いま我が家の設計をしていまして、家具のレイアウトなどをあれこれと検討中です。私にとってはすごく楽しい作業なんですけど、苦手だったり、時間がないとおっしゃる方もいることでしょう。
そこで最近は「ホームステージング」という手法がにわかに注目を集めています。新築、中古物件問わず、購入者が住まい方をイメージしやすいように家具を配置して見せるという方法です。購入者だけでなく、物件オーナーからすれば早期の販売に結び付きやすいというメリットがありますし、家具販売業者としても家具一式を買ってもらいやすいというメリットがあります。一方で、コーディネートや家具の搬入にコストが掛かる、必ずしも家具を買ってもらえるとは限らないなどのデメリットもあり、主に高額物件に偏っているというのが現状のようです。
その点、実際に家具を搬出入する必要がない「VR(=バーチャルリアリティー)」ならコストは抑えられます。以前に紹介したノムコムの「VRホームステージング」がまさしくそれです。

それなのに、ノムコムがまた新たにVRホームステージングを導入したとリリースしたので「?」と思った次第です。
今度は「RICOH360」導入で高画質

出典:PR TIMES
野村不動産アーバンネットが運営する不動産情報サイト「ノムコム」でこれまで公開していたVRホームステージングは、ナーブが提供するVRシステム「VR内見」をベースにしたものでした。一方でこのたびリリースしたのは、リコーが提供する「RICOH360」をベースにしたもので、簡単に言うとこれまでよりも高画質であることが特徴です。
本日2018/12/18現在、ノムコムで公開しているVRホームステージング導入物件は、どうも以前からの「VR内見」をベースにしたもののようで、家具はCG感があります。対して上写真は一応、新しい「RICOH360」をベースにしたものですが、静止画ではちょっと分かりにくいでしょう。リコー運営の「THETA 360.biz」のVR画像を見てもらったほうが分かりやすいと思います。
個人的には、以前のものよりはるかにリアリティが高くて、実際に家具を置いた写真と錯覚するほどでした。ソファの張地の質感や椅子の影なんかもかなり本物っぽいと思います。
ネックはまだまだ高いコスト
こんなにリアリティが高くて、しかも実際に家具を搬出入するよりは面倒もなくて合理的な、「RICOH360」をベースにしたVRホームステージングは、野村不動産アーバンネットだけでなく、住友不動産やCHINTAIも既に導入しています。もっと広く使われるようになればと思うのですが、コスト面ではまだまだ厳しいところがありそうです。
360度室内撮影ができるカメラ「RICOH THETA」自体は1~4万円台と高価ではないのですが、「THETA 360.biz」の利用料金が月々無料から税別50,000円必要なのに加え、1画像あたり税別34,800円から掛かるのです。月額料金は利用物件数さえ増やせばペイできるとは言え、1画像あたりの費用は小さくありません。
もっとも、これについては自社でやる方法もあるのかなとは思います。在宅勤務でフリーのホームステージャーが賃貸向けにも粗製乱造するようになれば、自ずと単価は下がってくることでしょう。
そんなわけで、VRホームステージングが庶民まで普及するにはまだまだ時間が掛かりそうですが、これから人口が減少して空き室率が上がってくれば、徐々に普及してくるのではないかと思います。そうなれば、今までよりも家を買ったり借りたりするときに家具レイアウトや住まい方をイメージしやすくなることでしょう。
関連記事




コメント