日本全国の間取りを見て回っていると、なかなかこれはと思える特徴的なものを見つけるのは難しくなってきています。なんてたって量産型の賃貸住宅ですからねー。特徴があるものを見つけるなんてそもそも無理があるというものです。
しかしながら今回はダイワハウスに助けられました。賃貸なのにメゾネット。しかも笑っちゃうくらい奇妙な間取り。さすがはダイワハウスだと改めて感心しました。
メゾネットタイプ賃貸集合住宅(3LDK/鳥取県米子市)
- 家賃=10.6万円、管理費・共益費=0.35万円
- 敷金=1ヶ月、礼金=1ヶ月
- 間取り=3LDK、専有面積=93.56平米
- 築年月日=2016年12月上旬、建物構造=軽量鉄骨造
物件詳細はコチラ(画像あり)
メゾネットタイプとは一般的に、多層階の集合住宅で2階より上に内階段を持つ住戸を設けたものです。1階に玄関があり、その上に別の住戸がないものはテラスハウスと呼ばれ、区別されています。メゾネットタイプは分譲マンションではたまに見かけますが、賃貸では珍しいですね。
こちらの物件の間取りで特徴的なのは、中央に階段を設けていることです。そのため階段によってLDKがダイニングキッチンとリビングに分離されており、そのこと自体はメリットもあるように思います。ただ、LDKは17.8畳あるものの、階段の周りは通路として開けておく必要があるので、実質的にはかなり狭くて家具のレイアウトが非常に難しいのです。
ダイニングはおそらく洗面脱衣所側の壁面に食器棚を置くように設計されているものと思われますが、その場合、システムキッチンとの間にダイニングセットを挟む必要があり、動線が非常に悪いです。また、リビングは広そうに見えて、ソファーを置くのはたぶん無理だろうなーという感じです。
階段を北側に移動させてLDKを広く
家の真ん中に階段がある間取りというのは開放感があり、面白いとは思います。しかし、通路のスペースを考えるとやはり無駄が多いので、ここはやはり階段を端に持ってきたほうが無難でしょう。
階段を北側にすると、キッチンは独立したような形となり、残りをリビングダイニングとして広く使うことができます。ただ、空間がかなり広くなるので、梁を頑丈にしたり、どこかに間仕切り壁を入れる必要があるかもしれません。
それにしてもこの間取りはあちこちにパイプシャフトがあって厄介ですね。最上階なのに、そんなにパイプシャフトが必要なものなのでしょうか。
玄関を広くしてウォークインクローゼットを廃止
3階の浴室と洗面脱衣所の広さを確保するために、2階の廊下をズラす必要があったため、玄関と洋室①を少し広くしました。それによって玄関は下駄箱と物入を大きくすることができました。洋室①はクローゼットを設けても良かったんですけど、別になくても問題ないはずなのでコストを優先しました。
ウォークインクローゼットは残しても良かったんですが、2畳くらいではあまりメリットもないので、普通の引き戸式のクローゼットにしました。3階のクローゼットと物入、2階玄関正面の物入がなくなった分、トータルでのコストはトントンというところでしょうか。
建築屋さんにとってはやはり完成した家そのものが最終的な作品であって、そこに家具が入り、人が住むところまではイメージにないのでしょうか。家具がない状態であれば元の間取りも開放感があって素敵だとは思うんですけどね。
もっと女性が社会で活躍できる機会が増えて、まともな間取りの家が増えることを願うばかりです。
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