東京都の情報サイト「東京くらしWEB」によると、組立式家具の組み立てに際して約42%の人がスムーズに組み立てられなかった経験があると答えたそうです。
出典:東京くらしWEB
組立式家具は事前の確認が大事
東京くらしWEBの記事では、具体的にどこで戸惑ったかや危険な目に遭ったかなどの事例が紹介されています。また末尾では、以下のような注意喚起がなされています。
- 事前に説明書等をよく確認しましょう
- 組み立て中の安全対策をとりましょう
- 組み立て後も定期的にねじのゆるみなどを確認しましょう
確かにその通りです。しかし”事前に説明書等をよく確認しましょう”と言われても、実際には購入して開封するまで確認できないことがほとんどです。家電メーカーの場合は取扱説明書をホームページに掲載していることが多いですが、家具メーカーの場合は取扱説明書どころか十分なサポート体制が整っていないところがほとんどです。
組立式家具を買う場所と言えば、ホームセンター、IKEA、ネット通販、カタログ通販などが思い浮かびます。IKEAはホームページでも取扱説明書を確認できるほとんど唯一の例と言えますが、分かりやすい説明書だとは思えません。また、外資系企業なら不安だけれども日本企業だったら安心かというと、私の経験上、そんなことも言えないと思います。
組立式家具はカタログ通販がオススメ
これらの組立式家具を買う場所の中で唯一安心感が持てるのは、何だかんだ言ってカタログ通販だけかと思います。カタログ通販は、店頭では見ることができない「かゆいところに手が届く商品」を扱っているだけでなく、消費者の意見をダイレクトに聞き入れてメーカーの商品づくりに反映させる力があると思います。
悲しいかな、家具メーカーの多くは、販売店に卸したらそれっきりであることがほとんどです。安物主体の組立式家具の場合は、問屋という中間業者が入るため、消費者の声がメーカーに届くことはまずありません。一部地域においては、メーカー名を記載せずに出荷することもよくあります。
このようなことはおおよそ一般の消費者感覚からすれば信じられないことかもしれません。ですが大手の家具メーカーであっても消費者の声は「クレーム」として処理されるだけなのです。そこにモノ作りに反映される仕組みはほとんどないですし、ましてや取扱説明書が改善されることなどありません。
その点でカタログ通販の場合は、消費者の声は確実にメーカーに伝えられ、改善を促す「圧力」になります。家具メーカー&問屋&家具販売店は慣れ合いの関係ですので「圧力」になることはありません。だから結果的に組立式家具を買うならカタログ通販がオススメというロジックになるのです。
組み立ての際には十分なスペースを確保しよう
前述の注意点の2番目の”組み立て中の安全対策をとりましょう”というのも特に注意していただきたいポイントです。安全に組立式家具を組み立てるには、まず十分に広い作業スペースを確保するようにしましょう。
狭いスペースで組立式家具を組み立てようとすると、動きにくいために時間が余計にかかるだけでなく、部材に足を引っ掛けて転倒したり、部材を踏んで壊してしまうリスクが高まります。また大型の収納家具は狭いスペースで組み立てて立ち上げようとすると、全体をねじらせて破損したり、自分が下敷きになる可能性もあります。ですからできるだけ何もない部屋で二人以上で組み立てるのが理想です。
また、特にIKEAなどヨーロッパ家具は日本の家具メーカーと違ってフラッシュ合板を使わずベタ芯の合板を使うのが一般的であるため、部材のひとつひとつが非常に重いです。丈夫なのは良いですが、運搬する際にも組み立ての際にもケガをしないように気を付けましょう。
収納家具はやっぱり完成品がオススメ
組立式家具は価格が手頃であることが一番の魅力です。完成品の収納家具は製造時に組立コストがかさむだけでなく、かさが大きくキズを付けないように細心の注意を払う必要があるため輸送コストが高くつきます。しかし組立家具の場合はそれらのコストを大幅に削減することで安く提供できるメリットがあるのです。
とは言え、組立式家具を組み立てる際にケガをしてしまったり、組立設置サービスを利用したら、かえって高くついてしまいかねません。また、組立式家具は素人でも簡単に組み立てられるように構造をシンプルにするために、丈夫な構造ではなくなっていると言えます。そういった諸事情を考慮すれば、収納家具はむしろ完成品のほうがオススメと言えます。
完成品の収納家具はほとんどもれなく「国産品」というメリットもあります。少し前の円高の場面でも完成品の収納家具が輸入されることはほとんどありませんでした(高級家具はのぞく)。円安傾向の現在では、輸入品と国産品の価格差はほとんどない状態となっているので、どうせ買うなら国産品のほうが品質やサポートの点で安心できると思います。
コメント