皆様は下写真のようなもののことを何と呼ぶでしょうか?
ハイカラな方、いや一般的には「サンダル」でしょうか。あるいは、「つっかけ」と呼ぶ人や、「セッタ」と呼ぶ人もいるかと思います。
地域によっても違うんだと思いますが、私の若かりし頃はタバコの銘柄の「セブンスター」を「セッタ」と呼んだため、しばしば混乱が起こったものです。
さて、今回の「収納間取り診断」で取り上げる物件は、セッタが非常に重要なポジションを占めています。もちろんセブンスターではなくサンダルのほうです。いったい、どういうことでしょう?
テラスハウス(3LDK/徳島県徳島市)
- 家賃=15万円、管理費・共益費=無料
- 敷金=2ヶ月、礼金=1ヶ月
- 間取り=3LDK、専有面積=83.82平米
- 築年月日=2016年02月、建物構造=木造
物件詳細はコチラ(画像あり)
こちらの間取りを私が見たときに最初に「おや?」と思ったのがキッチンの勝手口です。サザエさんのお宅のように昔はこういう勝手口がある家が一般的でしたよねー。確かに勝手口に土間があるとセッタが濡れずに済みますから便利です。
しかし、この間取りの場合はこの勝手口があるために、食器棚の置き場に事欠いてしまいます。間取り図から想像するに120cm幅程度の食器棚しか置くことができず、キッチン家電や分別ゴミの多い現代のライフスタイルでは使い勝手が悪そうです。
ほか、2階を見ると、この間取りはやたらと収納スペースが多いです。しかし、これでは収納スペースが分散し過ぎていて使いにくいのではないかと思いました。
そんなわけでこれらの問題を解決するために、今回も収納マンが妄想的にリフォームを試みたいと思います。
食器棚の設置スペースを十分に確保
勝手口が必要であるという前提で食器棚の置き場所を十分に確保しようと考えると、このようにリフォームすることになりました。勝手口の土間はなくなってしまいましたが、昔のように屋外にトイレや風呂があるわけではないので、家族全員が頻繁に出入りするわけでもなく、大きな問題はないでしょう。
もうひとつ、小さいようで大きな変更があります。それはLDKの入口のドアの向きです。玄関ホールを広くしてリビングを狭くしてしまっていますが、元の間取りのドアの向きではテレビボードやソファーの置き方が難しすぎます。狭くてもリビングに家具を置きやすいほうが良いのではないかと思います。むしろ玄関が広くなって一石二鳥ではないでしょうか。
収納はウォークインクローゼットに集約
2階はあちこちにあったクローゼットや物入をウォークインクローゼットに集約しました。両側にハンガーパイプを備えた3畳のウォークインクローゼットであれば家族4人分が十分収まると思いますので、洋室③のクローゼットは蛇足かもしれません。そんなわけで洋室③のクローゼットは無くても良かったんですけど、まあ一応、収まりが良いので造り付けてみた感じです。
洋室①と②の間の可動式の間仕切りも別に要らないんじゃないかと思うんですけど、設計者の意志を尊重して残しました。基本的に私はこういう中途半端な間仕切り方は好きではないのですが。
こちらの間取りは、勝手口と言い、多い収納スペースと言い、表面的にはとても使いやすそうに見えます。けれども一般的に必要なモノの量であったり、家具レイアウトであったり、家事動線というものを考えると、実際にここで生活をするうえではストレスを感じることが多々出てきそうです。
やはり家を選ぶにあたっては、何をどれくらい持っていて、それぞれをどこにどのように配置するかをイメージすることが大切だと思います。残念ながら建築のプロはそこまでは考えてくれていないのです。
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