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サイズオーダー収納家具が低価格で!?「ユアニチャー」

キッチンと冷蔵庫のすき間や、洗面化粧台と洗濯機のすき間などのデッドスペースを、収納スペースとして活かすことができればなーと思ったことは、誰しも一度はあると思います。最近はオーダー家具専門店に足を運ばなくても比較的手頃な価格で手に入るようになったとは言え、既製品に比べるとそれなりに高価です。

そんな問題を解消すべく、ベンチャー企業が立ち上がりました。「Yourniture.(ユアニチャー)」という会社です。

 

Yourniture.(ユアニチャー)

Yourniture.(ユアニチャー)出典:PR TIMES

”誰でもオンラインで簡単に、一人ひとりの要望に合わせたパーソナライズ家具を量販店価格で購入することができるサービス”、それがユアニチャーです。要はネットでサイズや色のイージーオーダーが可能ということですね。

今のところは上写真の棚板すらない「シンプルボックス」のみしか受け付けていない段階です。しかし、ゆくゆくは扉を付けるなど仕様の指定をできるようにする予定ということです。

 

オーダーにしては確かに安い

ユアニチャー・シンプルボックス・サイズオーダーYourniture.スクリーンショット

ユアニチャーのホームページでサイズや色を指定すると、即座に見積価格が表示されます。それによると、現在注文可能な最大サイズである50cm四方のボックスの場合で税別7,384~10,884円、カラーボックス1段分相当の40×30×30cm相当で同3,688~5,342円という価格が弾き出されました。

これは一般の消費者にとっては割高に感じる価格だと思います。しかしながら、私はちょっと驚く価格でした。”量販店価格”というのは決して誇大広告ではないなと感じたのです。

このくらいの大きさのものをオーダー家具販売店で見積もってもらうと、安くても1~2万円はします。以前に紹介したハコ工房でもそれくらいの価格でしたよね(ハコ工房は現在、一時休店中のようですが…)。

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ホームセンターでカラーボードを買ってきても1枚あたり1,000円はしますから、自分で組み立てても4,000円くらいは掛かります。そう考えると、なおさら”量販店価格”と言って差し支えないでしょう。



大洋・エースラックとの比較

ここでサイズオーダー家具の定番である大洋の「エースラック(カラーラック)」と比較してみましょう。

エースラックの場合、最小のW15×D19×H49cmで税込7,736円から、最大のW90×D46×H211.1cmで38,264円です(2018/03/02現在、アマゾンでの価格)。エースラックは幕板がある構造で棚板も複数枚付いているうえに国産で低ホルムアルド仕様(F☆☆☆☆)、対してユアニチャーはシンプルな構造で棚板もなく、インドネシア製でホルムアルデヒド放散量は不明という具合で単純比較はできないものの、ユアニチャーのほうが割高ではないことは確かでしょう。

 

ユアニチャーが量販店価格を実現できる理由

ユアファニチャー@Makuake出典:Makuake

では何故、ユアニチャーは”量販店価格”を実現できるのでしょう。その理由は主に2つ挙げられています。

  • 価格算出や製造指示書の作成を自動化
  • D2C(=Direct to Consumer)

通常、オーダー家具販売店にオーダー家具を発注しようとすると、店員と仕様を相談し、それを工房の職人に伝え、図面を引き、板をカットするなどします。ユアニチャーの場合はユーザーにネット上で仕様を決定してもらい、その仕様に従った製造指示書が自動で作成されるので、コストがカットできるというわけです。

また、通常はメーカーと消費者の間には販売店が関わることになり、中間マージンが発生します。ユアニチャーの場合は販売店を介さないことで中間マージンを省いているとのことです。

 

ビジネスモデルに対する疑問点

ただ、私はこのビジネスモデルにはかなり無理があると感じました。決して成立不可能とまでは言えないものの、ちょっと無謀だと思うのです。その理由は、主に以下の4点です。

  • 自動化できない部分が多い
  • 輸送コストや納期の問題
  • 販売店がない=実物を見れない
  • 経営者が家具の素人?

自動化できない部分が多い

ユアニチャーが低価格を実現できる最大の理由は、ユーザーがネットで注文し、製造指示書が自動的に作成できるからです。ただこの点だけで言えば、大洋のエースラックだって同じです。

厄介なのは製造指示書を基に、NCなどの工作機械に職人が手入力する必要があることです。シンプルボックスくらいなら裁断とダボ穴開けくらいなので単純ですが、これに棚板や扉を取り付けることになると、入力に相当の時間を要します。

いくらインドネシアは人件費が安いとは言え、そのあたりをどの程度織り込んでいるのか疑問です。

輸送コストや納期の問題

海外から日本に家具を輸入する場合、輸送コストがかなり掛かります。そのため、一般的な3段カラーボックスなどはコンテナ単位で輸入するのが当たり前になっています。

一方のユアニチャーも、コンテナに目一杯詰め込めば輸送コストはある程度抑えることは可能でしょう。ただ、オーダー家具の場合は3段カラーボックスほど効率良く積み込むことは不可能ですし、納期の目処も立ちにくくなります。

スタートダッシュでよほどまとまった受注がなければ、輸送コストと納期の問題で立ち行かなくなってしまうことでしょう。

販売店がない=実物を見れない

ユアニチャーがいくらサイズオーダー家具としては割安とは言え、量産品に比べると割高であることは間違いありません。消費者としてはやはり実物を見ないことには買うのを躊躇してしまうことでしょう。

現在、ユアニチャーは伊勢丹新宿本店で実物を見ることができるとは言え、地域も期間も限定されています。もし今後、直営店やショールームを持てば消費者が実物を見ることができますが、自社で運営してもそのコストは商品に跳ね返ってしまいます。

現時点では家具のネット販売はまだまだ難しいと言える状態ですので、ネットだけで完結させるのはなかり難しいと言えるでしょう。

経営者が家具の素人?

最大の懸念がここです。ユアニチャーの社長(峯浦望氏)について調べてみると、もともとヤフーの社員だったようです(出典:マイナビニュース)。その前後に家具との関わりがあったのかもしれませんが、もし家具や流通に詳しくないのであれば、ちょっと見積りが甘かったんじゃないかなと思います。

もっとも、ベンチャーキャピタルから出資も受けているので、私が考えたような疑問点はとっくに解消している可能性は十分あります。それでも家具を海外で製造し、キズを付けずに輸入するというのは簡単なことではありません。

次に販売開始される「MAIN SHELF」の試作が今年の3月からで、一般販売がその3ヶ月後の6月からというのも、ちょっと”爆速”すぎるんじゃないかと思うんですが、家具業界のテンポが遅すぎるだけでしょうか。

 

とは言え、もちろん私はユアニチャーがコケることを願っているわけではありません。むしろまったく逆で、成功して欲しいと願っています。

どんな業界でも、古い体質を打ち破るのは素人です。業界に染まっていると革新的なアイディアは出てこないからですね。

また、低価格なユアニチャーのサイズオーダー家具は消費者にとって魅力的に違いありません。私もホームセンターで板を買ってきて自分で組み立てるより、それと同等の価格でサイズオーダー家具が手に入るなら万々歳です。

そんなわけで、ユアニチャーには是非とも事業を軌道に乗せてもらいたいですねー。

 

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