押入れをクローゼットのように改造して洋服を掛けたいというご相談が結構多いのですが、その前にチェックしておきたい3つのことがあります。
押入れは洋服を掛けるのにあまり向いていない
大工に言わせると、クローゼットは折れ戸式でパイプハンガーが付いた収納スペース、押入れは基本的に襖で中段が付いたものという認識ですが、本来は奥行の違いがもっとも大きなポイントです。クローゼットは洋服を掛けるスペースなので奥行が600mm程度、押入れは布団を収めるので奥行が900mm弱という違いです。
大工ですらそういう認識ですので、およそ一般の方はその点を理解していないことが多いです。というか、男性が分かっていないことが多く、女性は分かっていることが多いのですが。
それはともかく、押入れは奥行が深いスペースなので、洋服や本などの寸法の小さなモノの収納にはあまり適しません。もし、部屋の中にもっと大きなモノがあるようなら、それらを押入に優先的に収めるほうがベターと言えます。そうして、洋服はワードローブなどを用意してそこに収めるほうが良いでしょう。
押入れに洋服を掛けると手が届きにくくなってしまう
通常、押入れの中段は高さが700~800mm程度あります。そのため、その上にハンガーラックを設ける場合、ハンガーパイプの高さは1800mm程度となりますから、どうしても女性では手が届きにくい高さになってしまいます。押入れに洋服を掛けてみたものの、使いにくくて放ったらかし・・・。そういう状態は避けたいものですね。
もしすでにそういう状態になってしまっているならば、近くに踏み台を用意しておくと良いでしょう。
押入れには丈の長い洋服が掛けられない
押入れの中段にハンガーラックを設けると、丈が1000mm程度の洋服しか掛けることができません。紳士物のスーツでは裾をする程度です。婦人物であればたいていは大丈夫ですが、ワンピースやロングコートは掛けることができません。そうすると結局、洋服を掛ける場所が2ヶ所以上に分散してしまい、管理がしにくく使いにくい状態になってしまいます。
収納の基本は1種類のモノを1ヶ所に集中して収納する「一元管理」です。丈の短い洋服は押入れに、丈の長い洋服はワードローブにという分け方になってしまう場合は、夏物と冬物、普段着と冠婚葬祭用などという具合に、できるだけ分かりやすいように分けるようにしましょう。
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