ネタに困ったときの「収納間取り診断」ということで、今回は愛媛県松山市の3LDK賃貸集合住宅の間取りを見てみたいと思います。
今回の物件は積水ハウスのシャーメゾン。こちらでは生活動線が優れた間取りとして定評があり、今回も概ねその通りと言えるのですが、ちょっと積水ハウスらしくないなーと思うところもある間取りです。
賃貸集合住宅(3LDK/愛媛県松山市)
- 家賃=8.4万円、管理費・共益費=0.4万円
- 敷金=2ヶ月、礼金=1ヶ月
- 間取り=3LDK、専有面積=79.86平米
- 築年月日=2017年01月、建物構造=木造
物件詳細はコチラ(画像あり)
基本的にこの間取りは良くできていると思います。バルコニーが南に面した間取りで、洋室3部屋が東側に並び、トイレ、洗面脱衣所、浴室、キッチンの水周りが西側に並んでおり、非常にシンプルです。またそのためもあって廊下が短く合理的。ひいては家事動線の短縮にも繋がります。
浴室を1818よりもコンパクトにし、洗面脱衣所のほうを広めに取っているところも積水ハウスらしいなーと思います。洗面脱衣所を出てすぐのところに奥行の浅い物入を設けているのも、家事動線や収納の基本が分かっているからこそでしょう。
一方で解せないのが、各部屋のクローゼットです。洋室①と②の間のクローゼットはいわゆるステップインクローゼット。間取り図を見ると布団を収めつつ洋服も収められるようにしてあるのかなーと思うのですが、非常に使いにくいうえに中途半端なサイズです。
洋室②と③の間のクローゼットは手前と奥2本のハンガーパイプに洋服を掛けるようになっているみたいです。こういうやり方は収納の基本から外れています。また、洋室②には2つのクローゼットがあり、収納スペースが分散して使いにくいうえに、家具レイアウトが非常に難しくなってしまいます。
中途半端な収納よりウォークインクローゼット
こちらの間取りは部屋のレイアウトだけで言えばシンプルで非常に良いのですが、各部屋の収納について言えば最悪と言って良いレベルです。ひょっとしたらオーナーが無茶なオーダーをしたのかもしれません。買いかぶりすぎかもしれませんが、積水ハウスらしくないと感じます。
この間取りを改善するとしたら、洋室①と②の間にウォークインクローゼットを設けるべきでしょう。どうしても布団を収納したいなら、突き当りのところに中段を設ければ良いと思います。ただしその場合は一般的にシステム収納パーツを投入する必要があり、コストが上がります。システム収納パーツを入れなければ、クローゼットの扉が必要なくなるので大幅なコスト削減に繋がります。分散したクローゼットをウォークインクローゼットにまとめることは、家事動線をシンプルにするだけでなく、建築コストを抑えるという効果もあるのです。
洋室②と③の間には一応、普通のクローゼットを設けてみましたが、これは別に必要ないでしょう。3.5畳相当のウォークインクローゼットがあれば家族4人(大人子供それぞれ2人)の洋服は概ね収まるはずです。また、洗面脱衣所前の物入がなくなっていますが、ウォークインクローゼットに消耗品のストックなどを収めれば問題ありません。
こちらの間取りは収納だけが残念でしたが、洋室②と③を子供部屋にすれば、LDKを通ってそれぞれの部屋に行くことになり、子供の生活を見守る暮らしに最適な間取りと言えます。こちらの物件は1フロア2戸となっており、それぞれが角部屋ですからこういう間取りが実現できるんですね。
ちなみに、同じフロアのもう1戸は左右反転した間取りとなっています。でも選ぶなら絶対にこちらの東南向きが良いですね。家族が各部屋で朝日を浴びて目覚めることができますから。反転した間取りでは西日が強く、家に帰って部屋に入ると暑くて仕方ないでしょう。
家を選ぶときはどうしても南向きか否かばかり注目してしまいがちですが、個室は東向き、キッチンは西日が入らないことなどを意識することも大切です。
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