衣類の収納に使われることも多いスチールワイヤーシャルフ(いわゆるメタルラック)ですが、意外なことにこれまで専用の引出式衣装ケースというのはありませんでした。ライクイット(吉川国工業所)の「ユニコム」やアイリスオーヤマの「BCチェスト」奥行45cmタイプなら一般的な奥行約45cmのワイヤーシェルフに合いますけど、専用というわけではありません。
スチールワイヤーシェルフの上に引出式衣装ケースを置くと、どうしても滑りやすいんですよね。それ以前に、ユニコムもBCチェストの奥行45cmタイプもマイナーなので、その存在を知らない人のほうが圧倒的に多いと思います。
そんなわけで、これだけスチールワイヤーシャルフが普及しているのにどうして専用の引出式衣装ケースが登場しないのかと不思議に思っていましたが、ようやくシェアNo.1のルミナスから発売されました。
ドウシシャ・収納ケース1段MSC3323
こちらが新発売のルミナスラック専用と言うべきドウシシャの「収納ケース1段MSC3323」です。奥行はポール径25mmのレギュラーシリーズなどにピッタリな465mm、高さは引出式衣装ケースとしてもっともポピュラーな235mm。幅はこの奥行に対しては標準的な330mmとなっています。
幅330mmだと幅760mmのワードローブタイプに2つ並べればピッタリです。しかし逆に言うと、それ以外のサイズにはどうも中途半端です。ただ、品番が幅と高さを示す構成となっていることから、今後はルミナスラックに合わせやすい幅も登場するのではないかと期待できます。
ともあれ、この引出しの特徴は、ワイヤーシェルフの上に置いてもズレないように固定ストッパーが付いていること。また、上下どちらから手を差し入れても引き出しやすいように、前板には上下両方に引手が付いているということです。
ちなみにカラーバリエーションは上写真のベージュのほか、ブラウン、グリーン、グレーの4色展開のようです。
ドウシシャ・専用キャスターMSC-CA
新発売の収納ケースには「専用キャスターMSC-CA」も用意されています。ただ、このキャスターはちょっと特殊な形状をしています。ハンガーラックの足元スペースを有効活用できるように継脚が付いているのです。さらに、キャスターの軸の回転を止めると思しきストッパーが付いています。
このことから、このたび発売された収納ケースは決してルミナスラック専用というわけではないことが分かります。しかしながら奇妙なのが、上写真に写っているハンガーラックがどうも私の頭の中に思い当たるものがないということです。ドウシシャ製のシングルハンガーラックかと思いましたが、形状が異なります。ひょっとすると、今後シリーズで発売される新商品なのかもしれません(下に追記あり)。
なお、収納ケースは日本製、キャスターの継脚部分も日本製で、キャスターのみ中国製となっています。最初、収納ケース自体を見たときはサンカあたりが作っているのかなと思いましたが、収納ケースは日本製でキャスターだけ中国製という組み合わせはちょっと思い当たるメーカーがないですね。この点も興味深いところです。
2018/08/03追記
上写真で使われているハンガーラックは既存のドウシシャ製品「ダブルハンガーGPH-80WG」のようです。
キャスター付き3段チェストMSC3370
コの字バーをセットしたルミナスラックにセットするのにちょうど良い、「キャスター付き3段チェストMSC3370」も同時に発売されます。
このチェストは前述の収納ケースを追加したり、逆にバラして使うことも可能です。しかも、指一本で簡単に脱着可能だそうです。ルミナスラックにセットする以外にも普通に便利に使えそうですね。
今回ご紹介しました商品はいずれも発売予定日が2018年8月31日ということです。そのため、まだ実物は確認することができず、品質面は何とも言えません。
しかしながら、これまでメタルラックと引出式衣装ケースを多数扱ってきたアイリスオーヤマでさえ発売しなかったワイヤーシェルフ専用チェストを、引出式衣装ケースでは実績がないドウシシャが発売したというのは実に興味深いことです。
また、この引出式衣装ケースのラインナップが充実していけば、無印良品のユニットシェルフとPP引出ケースに対抗しうる商品に育っていく可能性もあります。ちょっとこれは今後の展開が楽しみですねー。
2018/08/24追記
実物を見てきました。強度的にはサンカの「ルームス」同等といった感じで、決して丈夫とは言えませんが、悪くもないという印象です。ただし、前板の取り付け方がサンカとは異なるので、メーカーはまた別のところだと思います。
また、外箱はマットな質感で落ち着いていて良いのですが、汚れが付きやすそうなのはどうかなと思います。総じて、やや微妙な感じですね。
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