ネタ切れをきっかけとしてスタートした「収納間取り診断」もめでたく3回目を迎えました。今回は収納マンの父方の実家のある茨城県は水戸市で物件を探してみました。
しかし水戸って素敵なところですねー。賃貸物件を探したら一戸建てがゴロゴロ出てきます。しかも中古の一戸建てだけじゃないですよ。新築一戸建てがあるんです。まー、釣りかもしれませんけど(苦笑)、集合住宅よりは一戸建てもしくはメゾネット式が多いというのは、首都圏というよりはやっぱり東北に近い住環境ということでしょうか。
ともあれ今回は、水戸市で見つけた素敵な一戸建ての間取りを診断してみたいと思います。
新築一戸建て賃貸(3LDK/茨城県水戸市)
- 家賃=11.5万円、管理費・共益費=無料
- 敷金=無料、礼金=無料
- 間取り=3LDK、専有面積=83.01平米
- 築年月日=2016年02月、建物構造=木造
物件詳細はコチラ(画像あり)
新築一戸建て賃貸で家賃が11.5万円ってスゴくないですか?私の地元で見かける新築分譲住宅と比べてもまったく遜色ありません。しかも駐車場2台分が無料!駅から遠いかと思いきや最寄駅から歩いて15分。こりゃあマンションなんて住む気になれないですねー。
ちょっとマジで水戸に移住したくなっちゃいましたよ(笑)特急使えば1時間半ほどで上野まで出れるわけでしょ?スゴイっすねー、水戸。納豆はウマイし、梅もウマイし、偕楽園も近所だし、言うことないんじゃないでしょうか。
ちゃんとしたウォークインクローゼットがある!
一戸建てだから間取りの制約が少ないということもあろうかと思いますが、この物件には「なんちゃって」じゃなくてちゃんとしたウォークインクローゼットがあります(洋室③の上側)。間口1間幅、奥行は1間強といったところで、写真を見る限り、入って左側はパイプハンガー、右側はフリースペースになっています。洋服タンスや整理タンスを持ち込んでも良いですね。
しかし、一戸建てでもちゃんとしたウォークインクローゼットに巡り会えるのは珍しいです。ましてや今回は賃貸ですからね。欲を言えば洋室③からだけではなく、廊下からアプローチできる位置だったら言うことナシです(そのほうが家族で共有できるので)。
キッチンにはパントリーまで付いている!
この間取りはキッチンにパントリーまで付いています。これなら田舎で不便でも食料をしこたまストックできますね。梅酒や梅シロップも漬け放題です(笑)
しかもキッチンのパントリーって、下手にウォークインにしてくれちゃっているところも多いのですが、ここは普通にクローゼットのような感じになっています。奥行も浅めで、中に何を収めてどんな風に使うかがちゃんと考えられています。
窓が無駄に多くない!
賃貸なのでコストを下げる意図もあったかとは思いますが、この間取りは無駄に窓が多くないのが良いと思います。窓が多ければ多いほど解放感が高まり、部屋が広く見えます。一方で窓が無駄に多いと、家具レイアウトが難しくなります。掃除も大変です。この間取りは建築コストを抑えつつ、生活コストも下げていると言えるでしょう。
特にキッチンとLDKに注目です。この間取りは下が南側となっていますので、キッチンが西側です。西側にキッチンを設けると食べ物が傷みやすいので避けたほうが良いのですが、西側に窓を敢えて設けないことで西日の影響を受けることを回避しています。
また、一般的にはリビングの東側に窓を設けたくなるところでしょう。そのほうが開放的に見えて、借り手を見つけやすいはずです。しかし東側にも窓を設けると家具のレイアウトが非常に難しくなります。もし東側に窓があってテレビを東側に置こうものなら、逆光でテレビが見にくくなってしまいます。
こういったことは冷静に考えれば当たり前のことなのですが、その当たり前のことができていないことが多いのが現状です。
洋室①と②の物入が残念でした!
この物件の間取りは住む人のことを考えた素晴らしい間取りと言えます。分譲一戸建てでもなかなかここまで優秀な間取りはお目に掛かれないでしょう。ただ1点だけ、残念なところがありました。それは洋室①と②それぞれの物入です。
この物入は、サイズ、位置ともに残念です。内部がどういう構造になっているのか分かりませんが、奥行が押入れ同様の深いものとなっています。また、この位置では家具レイアウトがしにくいです。私だったら以下のようにレイアウトします。
押入れもクローゼットもお構いなく奥行を90cm弱にしてしまうのは工務店の常ですが、和室でなければ一般的に押入れのような奥行は必要ありません。奥行60cmほどのクローゼットにしたほうが洋服や生活用品を収納するのに便利でしょう。
そこで洋室①と洋室②を仕切るようなかたちで、互い違いで1間幅のクローゼットを2つ作ります。パッと見た感じ、家具レイアウトに躊躇してしまいそうですが、洋室①から見ると半間で中途半端な物入が1間幅のクローゼットに変わったことにより、収納スペースを1ヵ所に集約しやすくなります。洋室②から見た場合も、窓側とその反対側に家具を向かい合わせで配置しやすくなり、クローゼットと窓の間のスペースは回遊スペースとして広々使えます。
メリットはそれだけではありません。半畳と1畳の物入から1間幅のクローゼット2つに変更したことにより、洋室②は少し広くなっています。また、洋室①と②の間にクローゼットを配置したことで、防音効果が期待できます。折れ戸の面積が広くなった分、コストは少し上がりますが、基本的にはこうしたほうがメリットが多いのです。
あと少し気になるのは、LDKから直接2階に上がれる階段ですね。冬場に寒い水戸では、LDKの暖気が2階に逃げて行ってしまいますから非常に寒く感じるでしょう。もちろん、LDKを通らないと2階に行けないという構造は、子供に目を配りやすいというメリットもあるわけですが、理想を言えばLDKと階段の間にはドア1枚隔てて欲しいところです。
ともあれ、この間取りは本当に住む人のことをちゃんと考えて作られていると思います。こういう工務店ばかりなら、日本の住宅事情はもっと良くなるでしょうね。
2016/08/16追記:
改めて調べてみたところ、この物件は住友林業が施工したようです。さすがー♪納得。
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