「片づける時間がない」というのはよく聞かれることです。実際、私自身も仕事が立て込んでくると机の回りに書類が山積みになり、掃除も行き届かなくなってしまいます(苦笑)
ただ、予定外の仕事が舞い込んだり、繁茂期だったり、予期せぬトラブルが発生すれば、重要なことを優先的に処理し、そうでないことは後回しになるのは仕方のないことだと思います。大切なのは、そういう状況ではないときにいかに体勢を整えておくかということではないでしょうか。
さて今回は、「時間がない」ということで、メディプラス研究所が運営する「オフラボ」による「ココロの体力測定2017」の調査結果が興味深かったので紹介したいと思います。
男女別 時間が足りない状況をつくっていることTOP20
出典:PR TIMES(以下同)
「時間が足りない状況をつくっていること」と言われてもピンと来ませんが、つまりは「時間が足りなくなる原因」ということのようです。女性の場合、子供の世話や家事が原因で時間が足りないと感じる状況になってしまっているというのは想像に難くありません。
一方の男性はというと、趣味に時間が掛かりすぎて時間が足りないとは、多くの女性から見ればなんとも贅沢な話です。”家事育児に関することが女性は10位中6項目、男性は3項目(男性のその他7項目は「仕事」や「自分」)”しかないという結果も踏まえると、世の男性が家事を女性に頼り過ぎており、いかに自分本位かということが分かります。
ただ、この調査結果を否定するつもりはありませんが、この調査にはいくつかの不備も見て取れます。調査対象は”女性1,854人、男性412人に調査”となっており、明らかに男性の人数が不足しています。また、男女とも年代は不明で、”仕事に関係する質問は、有職者のみの回答割合”となっていることから、もしこの調査対象に専業主婦が多く含まれているとしたら、男性を陥れるような結果に誘導されている可能性を感じます。
それよりも不思議なのは、この調査が「時間が足りない」状況はストレスに繋がるという前提でおこなわれていることです。確かに、時間が足りないとストレスを感じるように思います。しかし、男性が時間が足りないと思う原因の1位である「趣味」は果たしてストレスに繋がるのでしょうか。そう考えると前提条件が崩れてしまって、この調査結果に対する”「毎日の献立を考えること」は、女性にとって大きなストレスになる可能性がわかりました”という結論は、論理の飛躍であるように思いました。
高ストレス女性と低ストレス女性の時間の使い方(癖)TOP5
というわけで、この調査結果はあまり鵜呑みにできたものではないと思いますが、こちらの「高ストレス女性と低ストレス女性の時間の使い方(癖)TOP5」は大変興味深い内容です。男女かかわらずできるだけストレスは感じたくないものですから、高ストレスの人が陥りがちな傾向と低ストレスを維持できる人の傾向は知っておいて損はないと思います。
高ストレスの人の悪い習慣
まず高ストレスの人の癖のほうから見ていきたいと思います。「他人に頼むのが苦手」というのは私自身もそうです。他人に頼むよりも自分でやってしまったほうが早いと思ってしまいがちで、そうするといろいろ抱え込んでしまい、ストレスが溜まるんだと思います。
次のテレビや動画、ネットなどをダラダラ見てしまうというのは、私には当てはまりませんが、無計画に時間を浪費してしまって他のことにしわ寄せが来た結果、ストレスを感じるということだと思います。
「掃除を始めるときになるところが出てきてどんどん範囲が広がってしまう」というのは、私もクライアント宅でたくさん見てきましたのでよく分かります(苦笑)これはもう、無計画の典型と言えるでしょう。片づけ始める前に範囲をキッチリ決めておき、掃除は別の機会にするなどしなければなりません。
低ストレスの人に倣うべき習慣
一方の低ストレスの人が普段やっている習慣はどんなものかというと、まず「予定を詰め込まない」。これは大事ですね。私も以前はスケジュール帳がギッシリ埋まっていることがカッコイイことだと思ってましたが、今はまったく価値観が変わりました。
「物を探さないように整理整頓」というのも大事ですし、次の「帰る時間を決める」というのは、これも私も実践していることです。個人事業ですから簡単にできることですが、最近は夕食を作る時間までに帰れない仕事はほとんど断っています(笑)
高ストレスの人の原因は低ストレスの人にあるのかも?
この調査結果は、「低ストレスの人に倣って低ストレスなライフスタイルを実現しましょう」というところに帰結するのではないかと思います。確かにそれは有意義なことだと思いますが、私の考え方はちょっと違います。
この調査結果から言うと、低ストレスなライフスタイルを手に入れるためには、計画的に時間を使い、マイペースに生きることが重要だと言えます。ただ、もし家族や職場にマイペースな人がいたら実際どうでしょう?(以下、カッコ内は、高=高ストレスな人、低=低ストレスな人)
(高)「次の土曜日、出勤してくれない?」→(低)「その日はゆっくりしたいので休みます」
(低)机の中を片づけている→(高)「この忙しいときに何をやっているの!?」
(高)「残業お願いできるかな?」→(低)「無理です」
(高)「これちょっと運んでくれる?」→(低)「休憩中です」
(低)仕事はできるものから順に進める→(高)「こっちの案件のほうが重要だから急ぎで!」
こんな具合に、低ストレスな人は高ストレスな人のストレスをより高めてしまう危険性があるのではないかと思います。というか、実際こういう状況はよくありますよね(苦笑)冒頭の「趣味」に忙しい男性を目の当たりにした女性の立場から見ても同じことが言えると思います。
もちろん、私は「低ストレスなライフスタイルを手に入れるためには、計画的に時間を使い、マイペースに生きることが重要」ということを否定しているわけではありません。むしろそのことは私自身も実践しているところであり、ストレスが少ない人に学ぶべきところは多いと思います。
ここで大切なのは、調査結果を鵜呑みにして、一面的に物事を見ないことだと思います。自分だけが低ストレスを目指しても全体として調和が取れず、結局はまた元通りになりかねないのです。
時間が足りないこととストレスを感じることはイコールとは言えません。また、計画的に物事を進めることは自分にとってはストレスフリーでも、周りにとってはストレスを高める可能性があります。
実は、高ストレスの人はその事実を知っているからこそ自分がそうなることを善しとしているところがあると言えます。他人の時間を奪うのがイヤだから自分一人でやってしまう。人付き合いで疲れるからその疲れを解消するためにダラダラ過ごしてしまう。そんな具合です。
物事は何事も良いことばかりでも悪いことばかりでもありません。自分のダメなところは良いところでもあります。ですから、ダメなところを改善することも大事ですが、ダメな部分も良い部分もひっくるめて自分なのだとまず肯定的に捉えることのほうがもっと大事だと思います。
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