前回、「棚下にハンガーパイプを付けるセット」を紹介したところですが、そのメーカーである和気産業にお邪魔してきました。和気産業の本社は東大阪市にあり、先日紹介した「ウンコちゃんの家具屋さん」と近畿大学の中間くらいの場所です。
年明け早々にこちらで和気産業発行のマニアックなDIYフリーペーパー「いいものマガジン」を紹介せていただいたところ、鈴木編集長直々にメールをくださったのをきっかけに、半ば強引にアポを取って伺ったのです。
いつもの私なら、馴染み深い収納グッズについて具体的に聞きたいことがあって初めて、取材の申し入れをさせていただくのですが、今回はさにあらず。いいものマガジンをきっかけに急激に和気産業に親近感を抱いてしまい、「この会社、マジで面白すぎでしょ!」という感じでビビビッと来てしまい、何だか自分でもワケが分からないままに、まずはご挨拶だけでもと相成ったのでございます。
※この記事は2017年1月20日時点の情報に基づいています
もう、和気産業ナシでは生きていけない!?
マニアックなDIYフリーペーパー「いいものマガジン」を発行している和気産業ですが、和気産業を知っている人というのもなかなかマニアックだと思います。よほどホームセンターに足しげく通っている人でない限り、和気産業のことを知っている人は少ないのではないかと思います。
正直言って私も、少し前までは和気産業について詳しく知りませんでした。Jフックや金物を扱っている会社、というくらいの認識でした。しかし、調べてみてビックリ。もはや和気産業なくして私は生きることができないのではないかと思うくらい、和気産業の取扱商品が私の生活の中に入り込んでいたのです!
たとえば、先日来、私の父が車椅子の生活になったため、実家の段差を解消する必要が生じたんですけど、そのときに使ったのが和気産業で扱っている「つまさきやわらかガード・痛クナイゾ」。私が枕元の壁に取り付けて目覚まし時計などを置いている「モダンラックL」も和気産業で扱っています。食器棚をカウンターテーブルに改造したときに使った「タッチポン」も和気産業の取扱商品、という具合です。
いま、テレビCMで「もし、日本電産がなかったら」というのがオンエアされてますけど、私にとってはむしろ「もし、和気産業がなかったら」と考えるほうがゾッとしますね(笑)それほど私の生活に密着しているのです。
日本のDIYの歴史を作った!和気産業
和気産業の前身である和気商店は1922年(大正11年)に家庭金物問屋として創業。そして、1967年(昭和42年)に当時の専務がモントリオール万国博覧会を視察に訪れ、日曜大工コーナーを催したイギリス館の盛況ぶりに驚き、「これからは日本でも”Do it yourself”の時代がやってくるに違いない!」と確信したところから、DIY用品の専門商社としての道を歩み続けてきたそうです。
”DIY”は今となっては割りと普通のことのように思えますけど、少なくとも昭和60年代頃までは全然普通のことではなかったと思います。今でこそ、ホームセンターと言えば日用品とDIYの大型店ですけど、私の子供の頃は「ホームセンター=バッタ屋」でしたから(笑)ホームセンターの日曜大工売場と言えば工具が中心で、木材は材木屋に買いに行くのが当たり前の時代でした。
それを和気産業は、今日のDIYを20~30年も先取りしていたというわけです。いや、和気産業があったからこそ、今日の日本のDIY文化があると言っても過言ではないのかもしれません。
ちなみに、今では100円ショップでもお馴染みのワイヤーネットですが、元々は和気産業のヒット商品だったそうです(もちろん現在も主力商品のひとつ)。
和気産業の本社に足を踏み入れた私は、まずその規模に驚きました。正直言って、「モノづくりのまち・東大阪にある問屋」くらいに思ってたんですけど、想像していたよりもずっとデカかったです(苦笑)あとで確認したら、従業員数は160名あまり、年商は160億円以上ですもんねー。そりゃ、デカいわけですわ。
社内にはショールームが併設されており、その取扱商品の多さに驚かされたのですが、それよりも驚いたのが手作りのモデルルームがあることです(上写真)。ここは和気産業が扱う商品の実験場のようになっており、ありとあらゆるものが社員の方によるDIYで作られています。
DIYと言っても、手を抜こうと思えばいくらでも手を抜けるわけじゃないですか。ちょっとくらい取り付けがズレても気にしなかったり、塗装しなかったり。でも、このモデルルームやショールームの中にある造作物はどれも、手が込んでいて、色々な工夫が施されているのです。
これは、上から言われるんじゃなくて社員が心の底からDIYを楽しんでいないとできません。アウトドア用品メーカーのスノーピークの社員がキャンプ場のテントから出勤してくるという話は有名ですけど、和気産業もそれと似た社風があると感じました。
ショールームやモデルルームだけでなく、「いいものマガジン」にも、abemaTVでの「WAKIテレビ」にも、そういう和気産業の遊び心が反映されていると思います。
「いいものマガジン」の鈴木編集長には3時間近くもショールームなどを拝見させていただきながらお話をうかがったんですけど、面白すぎて本当にあっという間に時間が過ぎてしまいました。私は今までに収納グッズメーカーを何社か訪問してきましたが、今回ほどマニアックな話で盛り上がったり、感嘆の声を上げたことはないです。和気産業、マジで面白すぎます!
ただ残念なことに、あまりに話が面白すぎて、私の文章力では十分お伝えすることができません。「いいものマガジン」や「WAKIテレビ」をご覧いただいたほうが伝わりやすいかと思いますが、それでもほんの一部しか伝わらないでしょう。
和気産業は恐ろしく懐が深く、面白い会社です。そして、すごく温かい会社でもあります。
もっとも、鈴木編集長は「会社が広すぎて寒い」とボヤいておられましたけど(笑)、楽しそうに動き回っている社員の方々を見ていると、これくらいがちょうど良いのかもしれないと思いました。本当に風通しが良く、社員の熱気が伝わる会社です。
ともあれ和気産業、こんなに面白い会社が扱う商品が面白くないわけがありません。これからも和気産業の商品には注目していきたいと思います!
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