昔からある収納グッズのメーカーと言えば、アイリスオーヤマ、天馬、吉川国工業所、平安伸銅工業、レックあたりを思い浮かべる方が多いと思います。もちろん、私もそうですが、気が付けばこちらのブログでもっとも取り上げているメーカーは山崎実業になっています。
山崎実業はすごい勢いで収納グッズを投入してきます。もはや、もともとアイロン台を作っていたメーカーなんて知らない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
山崎実業の収納グッズが多いのは、デザインに優れているだけでなく耐久性もピカイチで、なおかつそれまで他のメーカーが手を付けなかったニッチな商品を手掛けていることがひとつの理由だと思います。また、同じような収納グッズでも、マグネット式、フィルムフック式、引っ掛け式、石こうボード対応など、多くの取り付け方に対応していることも挙げられるでしょう。
今回はまた新しいフィルムフック式の収納グッズを試す機会に恵まれましたので、そのレビューをお送りしたいと思います。
山崎実業・フィルムフック洗顔用品収納セットtower
今回ご紹介するのは山崎実業の「フィルムフック洗顔用品収納セットtower(タワー)」という商品です。上写真のホワイト(1883)のほか、ブラック(1884)もあります。
ツルツルした鏡面に取り付け可能なフィルムフックでツールバーを固定し、そこに洗面グッズ各種を引っ掛けたりできるというセット商品ですね。想像していたよりもパッケージが薄いので、まさかツールバーだけ届いたのかと驚きました。でも、ちゃんと一式入っていましたよ。
フィルムフック同士は190mm離して固定
こちらのツールバーの全長は38cm。取扱説明書を見ると、フィルムフック同士は19cm離して固定すると書かれています。「えー、メジャー出してくるの面倒臭い」と思ったら、取扱説明書の上端に目盛りを印刷してくれていたのですね。
ともあれ、この紙メジャーを使わなくても、裏面のリブ(凸部)にフィルムフックの端を合わせれば、フィルムフック同士の間隔は19cmになります。
まさかのシールフックでした!
早速、洗面化粧台に取り付けようとして、フィルムフックの保護フィルムをめくってみたところ、表面がベタベタとしていることに気付きました。これ、吸着式のフィルムフックじゃなくて粘着式のシールフックじゃないですか!
以前に山崎実業が初めてフィルムフックを採用した「フィルムフック サニタリーラック tower」を試したら、吸着式だったんですよ。それで山崎実業のフィルムフックは全て吸着式だと思っていたのです。
しかし、今回のものは多少の凸凹があるユニットバスの壁面やキッチンパネルもOKの粘着式のシールフック。喜ばしいものの、キツネにつままれた気分になりました。
山崎実業の公式ショップに上表の通りシリコーンタイプ(吸着式)とポリウレタンタイプ(粘着式)の違いがまとめられています。交換用のフィルムフックも現在はほぼポリウレタンだけとなっています。
洗面化粧台にくっつけてみた
シールフックだったことに動揺しつつ、当初の予定通り、まずは洗面化粧台の立ち上がりの部分に洗顔用品収納セットtowerをくっつけてみました。ここはツルツルの鏡面なので、吸着式のフィルムフックがくっつくのです。
立ち上がりの高さは約23cm。歯みがき粉を取り付けたチューブハンガーを着脱するには結構ギリギリではありますが、特に問題なく使えそうです。
チューブハンガーはスライドインでセット
チューブハンガーに歯みがき粉などのチューブを取り付ける際は、横からスライドインでセットします。真下に強く引っ張っても、そうそう簡単に外れるとは思えません。とてもシッカリしています。
ちなみに、トレー、シェーバーハンガー、フックは、ツールバーにカチッとハマりますが、チューブハンガーだけは容易に着脱できるように引っ掛かっているだけです。
ユニットバスでも使える!
フィルムフックと言いながら粘着式のシールフックなので、表面が少しザラザラしたユニットバスの壁面でも問題なく使用できます。吸着式のフィルムフック サニタリーラック towerでは無理でしたが、これなら大丈夫です。
キッチンでも使える!
