「東京都内の4畳半で一人暮らし」と聞いて、どんなイメージを持つでしょうか?人それぞれかと思いますが、私は上の写真のような文化住宅をイメージします。薄暗い廊下を通って、建て付けの悪い木製のドアを開くと、靴が3足並ぶ程度の土間の先には4畳半の和室のみ。そんなイメージです。
ところが、今日のYahoo!トピックスに上がっていた東洋経済オンラインの記事で紹介されていた物件は、私の想像とはまったく違うものでした。
賃貸ワンルームマンション(東京都新宿区)
出典:東洋経済オンライン(以下同)
早稲田駅から歩いて7分。4.2畳で家賃58,000円と、決して安くはありません。間取り図を見ると、まさに「ウナギの寝床」という言葉がピッタリです。ですが記事によると、通勤時間を無駄に感じる若者に人気が高いそうです。
トイレは仕切られておらず、玄関を開ければ見える距離。風呂はなく、シャワー室があるのみ。キッチンのシンクの下にドラム式洗濯機。そしてその横には冷蔵庫を置くスペース。2畳ほどのスペースに、水周りがこれ以上ないくらいにコンパクトにまとめられ、残りは布団を敷くスペースと、奥まで続く廊下のようなスペースしかありません。
ミニマリストならこれで十分!?
東洋経済オンラインの記事にも書いてある通り、会社から帰って寝るだけの若者であればこれで十分なのかもしれません。スマホさえあれば、テレビもパソコンも固定電話も必要なく、食事も外食で済ませたり、コンビニで買ってくればOKです。よく見ると、布団を敷くスペースと並行するかたちで天井からパイプハンガーが吊り下げられており、そこにスーツや普段着を掛けられるようになっています。室内干しスペースとして使っても良いでしょう。
一般的にはワンルームマンションと言うと、6畳ほどの部屋に簡易なキッチン、ユニットバスがついたものを指すことが多いです。でも都内の便利な場所であれば、それだけの広さを確保するとなると倍近くの家賃が必要です。ですからビジネスホテルに泊まる感覚で一定期間住むなら、これでも十分と思う人は決して少なくないように思います。
無駄を嫌う現代の若者、ミニマリストには、これで十分ですよね。
とは言え、やはり個人的には、むき出しのトイレはちょっと抵抗感があります(苦笑)いくらモノを厳選しても、モノを置く場所がまったくと言って良いほどないので、シンク周りにはコップと歯ブラシ、キッチン用品が乱雑に並んでしまいそうです。手抜き用のタオルすらどこに掛けたものやらと思案してしまう感じですね。
一方、吊り下げられたハンガーパイプはナイスアイディアだと思います。実際、私はワンルームマンションのオーナーに、クローゼットを設けず、ルミナスラックで壁面にハンガーラックや棚を設けることを提案したことがあります。基本的に独身者は帰って寝るだけなのですから、そのほうが自由に使えて合理的なのです。
ただ残念ながら、そのプランは採用には至りませんでした。どうも普通のワンルームマンションのイメージとは違うのが良くなかったみたいです。
でも普通のワンルームマンションなんて、家賃や築年数や立地で比べられるだけです。若者は皆そうだとは言いませんが、トガッた物件を探しているのです。こういうのはまだまだ都内限定だとは言え、徐々にそういう世の中になりつつあることは良いことだと私は思います。
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