先日、ディノスの購入検討型家具レンタルサービス「フレクト」を紹介しました。このサービスは形式上はレンタルということですが、最低24ヶ月間は借り続ける必要があり、その時点で通常販売価格の99%を支払うため、分割払いとほとんど変わらない仕組みでした。
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ディノスが提供するフレクトは決して利用者に損はないとは言え、「試してみて気に入ったら購入」という本来の趣旨からは外れてしまっている感がありました。
しかしながら、大型家具は輸送コストが高額になりますし、新品の家具をレンタルしたいという人は多くても、他人が使った家具をレンタルもしくは購入したいという人は少ないですから、致し方なしかと思うところがあったのも事実です。
そんなわけでちょっと期待外れだったと言うか、現実を受け入れざるを得ない気分になっていたのですが、京都の「finger marks」という家具店が「おうちで share finger」という家具レンタルサービスを始めたそうなので紹介したいと思います。
「おうちで share finger」とは?
出典:finger marks
「おうちで share finger」とは、それまでfinger marksがオフィスなどに向けておこなってきた家具レンタルサービスを、新たに一般家庭用にアレンジしてリリースしたものです。通常販売価格37,000円からのオリジナルチェアが月額1,000円から、天板がオーク無垢で600×700mmサイズのテーブルが月額1,500円からという料金で借りることができます(価格はすべて税別)。
ディノスのフレクトのように2年間も借り続ける必要はなく、レンタル解約の2ヶ月前までに連絡すればOK。試してみて気に入れば所定の計算式に基づいた金額で買い取ることもできます。
保証金も不要ですので、この仕組みなら事実上の分割払いではなくレンタルと言えますね。チェアの張地やテーブルの樹種などをオーダーしたうえでレンタルすることもできるので、利用者としてはすごく理想的だと思います。
家具製造修理工房だからできる仕組み
出典:finger marks
「おうちで share finger」のような利用者目線に立った本当の家具レンタルサービスを提供できるのには主に2つの要因があると考えられます。
まずひとつは、finger marksがただ家具を販売しているだけでなく、家具の修理業から創業し、オリジナル家具の製造販売、中古家具の買取までおこなう職人堅気のお店だということです。自分たちの手で作った家具を自分たちで修理できるわけですから、外部の会社に委託する無駄な手間やコストを省くことができますし、自信を持って商品とサービスを提供できるのです。
販売者としてだけでなく製造者として自信を持てるということは、利用者にとっても安心と言えます。何か問題があればすぐに修復の依頼をすることもでき、まるでかかりつけの家具のお医者さんを抱えている気分で使うことができると思います。
もうひとつのポイントは、finger marksが作っている家具が基本的にオイル仕上げだということが挙げられると思います。家具で一般的なウレタン塗装の場合、キズ付いたものを塗り直すにはシンナーを使って古い塗膜を剥がす必要があり、改めて下地処理をおこなったうえで複数回の塗装で仕上げるため、とても時間と手間が掛かります。その点、オイル塗装であれば簡単と言えばそれも語弊がありますが、ウレタン塗装の修復に比べると容易です。
基本的に私はウレタン塗装推奨派ではありますが、それはメンテナンスに手間が掛からないからです。finger marksのように家具の修理をやってくれるところがあるなら、木の風合いを存分に楽しめるオイル塗装の家具を身近に置いておけるのはこの上ない幸せと言えるでしょう。
「おうちで share finger」なら、まとまった出費を抑えて手軽に上質な家具を自宅で使うことができます。37,000円のチェアを月額1,000円でレンタルできるわけですから、およそ3年以内の利用を想定するならお得と言えるでしょう。また、使った家具はそのまま捨てられるのではなく、再びリフレッシュされて他の人に使ってもらえるというのは実にサスティナブルですね。
ただし、配送費は自己負担。おそらくダイニング5点セットを配送設置、引取返送してもらったら、チェア1脚分くらいの金額が飛んで行ってしまうことでしょう(finger marksの配送料金を見るとお届けだけでもそれに近い金額となっています)。
そういう風に考えてしまうと、やはり家具のレンタルというのは難しい話だとは思いますが、finger marksのような家具製造修理工房が地元にあって、自分でトラックに積み込んで持ち帰ったり返却できれば理想的ですよねー。
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コメント
家具って、実際使ってみないとわからないことが多いですよね。
椅子に限られるのですが、ワーカホリックというショップでは、いろいろな椅子を試すことができます。
https://www.iamworkaholic.jp/
予約をすると、どんな椅子がいいのか相談にも乗ってくれるそうです。
私も早く行かないと。机と椅子の相談がしたいので。
日本三毛猫さま
「ワーカホリック」とは面白い名前ですねー^^
特に都内では、最近こういうより専門店化したインテリアショップが増えていますよね。
ソファだけとか、ダイニングチェアだけとか、ベッドだけとか、枕だけとか…。
ワーカホリックで扱っているオフィスチェアは国産ソファ1本買うよりも高額で、こういう商材に絞って都心のオフィス街で展開するというのはすごく面白い試みだと思います。
展示数はIDC大塚家具と比べてもそれほど変わらないはずですが、より専門化されていることで消費者の心に刺さりやすいと言えるでしょう。
運営元について調べてみますと、オフィックスというオフィス家具提案販売をおこなう会社だということが分かりました。
そういうバックボーンがあるからこそ、こういうお店ができるんですね。
勉強になりました。教えてくださってありがとうございます^^
ワーカホリック行ってきました。置いてあるものは外国製の椅子が多いのですが、私の場合はそれでは座面が広すぎるので(足に当たる)国産のものを薦められました。イトーキのカシコ、ライオンのi-Beetle、内田洋行のキャスト、オカムラのバロンの4択となりました。
自宅の机の高さ70cmに昇降デスクの高さを合わせてもらい、すすめられた椅子を全部試してみました。2時間ほどPCを打ったり、筆記をしてみたりしました。肘掛がないと肩が緊張するのがよくわかりました。また、ヘッドレストがあるとやはり首が楽です。
結果、キャストにしました。i-Beetleは部屋に合わなさすぎなこと、カシコはハイバックでないこと、バロンはちょっと大きすぎることがら消去法となりました。色がちょっと不満なのですが。。。
ためしに他の椅子も全部座ってみたのですが、私の体の大きさからしたらやはり薦めてもらったものの方が座りやすかったです。なんかしっくりこなかったのです。アーロンチェアなど、高いものであっても。
で、その日のうちに買ってしまいまいましたが、kagg.jpの方がはるかに安かったです。とほほのほ。それでもAmazonよりはお値打ちのものが多かったです。3年の保証つきでした。家財便でやってきます。2階まで椅子を持ち上げるのは難儀なので助かります。
なお、ワーカホリックに置いてある昇降デスクはオカムラのスイフトとFeELがありましたが、面取りや木口の処理などはオカムラの方が丁寧ですね。
「スイフトいいな」と思いつつも私のコクヨデスク天板32ミリが頼もしくて、新しい机になかなか踏み出せません。
日本三毛猫さま
椅子選び、お疲れ様でしたー^^
内田洋行のキャスト、座りやすそうで良いですね♪
この4つの中からだったら、私もキャストを選んでいるような気がします。
こういう椅子って、ちょっともたれたり、逆に前のめりになったときの、傾く速さや強さのちょっとした違いだけでも座り心地が違うように感じられるんですよね。
その感覚が人それぞれ違うから、どれが良いとか悪いとか一概に言えないところが難しいと感じます。
ともあれ、これでますますお仕事が捗りますねー^^