お片づけブログメディア”cataso(カタソ)”に収納マンの新しい記事が公開されましたのでお知らせします。
⇒ ”片付け苦手を克服したい!感覚はそれぞれ「自分に合った収納方法を」”
ぶっちゃけ、収納のテレビ番組や雑誌の特集を見ていると、間違った片づけ方が紹介されていることがあります。
収納のプロによって正しいと思う片づけ方がそれぞれにあることはもちろん理解できます。ですがもし、それがテレビ番組の制作会社の人間や雑誌の編集者が作り上げた「演出」だったとしたらどうでしょう?
テレビが真実を伝えているとは限らない
先日はエライ目に遭いました。某番組の制作会社からの依頼で、あるお宅の片づけを任されることになったのですが、結局、収録の直前になって出演を見合わせることとなりました。
今回のお宅は、畳んだ洋服が棚に押し込まれ、シーズンオフの家族の洋服がゴミ袋に入れて押入れに突っ込んである、誰が見ても分かりやすい「片づいていないお宅」でした。
しかし、棚に収めた洋服もゴミ袋に入った洋服もちゃんと畳まれてあり、ゴミ袋もキレイなものでした。そこで私は、「奥様は几帳面だけど収納用品をうまくチョイスできていないだけ。奥様やお子さんに合った片づけ方をしましょう。」という方向性で提案をしました。
一旦はその提案が通ったのですが、プロデューサーが「それでは分かりにくい」と言って、ディレクターを通じて以下のような指示が私に下されました。
- 「奥様は”片づけられない性格”」と言え
- 「ゴミ袋に収納するなんて”だらしがない”」と言え
- コーナーの趣旨上、DIYでオモチャ箱を作れ
私はNLD性格アドバイザーとして、収納のプロとして、”片づけられない性格”なんて言葉は死んでも言えません。また、几帳面な奥様に対して、”だらしがない”なんて事実と異なることを言えるはずもありません。だからそういうことは芸人さんがカラミで言ってくれれば良い話で、私に振られても困ると断りました。
また、そもそも撮影の打診があったのが収録日の7日前で、翌日に下見打合せ、急ぎで翌々日にプランを提出、必要な材料も揃えたところに、いきなりのプラン変更の要求でした。翌々日に収録日を控えた段階で、小さな子供が安全に使えるようなオモチャ箱を作るのは無理だと判断せざるを得なかったのです。
結果的に番組は私の代役を立てて収録が強行されました。そしてその内容はプロデューサーの要求通りのものでした。こうして、テレビで片づけの素人が作り上げた「間違った片づけ方」が紹介されることと相成ったわけです。
私はマスコミというものは、真実を分かりやすく伝えることが使命だと思っています。それは報道番組であっても情報バラエティー番組であっても同様です。しかし残念ながら、真実を捻じ曲げてまで視聴者に分かりやすくすることが求められ、今まで何度も多かれ少なかれ「演出」(素人の言うところのヤラセ)を要求されました。
皆様におかれましては、くれぐれも必ずしもテレビが真実を伝えているものだと思われないようにお願いします。
これが「間違った片づけ方」だ!
くだらない話はともかくとして、そういうことが影響しているのか、リアルに「間違った片づけ方」をされている方は本当に多いです。たとえば以下のような「間違った片づけ方」があります。
「隠す」のが収納?
