今回の「収納間取り診断」は三重県は津市からお送りします。
今回の物件は「津(つ)」だけに「通(つう)」な間取りでございます。私もこんなのは初めて見ましたー。
テラスハウス(3LDK/三重県津市)
- 家賃=11.5万円、管理費・共益費=0.5万円
- 敷金=2ヶ月、礼金=2ヶ月
- 間取り=3LDK、専有面積=96平米
- 築年月日=2008年07月、建物構造=鉄骨造
物件詳細はコチラ(画像あり)
この間取りを最初に見たとき、私は不思議に思いました。個室が2つしかないのに3LDKとなっていて、しかも洋室②のところに何だかよく分からない四角が3つ並んでいたからです。物件の詳細を見てもこの四角の正体が何であるか書かれていませんでした。
そこで他の不動産紹介サイトを見てみたところ、この四角は移動式の間仕切り収納であることが分かりました。間仕切り収納を壁に寄せて部屋を広く使っても良いし、間仕切って部屋を2つに分けて使っても良いということですね。そのためにドアも2つ用意されています。
間仕切り収納は苦肉の策?
賃貸物件で間仕切り収納を用意しているということは珍しいというか、私は初めて見ました。こういう間仕切り収納は既製品がないはずですからコストが高くつきますし、入居者が入れ替わる賃貸物件では損傷するリスクがあります。なので、普通はこういう間仕切り収納を使うことは一般的とは言えないのです。
にもかかわらずこの物件で間仕切り収納を使ったのは、洋室②を単純に2つに分けると縦に長くなってしまうので、それを避けるためではないかと思われます。クローゼットや押入れを設けようとすると、さらに間取りを考えるのが難しくなってしまうということもあるでしょう。
でもこれって、一般的には3LDKとは言えないのではないかと思います。これなら普通は2LDKですよね。
全体的に無理のある間取り
ライフスタイルに合わせて部屋を間仕切れるというのは便利だと感じるんですが、実際には洋室②を縦に仕切るより方法がありません。間仕切りが収納ですから、その前には家具が置けず、基本的に家具は壁面に並べることになります。そうするとどうしても廊下のような部屋になってしまいます。
良くないのはそこだけではありません。玄関からLDKに至るまでのところの動線が密集し過ぎです。階段を下りてきたところにリビングのドアが開いたり、リビングのドアを開けようと思ったら洗面所から出てきた人とぶつかりそうになったり、玄関から入ってきた人とトイレから出てきた人がぶつかりそうになったりします。これは非常に危険です。
こちらの間取りは総じてコンパクトで合理的にできているように感じるところもあります。しかし、少し奇をてらい過ぎたというか、冷静に考えるとあまり良くないところが散見されます。
住み手にとって住みにくいだけでなく、賃貸オーナーにとっても先々のメンテナンスで頭を悩ますことになるのではないでしょうか。
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