私はあまりすき間家具というものは好きではありません。「すき間」なのに「すきじゃない」とはこれ如何にということですが(笑)、これには大きく分けて2つの理由があります。
まずひとつは、「デッドスペースがもったいない」という発想からスタートしていることが多いからです。収納は「アレがココにあったら便利なのになー」という発想からスタートすべきであるのに、「すき間埋めゲーム」になってしまっていることがよくあります。置きたいモノがあって、そのすき間が活かせそうなら検討の余地はありますが、「すき間家具を置いたら何か置けそう」と考えるのであれば、無駄が無駄を生むからやめておいたほうが良いとアドバイスしています。
もうひとつは、すき間なので所詮置けるモノが限られるからです。引出式を選んだ場合、ひどい場合はすき間に対して半分くらいの幅のモノしか置けません。棚の場合は構造上、棚板の高さを変えられないことが多く、必ずしも置きたいモノにマッチするとは限りません。結果的に既製品を買わずにこちらでDIYで作って差し上げることになることも多くなります。
そんなわけで、私はあまりすき間家具は好きじゃないし、あまりオススメしたいものがなかったわけですが、先日、久々に唸ってしまうようなすき間家具に出会いました。田窪工業所のトールワゴンロータイプです。
田窪工業所・トールワゴンロータイプ
田窪工業所と言えばキッチン調理台上用つっぱり棚でお馴染みのメーカーですよね。大きなものでは屋外用物置も作っているなど、金属製家庭用品メーカー大手と言えます。以前は田窪工業所のキッチン調理台上用つっぱり棚を毎月のように買っていましたけど、ここ数年は買った記憶がありません。キッチンに吊り戸棚がないお宅が増えて、吊り戸棚と調理台の間に突っ張ることができないことと、需要が一巡したのか、既に設置されていることが多くなったためです(私がお邪魔させていただくお宅に関しては)。ホームセンターでも田窪工業所の製品を見ることは少なくなったように感じます。
そんなわけで田窪工業所オワコンかと思ってたんですけど、このトールワゴンロータイプは素晴らしいです。何が素晴らしいって、棚板が可動式なのです。
先ほども説明した通り、棚板の付いたすき間家具で可動式のものは珍しいのです。押入用収納カートのようなものであれば棚板は動かせますが、真ん中に帆立板を入れるか固定棚を設けるかしないと強度が保てず、結果的に収めるモノに対する棚板の高さ設定の自由度が下がります。
その点、田窪工業所のトールワゴンロータイプはスチール製なので棚板の高さ設定の自由度が高くてしかも丈夫。おまけに木製と違って板に厚みがありませんからスペースに無駄がありません。ちなみに、ロータイプだけでなくハイタイプもあり、ともに幅は10~25cmまで4サイズあります。
田窪工業所・バスケットワゴンロータイプ
実は私が田窪工業所のすき間家具を見つけたのはこちらが先でした。今年に入ってから発売された新商品のようで、前述のトールワゴンロータイプに新色が加わったんだと思っていました。
でもよく見ると品番が違うので、ややこしいことをするもんだと思ったら、こちらは棚板のうち1枚がバスケットになっているんですね。個人的にはバスケットはモノが絡まりやすく見た目も安っぽくなるので好きじゃないんですが、消費者としては選択肢が増えることは良いことだと思います。
いやはや、田窪工業所オワコンだなんて思ってしまってゴメンナサイ。ニッチながらこだわりのあるモノづくりは健在のようです。意外とこういう組立式でスチール製の収納用品を作れるメーカーって少ないので、田窪工業所にはこれからも頑張ってどんどん良い商品を作っていただきたいものです。
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