォーム・リノベーションに500万円以上を使ったと回答しました。続いて、26%の人が250万円〜500万円を使ったと回答しました。
この文章だけを読むと、「あー、結構みんなお金を掛けているんだー」と思ってしまうんですが、グラフを見ると首を傾げてしまうわけです。
グラフから読み取れるのは、コストの最多が「150~250万円」だということ。「500万円以上」というのは明らかに少数派で、「250〜500万円」というのも特に取り上げるべき理由が見つかりません。
これを「恣意的」と言わずして何というべきでしょうか(苦笑)あくまで私の印象に過ぎませんが、どうもHouzzってところは胡散臭いですね。今回の調査という名の印象操作で、さらにその疑念が増しました。
数字というのは分かりやすいですが、いくらでも都合の良いように操作できますし、本来導かれるべき結論とは異なる部分だけを強調することもできます。あまり鵜呑みにするのは良くないですね。
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