クライアントに片づけの相談を受ける際に、「オープンラックはイヤ。扉でスッキリ隠したい」と言われることが多いです。しかし収納家具に扉を付けると、中に何を入れたか分かりにくく、出し入れに手間が掛かり、棚板の可動範囲が狭まって中途半端にしかモノが入りません。
扉付きの収納家具にしても問題ないレベルの人にはその通りにしますが、そうでない人の場合は扉付きの収納家具を置いた場合、結局使いこなせなくて、元の状態よりひどくなる場合があります。
「隠す」ことが収納ではありません。むしろ「見せて(魅せて)」こそ収納です。
「使用頻度」という概念がない
何でもワンアクションで手に取れるようにしたいという人は結構多いです。その考え方自体は私もむしろ好意的に受け取れます。しかしすべてのモノをワンアクションで手に取れるようにすると、見た目に雑然としてしまう一方で、たとえばシステムキッチンの扉の中はガラガラというようなことになってしまいます。
そんなときに必要なのが「使用頻度別に分けて収納する」ということです。よく使うモノはワンアクションで取り出せるようにし、あまり使わないモノは扉の中に収納するなどして、ツーアクションもしくはスリーアクションで収納するのです。そうすることで単に鍋なら鍋、ザルならザルで、ひとかたまりにして収納するよりも、収納のレイアウトの自由度が高まるのです。
「ゴミ袋」片手に片づけ
私がお邪魔するお宅でも、片づけの作業をしましょうという段になると、まずゴミ袋を持ってきてしまう方が多いです。確かに、片づけはまず要るモノと要らないモノに分けることが大事です。しかしゴミ袋を手にしてしまっては、いきなりゴミ袋行きか否かで判断することになり、ハードルを高くしてしまうだけです。
もしくは、ゴミ袋片手に片づけをする習慣を身に着けてしまうと、「片づける=捨てる」ことになっていきます。散らかった→捨てる→また散らかる…ということを繰り返し、いつまで経っても本当に片づくことはありません。ゴミ袋片手に片づけを始めることはやめましょう。
「収納グッズ」を買ってくれば片づく?
未だに収納グッズを買ってくれば片づくと考えている人は多いです。しかし収納グッズを買ってくるということはモノをひとつ増やすことで、それ自体は部屋が片づくこととは真逆の方向です。収納グッズを買ってくるのは、自分や家族のことと、身の回りに何がどれくらいあってどのように収納すれば使いやすいかを十分に理解してからでも遅くはないはずです。
そう言っておきながら、私はこちらで次々に収納グッズや収納家具を紹介しています。その理由は、理屈で説明するよりも視覚的に分かりやすく、片づけるモチベーションを高めやすいからです。また、次々と紹介すれば、衝動買いさせてしまう心配もありません。
ほかにも間違った片づけ方をしている例はたくさんあります。しかし前段で飛ばしすぎてしまったので、今回はこれくらいにしておきましょう。
普段何気なくやってしまっていることが間違った片づけ方に直結していることは多いです。本に書いてある通りにやっていたつもりなのに、書いてなかったことをやってしまったがために間違った方法になっていた…というやつですね。もしくはテレビでやっていたことが真実だと思い込んでいたり。
片づけは基本に忠実にやることが大切です。逆に言えば、セオリー通りでOK。全然難しくないのに、難しいことをやろうとしてしまっていることが圧倒的に多いだけです。
コメント
いつもためになる情報ありがとうございます。
今回はPCデスク周りの収納についてお聞かせくださいm(_ _)m
こちらの記事とは関係なくて申し訳ありません。
現在、文具や使う頻度の高いものはデスクの引き出しに収納していましたが、
次に購入予定のデスクは引き出しがないため、
どうしたらいいのか悩んでいます(ToT)
書棚が隣に設置されているので、
レターケースの様なものに収納しようかと考えているのですが、
いかがでしょうか?
何かいいアイデアやおすすめの商品がありましたら教えて頂けると助かります(*^_^*)
よろしくお願い致します。
ぎがさま
こんにちはー^^
私も引出しのないパソコンデスクを使っていて、横に無印良品の、MDFの外箱にポリプロピレンの引出しが付いた、キャスター付きのチェスト(廃番)を置いています。
それとレターケースを併用しています。
書棚が横にあるのでしたら、奥行26cmの「ポリプロピレンケース引出式・横ワイド」や奥行37cmの「ポリプロピレンケース・引出式」(いずれも無印良品)なんかが良いのではないでしょうか?
ある程度重みのあるモノを収めないと棚板から滑り落ちそうになりますが、そこに滑り止めシートを敷けば多少は改善されるかもしれません。
収納マン様
感謝のお返事が遅くなってしまい、すみませんでしたm(_ _)m
紹介して頂いた無印のPPケースですが、
書棚の奥行きが予想外になく、だいぶはみ出てしまうことが判明…。
デスクの上をすっきりシンプルは諦め、
Like-itのA4ファイルユニット(ヨコ)が
今のところベストではないかと思っています。
また何かありましたらご相談させていただけると助かります(*^^*)
ありがとうございました!