我が家のキッチンパネルは表面にわずかな凸凹があるのですが、そこでも洗顔用品収納セットtowerをくっつけることができました。もっとも、立ち上がりの高さが僅かなので、これではチューブを吊るすことはできません(苦笑)
各パーツは従来品と互換性あり
洗顔用品収納セットtowerは幅が38cmもあるとは言え、トレーやホルダーなどをすべてセットすると目いっぱいな感じになります。そのため、使わないパーツが出てくることもあるでしょう。
でも大丈夫。従来の山崎実業製品の厚み2~4mmの縁なら取り付けることができるのです。上写真はフィルムフック サニタリーラック towerの縁に引っ掛けた状態。洗顔用品収納セットtowerのツールバーほどカチッとはハマりませんが、まったく問題なく使えると思います。
以上の通り、フィルムフック洗顔用品収納セットtowerはなかなか使い勝手が良いと思うわけですが、それにも増して注目すべきことは吸着式ではなく粘着式だったということです。この点について、もう少し詳しく見て参りたいと思います。
シールフックvsフィルムフック
以前に購入したフィルムフック サニタリーラック towerも今回の商品も「フィルムフック」です。また、いずれも取り付け可能な壁面は”光沢のある平らな油染みしない面”と記載されているとともに、取り付けできない壁面として”凸凹のある面・ざらつきのある面”などが挙げられています。
しかし、今回のものは粘着式のシールフックであることは明らかで、ユニットバスの壁面やキッチンパネルなどの”凸凹のある面・ざらつきのある面”でもくっつきます。つまり、山崎実業が扱う商品のフィルムフックにはシールフックが紛れていると考えられます。一体どうなっているのでしょう。
結論から言うと、どうやら山崎実業は割りと最近になってからシールフックの採用を始めたようです。2023年以降、もしくはここ数ヶ月のことかもしれません。また、私の所有しているフィルムフック サニタリーラック towerなど一部商品は現在はシールフックに切り替えられています。紛らわしいことに、品番やJANコードは変わらずです。そのため、楽天市場やamazonでは後述する仕様の違いが書き換えられることなくそのままになっているケースが多く見受けられます。
詳細な仕様は山崎実業のホームページにも記載されていません。amazonや楽天市場でも過去の情報のまま放置されている、もしくはまだ旧仕様の在庫を販売している可能性があります。よって、現状は山崎実業のスマホ用アプリで確認できる情報がもっとも正確と言えそうです。
フィルムの大きさが異なる?
当初、両者を見分ける方法のひとつは、壁に貼り付けるフィルムの大きさと考えられました。今回のシールフックのフィルムは6×6cm、対して吸着式のフィルムフックは7×7cmです。
なお、フック部分の形状も異なります。シールフックのほうがフックの幅が広いです。ちなみに、フックの高さなどは同じなので、フィルムフック サニタリーラック towerにシールフックを付けることも、洗顔用品収納セットtowerに吸着式のフィルムフックを付けることもできました。
ただし、山崎実業のフィルムフックの仕様を確認したところ、7×7cmのシールフックというのもありました。また、フックの形状で見分けようとしても、旧仕様の商品写真がそのまま掲載されている事例も多数発見されています。よって、フィルムのサイズやフックの形状で見分けることは困難です。
フィルムの材質が異なる
接着方法 | 一般名称 | フィルム材質 |
---|---|---|
粘着式 | シールフック | ポリカーボネート、PET、ポリウレタン |
吸着式 | フィルムフック | ポリカーボネート、PET、シリコーン |
シールフックもフィルムフックもフィルムそのものはポリカーボネートとPET樹脂ですが、壁に密着する部分の材質が異なります。粘着式はポリウレタン、吸着式はシリコーンとなっています。
現状ではこのように材質で確認するのがもっとも的確と思われます。ただし、ネットショップに掲載されているスペックは旧仕様であることも多いので、必ず山崎実業のスマホアプリで確認するようにしましょう。
ちなみに、山崎実業のスマホアプリは使いにくいです。「フィルムフック」というワードで検索して一覧を出し、商品詳細ページに遷移してから戻ろうとすると、一覧ページに戻らず、改めて検索し直す必要があります。android版だけかもしれませんが、かなりストレスです。
それはさておき、ショップの商品ページにポリウレタン(粘着式)と書いてあるのに実際はシリコーン(吸着式)だったという可能性は少ないと思います。吸着式から粘着式に切り替えることはあっても、その逆をやる必要性はほとんど考えられないからです。
吸着式フィルムフックの商品
前述の通り、吸着式のフィルムフックを採用していた商品の一部は粘着式のシールフックにリニューアルされています。そういうこともあって、現在は粘着式のほうが圧倒的に多いです。一方で、何かしらの必要性からか、吸着式のフィルムフックを採用している商品は現在も販売されています。
現在販売中のフィルムフック(吸着式)採用商品
現時点で確認できているのは以上の商品です。他にもあると思いますが、調べれば調べるほど、これらもそのうちシールフック(粘着式)に置き換えられると考えられます。「フィルムフック マグネット石鹸ホルダー MIST(ミスト)」が粘着式なのにタワーは吸着式とか、ちょっと不自然ですからね。「フィルムフック ツーウェイディスペンサー MIST」とタワーに関しても同様です。
というわけで、今回はまたえらいパンドラの箱を開けてしまいました(苦笑)「山崎実業のフィルムフックは吸着式!」と私は声高らかに言っていたのに、今となっては訴えられかねない状況ですからね。逆に、仕様変更について全くアナウンスをしていない山崎実業もどうかと思いますが。
でも、鏡面にしかくっつけられない吸着式のフィルムフックよりも、ユニットバスの壁面やキッチンパネル、ドアなどにも貼ることができる粘着式のシールフックのほうが使い勝手が良いです。そこは素直に喜ぶべきでしょう。
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