【収納グッズメーカー列伝】園芸用プランターから飛躍した「アイリスオーヤマ」

いつもは収納グッズを紹介する傍らで、それを作っているメーカーについてちょこっと触れる感じですが、今回はちょっと趣向を変えて収納用品を作っているメーカーを主体に紹介してみたいと思います。第1回目は収納グッズの雄というよりはホームセンターの覇者と言っても過言ではないアイリスオーヤマを紹介したいと思います。

園芸用プランターの商品名だった「アイリス」

アイリスオーヤマの前身は1958年に大阪府東大阪市で現社長の父が開業した大山ブロー工業所。そこでは養殖用ブイなどを作っており、プラスチックのブロー成型を得意としていたのですね。その後、仙台に工場を作り、ガーデン用品を発売するとこれがヒット。1991年に社名をアイリスオーヤマ株式会社と改めますが、社名のアイリス(あやめ)はヒット商品である園芸用プランターの商品名を冠したものです。

園芸用品に続き、ペット用品、収納用品にも進出。衣装ケースなどのポリプロピレン製の収納用品で大きく飛躍します。その後は学習机やオフィス家具を作っていたチトセを買収、ホームセンターのダイシンやユニディも買収するなどM&Aも強化。家電メーカーであるシャープの経営が傾き始めると元社員を積極登用し、家電の開発も積極的におこなっています。現在はLED照明から米まで何でも扱う企業となりました。

あまりにホームセンターでの影響力が強くなりすぎたため反発を招くことも。一例としてカインズホームではアイリスオーヤマの商品は扱っていません。一方でアイリスオーヤマはホームセンターと密接な関係を築くために販売員を派遣したりもしています。家電メーカーが家電販売店に派遣するマネキン販売員とは異なり、ホームセンターの人手不足を解消するためにメーカーとして人を出すようなスタンスです。



常識を打ち破ってヒットしたCBボックス

カラーボックスは1970年にクロシオ(和歌山県海南市)が最初に世に送り出し、高度経済成長期に爆発的に普及した組立家具です。特許を取っていなかったらしく、他社からも続々と発売されました。

当時のカラーボックスは中空構造の合板(フラッシュ合板)であることが当たり前でしたが、アイリスオーヤマが発売したCBボックスシリーズは板材の内部に空洞がないベタ芯と呼ばれるもの。そのためキャスターを取り付けたり、金具で連結させるなど、カスタマイズの幅が大きく広がりました。また、インナーボックスや引出しなどのオプションを多く揃えたこともヒットの原動力となりました。

ハイブリッド構造のウッドトップチェスト

アイリスオーヤマの収納用品のヒット作として外せないのはやはりHGウッドトップチェストでしょう。もともとポリプロピレン製の衣装ケースで大きく飛躍したアイリスオーヤマですが、HGウッドトップチェストはポリプロピレン製のチェストに金属製のスライドレールを付けたハイブリッド構造にすることでスムーズな開閉を実現したのです。

以前はキャスター付きで、1段タイプを購入すれば引出しを追加することもできましたが、現在はキャスターの取付けは不可能、引出しの追加や連結は可能であるものの積極的にはアピールされていません。時代の要請に合わせ、より安全に配慮して進化していっているのですね。

アイリスオーヤマは多種多様の商品群を持っており、ヒット商品は他にももっとたくさんあります。ガーデン用品、ペット用品、家電に至るまで、ほとんどのホームセンターに並んでいるのですから、知らないという人を探すほうが難しいくらいでしょう。

そんなわけで今さら取り上げたところで物珍しくも何ともないわけですが、逆に言うともしアイリスオーヤマが存在しなかったら今のホームセンターのかたちはなかったかもしれませんね。ホームセンターだけでなく、収納のプロとしてもアイリスオーヤマの存在は本当にありがたいことだと改めて思います。

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