20年ほど前、私が住宅展示場でバイトをしていた頃は、ハウスメーカーで坪単価を聞くというのはちょっとタブー視されているところがありました。設備等の仕様によって価格が変動するのは当然で、ヘタに坪単価を押し出すことはトラブルの元と考えられていたからだと思います。
しかしながら先日来、住宅展示場を回るようになって、少し変化が起きていることが分かりました。相変わらず坪単価を前面に押し出すことはないものの、営業マンに坪単価を聞けばすんなりと聞き出すことができるのです。
ローコストハウスメーカーが台頭してきた現在、大手ハウスメーカーもそのように対応したほうが、私のように予算が限られた人間を相手にする必要がなくなって効率が良いに違いありません。そういった傾向を踏まえて、注文住宅情報サイト「SUUMO注文住宅」でも施工価格帯の開示するなどのリニューアルが図られました。
「SUUMO注文住宅」で価格帯が分かるように

※suumoスクリーンショット
まだ一部のハウスメーカーは坪単価の表示を固辞しているようですが、ほとんどのメーカーで坪単価が表示されています。たとえば我が家が契約したアキュラホームの場合、40~140万円と表示されています。
ただし、アキュラホームに限らず他のローコストハウスメーカーも同様だと思いますが、坪単価の最低ラインは規格住宅と呼ばれるものです。一から間取りを決めるのではなく、間取りや設備がパッケージされたもので、フルオーダーの注文住宅ではありません。理想の暮らしとはかけ離れた間取りになる可能性はもちろん、土地の形状や方角によってはマッチしない場合もあります。
アキュラホームの場合は上限が140万円と大手にも負けない価格帯なので、結局のところはあまり役に立たない目安とも言えます。
それでも足掛かりとしては便利
では、リニューアルしたスーモで坪単価が分かったところで役に立たないかというと、そうでもありません。今回のリニューアルでは坪単価の表示に加え、検索条件の拡充が図られました。それによって、「子育てしやすい」などライフスタイルに関するものから、「和モダン」などデザインに関するものまで、様々なニーズで絞り込みできるようになっています。
たとえば大阪府の場合、スーモに掲載されているハウスメーカーや工務店の数は186件(2019/07/17現在、以下同)。その中でローコスト住宅メーカーは116件。坪単価を70万円以下にして絞り込めば100件。「家事がラク」にチェックを入れると32件。「二世帯で暮らす」を加えれば20件まで絞り込むことができます。
もちろん、その中にはアキュラホームも入っているのですが、どういうわけか「インテリアコーディネーターに相談可」にチェックを入れると候補から外れてしまいます。設計段階ではもちろんインテリアコーディネーターが対応するものの、モデルハウスに常駐しているわけではないという意味なのかもしれません。
ともあれ、100件以上も展示場を見て回るのは無理ですが、20件くらいなら回れないこともありません。ネットならいつでも閲覧できますし、便利だと思います。
モデルハウスって、住宅展示場1ヶ所で3件も見ればお腹いっぱいになっちゃうんですよね。私としては何十件でも見て回りたい気持ちでしたが、家族は私のペースについて来れなくなって、結局10件強しか足を運べませんでした。
そういう失敗をしないためにもネットでの下調べは重要かと思います。一昔前はタブー視されていた坪単価をはじめ、多くの情報がネットで得られるなんて、便利な世の中になったものですねー。
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