ユニバーサルデザインを備えた「正しい収納方法」とは?

前回、「ラベリングしない収納術」について説明した際に、文末で「ユニバーサルデザイン」という言葉を使いました。

「ラベリングしない収納術」のススメ。ラベリングには誰にでも分かり美しく見えるというメリットがありますが、貼る手間とメンテナンスの必要がデメリットと言えます。ラベリングに頼るよりもまず正しく収納することがユニバーサルデザインに繋がると言えるのではないでしょうか。

こちらでは普段あまり使わない言葉を使ったので、軽い違和感があったかもしれません。今回はこれについて補足したいと思います。

直感的に分かるということが重要

今回は理屈からではなく、具体的な例から説明してみましょう。まず普通はあり得ないことですが、他人の家に入ってフライパンを取ってきてくださいと言われたとします。そのとき、どこから探し始めるでしょうか?

おそらく、キッチンから探し始めると思います。キッチンでもシステムキッチンのコンロ下やシンク下からですね。食器棚の中から探し始めたり、寝室のクローゼットの中を探す人はまずいないと思います。

このとき、なぜキッチンのコンロ下などから探し始めるかというと、フライパンはコンロで調理するときに使うものであり、コンロの近くにあったほうが便利だろうと推測できるからです。わざわざコンロ下に「フライパン」とラベリングしなくても、直感的に分かるということですね。

直感的に分かりにくい収納はNG

大量のファイル・イメージ

ちょっと話が変わりますが、私は先日まで亡父の確定申告に追われていました。父は割りと几帳面な人で、経理に必要な書類はきちんとファイルに綴じ、ラベリングもしてくれていました。また、経理に関する書類はある程度一ヵ所にまとめられていたので、比較的スムーズに決算書を作ることができました。

しかし、几帳面さが災いしたのか、個人のレシートなども一緒に保管してあり、事業で必要なレシートを抜き出すのに苦労しました。また、膨大な量の書類は本来の保管スペースに収まり切らず、収まり切らない書類がイレギュラーで別の場所に保管されているということもありました。どうしても必要な書類が見つからず、2日間ほど探し回った挙句、別室に保管されているのを見つけたということもありました。

このことから分かるのは、いくらファイリングやラベリングを徹底しているつもりでも、量が膨大になってしまったり、予想だにしない場所に収納されると、必要なモノを探し出すのは困難だということです。



ユニバーサルデザインとは

ユニバーサルデザイン(Universal Design、UD)とは、文化・言語・国籍の違い、老若男女といった差異、障害・能力の如何を問わずに利用することができる施設・製品・情報の設計(デザイン)である。

引用:Wikipedia

Wikipediaによると、ユニバーサルデザインは上記のように定義されています。オーストラリア人が日本の一般家庭に入ってキッチンからフライパンを探し出すのはともかく、仏壇から線香を探すのは難しいと思います。しかしながら、「比較的誰でも」という風に緩く捉えれば、収納にも当てはめることができるかと思います。

また、ユニバーサルデザインという言葉は最近はあまり使われなくなりました。それに近い言葉として「ユーザビリティ」という言葉がよく使われるようになりましたね。

ユーザビリティ(英語: usability)あるいは日本語で使用性(しようせい)とは、使いやすさとか使い勝手といった意味合いで使われることが多い。

引用:Wikipedia

よって、ユニバーサルデザインという言葉を持ち出すよりは、ユーザビリティが高いことが正しい収納方法と言ったほうが伝わりやすいかもしれません。

それでも前回あえてユニバーサルデザインという言葉を使ったのは、ラベリングについて説明する際に、小学生でも分かる「さとう」ではなく「SUGAR」とラベリングすることも多い現状、言語の違いを問わないという点をより明確にする必要があったためです。

正しい収納方法とは

  • 同種のモノを一ヵ所に集める
  • 適量に抑えることを心掛ける
  • 直感的に分かりやすい配置を心掛ける

以上を踏まえまして、ユニバーサルデザインを備えた、もしくはユーザビリティが高い正しい収納とはどういったものかということを、改めて整理したいと思います。

基本的に収納はできるだけ1ヶ所とするのが理想だと考えられます。収納スペースがあちこちにあるよりは少ないほうが誰でも探しやすいからです。

しかし、部屋が複数ある場合は各部屋に目的があるため、それに合わせて分散するのは問題ないでしょう。キッチン用品はキッチンに、洋服は衣裳部屋に…という具合ですね。

一方で、キッチンに収まり切らない食料品のストックを別の場所に収納するというのは、できるだけ避けるべきだと言えるでしょう。これはモノの量を適量に抑えることで実現しやすくなると言えます。

また、ユニバーサルデザインを備えた、もしくはユーザビリティが高いと言ううえで、直感的に分かりやすい配置というのはすごく大切なことです。キッチン用品はキッチンにということはもちろん、大人のモノは上のほう、子供のモノは下のほう、軽いモノは上のほう、重いモノは下のほう、よく使うモノは手前に、あまり使わないモノは奥に…などという風に収納すれば、直感的に分かりやすいと言えます。

正しい収納とは、同種のモノを一ヵ所に集め、適量に抑え、直感的に分かりやすい配置を心掛けるという3点が重要であると言われると、ちょっと拍子抜けするかもしれません。そんな抽象的なことよりももっと具体的なファイリングやラベリングの仕方を習得したいと考える人が多いのが実情ではないでしょうか。

もちろん、十分に片づいていてワンステップ上を目指したいという方も多いと思います。しかし、私が知る限り、前述の3点を満たした正しい収納を実現している家庭や職場は、実際にはかなり少ないのではないでしょうか。

収納は非常に簡単なことです。にもかかわらず、原理原則に反してイレギュラーなことをしてしまうから難しくなってしまうと言えます。

同種のモノを一ヵ所に集め、適量に抑え、直感的に分かりやすい配置を心掛けるという3点のうちひとつでも満たせば、収納の使い勝手は格段に向上します。あまり難しく考えすぎず、この3点で収納をチェックしてみてください。

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