パモウナと言えば、知る人ぞ知る食器棚メーカーです。現在主流となっている家電収納付き食器棚の生みの親であり、食器棚市場でNo.1の売上を誇ります。
とは言え、先細りする食器棚市場でいくら頑張っても先がありません。近年は食器棚だけでなく、壁面収納などにもラインアップを広げています。
そこまでの展開は私も知っていたんです。しかし、パモウナがソファや天然木を使ったリビングボードまで手を広げているとは知りませんでした!
※この記事は2019年4月18日時点の情報に基づいています
府中・佐々木木工の家具事業を継承
食器棚メーカーであるパモウナがどうしてソファなど脚物家具にまで手を広げることができたのか。その理由は2016年に広島県府中市の佐々木木工から家具事業を譲り受けたことで、必要な設備と技術の獲得に成功したからです。
もう3年も前の話だったわけですが、先日のインテリアフェスティバル2019でパモウナの社員の方にうかがって初めて知りました。なお、佐々木木工は賃貸事業で存続し、家具事業は「BIOS(ビオス)」という別会社に移管されています。
そういった経緯を経て、パモウナは「Cadenza(カデンツァ)」と「bellacontte(ベラコンテ)」という2つのブランドを同時に立ち上げ、箱物家具メーカーから総合家具メーカーに発展したのです。
御託はさておき、パモウナが取り扱いを開始したラインナップにはどんなものがあるのでしょう。カデンツァとベラコンテそれぞれから3つずつピックアップして紹介したいと思います。
Cadenza・リビングボード「Artist」
まずはカデンツァからリビングボードの「Artist」。いわゆるグリッドシェルフですが、ウォールナットやホワイトオークの突板を使っており、扉や背板にシックなカラーを取り入れることで、とても上品な雰囲気に仕上がっています。
無印良品の「スタッキングシェルフ」のように連結したり、テレビラックとコンビで使うことも可能です。つまり、「Artist」はスタッキングシェルフの高級仕様と言えます。
Cadenza・チェア「Plaster chair」
カデンツァの「Plaster chair」はもともと婚礼家具を作っていたメーカーとは思えないほどエッジの利いたデザインです。クールなようで、木が本来もっている温かみが伝わってきます。
ダイニングテーブルも複数ラインナップされており、組み合わせで悩みそうです。
Cadenza・収納「Stacking utility」
「Stacking utility」はサイドテーブルやセンターテーブルとして使うことができるスタッキングボックスです。着物を入れる長持のようでもあり、どことなく懐かしさを感じさせるデザインです。
「Stacking utility」はおそらく、桐箱にホワイトオークなどの突板を貼ったものだと思います。特性が似ている「Esagono」は桐に突板を貼ったものでした。MDF合板やパーティクルボードで作ったら、ヒョイッと持ち上げて収納したモノを手に取るなんて大変ですからね(苦笑)
bellacontte・ソファ「rail loungesofa」
続いてベラコンテの「rail loungesofa」。無機質なスチール製フレームにウォールナットまたはホワイトオークの丸棒のような肘掛けの組み合わせが素敵です。
座り心地はあまり良くなさそうですが、インテリアに適度な張りをもたらせてくれるように思います。
bellacontte・リビングボード「palette AV board」
ベラコンテの「palette AV board」は同じデザインの2段チェストを組み合わせできるAVローボードです。前板が天地板と両側板をキレイに隠しており、とてもスマートな印象を与えます。
こちらもウォールナットまたはホワイトオークの突板を使用。カジュアルなデザインなのに下品さを微塵も感じさせません。
bellacontte・ダイニングテーブル「bridge table」
最後にベラコンテのダイニングテーブル「bridge table」。天板にはパモウナ独自の素材「DHラミネート」が使われており、脚の天然木がアクセントになっています。
これもカジュアルっぽいのにカジュアルすぎず、メンテナンスが楽など合理的でもあって良いデザインだと思います。
以上、ごく一部ですがパモウナの新ブランド「カデンツァ」と「ベラコンテ」の家具を紹介しました。
それぞれのブランドをどのように使い分けているのか明確な記述は見つけられなかったのですが、おそらくカデンツァは旧・佐々木木工が末期にBIOSブランドで展開していた商品を中心に展開し、ベラコンテは佐々木木工とパモウナの技術を融合した商品が中心なのかなと思います。もしくは、単にデザイナーの棲み分けによるものかもしれませんが。
ともあれ、カデンツァもベラコンテも天然木の風合いをうまく活かしたハイセンスな家具ばかりです。それでいて、価格は庶民でも手が届くか届かないかという微妙なところ。これはちょっと期待できるんじゃないでしょうか。
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