ぎがさま
あれ?無印良品の「ポリプロピレンケース引出式・横ワイド」は奥行26cm、吉川国工業所の「Like-it A4ファイルユニット Life Module ヨコ型」は奥行27.7cmですよね?
ともあれ方向性が見えたようで良かったです^^
収納マンさんのプロとしての誠実さが伺える記事ですね。
私自身、来客時に、ゴミ袋に、ドカドカ衣類や夾雑物詰め込んで棚に突っ込み、とりあえず、隠しておくという(あまり自分でカミングアウトしたくないですが)タイプで結構そういう人が多い気がするので、テレビ局のスタッフも、勘違いしてしまったのかもしれませんね。綺麗に洋服を畳んで、収納品だけ選べない状態という人もいる、、片付け方って
千差万別なんだなと改めて思いました。
(整理整頓好きを自負する知人が、よく見てみると、モノをあまり分類はせずに、ひたすら、箱つめしてラベリングして膨大なストックを増殖させてるだけという経験ありました、無限のスペースがあればいいのでしょうが、、同居家族は大変だと思います)
せっかく揃えた材料、無駄になってしまって残念でしたね。
安全なおもちゃ箱って大事なことですね。
昔、娘が幼い時、車のディーラーからもらった、折りたたみ式のマガジンラックに座ろうとして、金具で怪我してしまったことがあり、子供は何するかわからないから気をつけないとなーと慌てたことがあります。
(もちろん本を入れるものに座るのが間違った使用法ですが)
収納マンさんの記事、「図解、収納シリーズ」全部読んで面白かったので、
「捨てずに片付く9ステップ」アマゾンで注文してみました。
(本、図書館で読んであまり買わないのですが、手元に置いてみたいのは別)
届くのが楽しみです。
「モノを全部出して、2年間利用したかしないかでボックスに分けてみる」
ヘーーーーーと目から鱗でした。
クローゼットも奥の方は「ディラックの海」と化していたのですが、まずは、そこからということで、発掘作業して、収納マンさん紹介の「リサイフク」利用することにしました。
ゴミ袋片手に、現在でてるもの処分するとなると、ためらうことも多いですが、
死蔵されてるものから手をつけると本当に、はかどりますね。
有用な情報ありがとうございます。
ぽんぽこさま
私が誠実だなんて、お恥ずかしい限りです^^;
それはさておき、突然の来客に慌てて、テーブルの上のモノを紙袋などに詰め込んで隣の部屋へ…という話は、私のセミナーでもよく登場します。
その度にクスクスと笑い声が聞こえるので、同じような経験をされた方も多いんだと思います。
でも私はそういう人って好きなんですよ。
片づけが苦手と言う人はそのことをすごくネガティブに捉えているんですけど、私に言わせたら、そういう人はとても活気があって周りの人を楽しませてくれる人です。
そう言っても「いや、そんなことないですよ」と謙遜されますが、逆に片づけが上手な人って私も含めて基本的に内向的な人が多いのです。
たまに片づけのプロが集まることがあって、じゃあ食事に行きましょうかとなっても、誰も音頭を取りませんからね(苦笑)
”整理整頓好きを自負する知人”の話もよく分かります。
同じように、洗濯が好きな人というのも結構怪しくて、好きと上手はまったく別の次元なんだなーと思います。
きれい好きと掃除がうまいもまったく別ですね。
片づけが苦手と言う人はきれい好きを自称することも多いですが、私にはその意味が理解できますけど、第三者的には理解しがたい状況であったりします。
”ディラックの海”、うまいことおっしゃいますね!
学がないものでググって初めて知りましたけど、”負のエネルギーで満ちた真空”という意味なんですねー。
拙書のご購入もありがとうございます。
お役に立てるか分かりませんが、お役に立てれば幸いと思っております。