フリマアプリ「メルカリ」の躍進が止まりません。2013年の創業からたった5年で流通総額は年間3,468億円を突破(日本のみ)。これはホームセンター業界3位のコメリの年商3,243億円、同4位のコーナンの同3,022億円をも上回る規模です。相変わらず赤字決算ではありますが、それも先行投資と考えればまだまだ成長の余地があるということでしょう。
これほどのメルカリの大躍進を見ていると、みんな上手に中古品の売買をしているのだなーと思ってしまいます。しかし、マイボイスコムによる「中古品の売買に関するアンケート調査」の結果を見ると、また違う側面が見えてきました。
中古品の売買経験は減少傾向

出典:PR TIMES(以下同)
インターネットリサーチを主業務とするマイボイスコムが10~70代の男女10,352名を対象に中古品の売買経験を問いました。上表はその結果ですが、過去の調査と比較すると中古品の売買経験は減少傾向であることが分かります。
特に顕著なのが、「買ったことも売ったこともない」人が2009年の調査に比べて7割も増加していることです。これは私の想像に過ぎませんが、2008年のリーマンショック以降、ブランド品を持つことが減り、それらを買ったり売ったりする機会が減ったことが影響しているように思います。デフレが進むとともに価値観が多様化し、売れるようなモノが身近になく、新品を買ったほうが安くて手軽だと感じることが増えたのではないでしょうか。
また、「売ったことはあるが買ったことはない」という人は2009年の調査に比べると倍近くになっていることが分かります。他方で「買ったことはあるが売ったことはない」人は2009年の調査と比較すると3割近く減少しています。これは別の設問で、”中古品を買って使うことに抵抗感があると感じる人は6割強”という結果が得られていることから、不要品処分のニーズは高いものの、中古品を買うメリットは薄れてきていると言えるでしょう。
中古の洋服は売りたいが買いたくない?
直近3年間に売却経験のある中古品のジャンルの上位3つは、「書籍・コミック・雑誌」(26.9%)、「衣服」(16.7%)、「CD・レコード」(11.1%)となりました。残りはすべて10%未満で、「直近3年間では中古品を売っていない」人は51.6%に上っています。
一方で、直近3年間に購入経験のある中古品のジャンルの上位3つは、「書籍・コミック・雑誌」(33.1%)、「CD・レコード」(14.7%)、「衣服」(14.0%)となりました。こちらも残りはすべて10%未満で、「直近3年間では中古品を購入していない」人は47.3%に上っています。
これら3ジャンルは中古品売買の定番なので納得するところが大きいのですが、書籍類とCD類は売却よりも購入が上回る一方、衣服は売却のほうが多いところが興味深いと感じます。先ほども引用した”中古品を買って使うことに抵抗感があると感じる人は6割強”という結果が、ここでも影響していると思われます。
不要品売却は今もリサイクルショップが主流
不要品が出た場合にみんなどこで売却しているのかというのも気になるところです。
不要品の売却場所については上表の結果となりました。メルカリなどフリマアプリの躍進が伝えられる一方で、「(ネット以外の)中古品を取り扱っている店」が圧倒的に多くを占める結果となっています。ちなみに中古品を購入する場所についても同様の結果となっています。やはりネットで売るのは面倒と感じる人が多く、他方で実物を見て購入したい人が多いのでしょう。トラブルを避けたいという思惑も働いているのかもしれません。
ちなみに、今回の調査対象者は40~70代が84%も占めており、10~30代が相対的にかなり少なくなっていることから、若年層だけを対象とすればまったく違う結果となる可能性もあります。
40代のオッサンである私にとっては、不要品は売っても二束三文で、潔く捨ててしまったほうが時間が掛からず気持ちも良く、一方で中古品は新品を買ったほうが安いと感じることのほうが多くて、あまり中古品を売買する気持ちにはなれません。今回の40~70代に偏った調査結果からも同様の経験をお持ちの方が多いという印象を受けます。
しかし一方で、30代以下の若い世代はまったく別の価値観を持っているような気もします。おそらく、今の若者が関心を持つようなモノならフリマアプリで活発に売買されるのでしょう。逆に言うと、オッサンオバハンが価値があると考えるようなモノは若者にとって価値がないということです。
そう考えると、不要品が出た場合、若者が欲しがりそうなモノはフリマアプリに出品してみるというのもひとつの戦略かもしれませんね。
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