エースラックでお馴染みの大洋から今月新発売された、引き戸タイプのデザインシェルフ「コルタ」がなかなか画期的です。名前の意味はよく分かりませんが、一風変わったデザインなのです。
大洋・コルタ
大洋の新商品「コルタ」は”引戸をアクセントにしたデザインシェルフ”。普通、引き戸の付いた収納家具と言えば、中身をすべて隠せるようになっているのが一般的です。しかしコルタは引き戸で一部だけを隠す「チラリズム」的な収納家具なのです。
基本的に私は使い勝手を重視してのオープンラック推奨派です。とは言え、隠してスッキリとさせたいというニーズも理解できます。コルタは両方のニーズを満たしてくれるセミオープン家具とも言うことができるでしょう。
もう一点、コルタが特徴的なのは、組立家具であるというデメリットを逆にメリットとしていることです。扉や背板がリバーシブルになっており、組み立て時にカラーバリエーションを選べるようになっているのです。
コルタのバリエーションは4タイプ×3色の計12パターン。リバーシブルでカラーバリエーションを楽しめることを考えると計24パターンとなります。
一体何を入れるべきか悩ましい奥行サイズ
引き違いではない引き戸を採用したセミオープンラックとも言うべき構造と、組立家具であるデメリットをデメリットに変えたリバーシブルの扉と背板。この2点でコルタは大変画期的な収納家具と言えるのですが、惜しむらくは何を入れて良いのか首を傾げてしまう奥行サイズです。
引き戸の場合、どうしても扉の厚み分だけ実質的な収納スペースは少なくなります。コルタは3段カラーボックス同様の奥行であるため、実質的に奥行内寸は240mmしかありません(COL7080は奥行187mm)。引き戸をスムーズに開閉するにはそれよりも小さなモノを収めるようにする必要があるでしょう。
もちろん単行本や雑誌を収めるには十分なサイズなのですが、大きさの異なる生活用品諸々を入れるとなると心許ない奥行と言えます。いつも通り本棚を作るつもりで設計してしまったのか、木製の組立家具であることを考えるとそのくらいのほうが耐荷重の心配をせずに済むと考えたのか分かりませんが、やはり引き戸の厚み分くらいは考慮して、もうちょっと奥行内寸にゆとりを持って設計すべきだったのではないかと思います。これじゃせっかくの画期的な商品も、3段カラーボックスよりも使い勝手の悪い収納家具になりかねません。
コルタは目の付けどころがシャープでしょう。と言うか、大洋は結構いろいろとこういう一風変わった棚をせっせと作っています。今回はちょっと残念でしたが、これからも画期的な商品を世に送り出して欲しいものです。
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