新居に設えるシーリングライトの多くはいま自宅で使っているものを使います。しかしながら、それだけでは足りないので、とりあえずオーデリックのLEDシーリングライトを3台購入しました。
いずれも8畳用ですがそれぞれ特徴が違います。多くのラインナップがあるオーデリックのLEDシーリングライトの中のたった3台ですが、今回はこれらを比較してみましょう。
※この記事は2020年3月19日時点の情報に基づいています(2023年7月13日一部更新)
オーデリック・OL291362BC
まずは冒頭の写真で一番手前の小さな箱。「FLAT PLATE(フラットプレート)」シリーズの「OL291362BC」です。いま自宅で10畳用(OL291412BC)をダイニングに設置しており、とても気に入ったので、新居の事務所スペースにもサイズ違いで取り付けることにしました。
とてもシンプルなデザインで、厚みはたった45mmの超薄型。一般的なLEDシーリングライトは天井面にLEDを配置していますが、フラットプレートは器具の側面にLEDを配置し、導光板を使うことで面発光を実現しています。そのため、シーリングライトと言うよりはまるで天窓のようなのです。
取り付け方もちょっと特殊
フラットプレートは一般的なLEDシーリングライトとは異なる構造なので、取り付け方もちょっと特殊です。まず、天井のローゼットが耳付きでない場合は付属の取付金具をローゼットのところにネジで固定します。今回はフラットプレートを取り付けることを事前に決めていたので、耳付き薄型ローゼットを施工してもらいました。
そこに円盤型のベースを取り付け、本体をクルッと回してカチッと固定するかたちとなります。10畳用のベースは十文字型でしたが8畳用は円盤型なのですね。
リモコンは別売
ほかの2台はリモコンが付属していますが、フラットプレートは別売です。今回はダイニングと同じ「RC919」をセットしました。
赤外線で信号を送る一般的なリモコンと異なり、こちらはブルートゥースで通信します。そのため、初期設定(ペアリング)が必要です。
オーデリック・SH8244LDR
2番目に箱が大きかった「SH8244LDR」は割りとオーソドックスなLEDシーリングライトです。ただし、一般的にはお皿のような形のカバーが多いところ、こちらは下面のほうが広いデザインとなっています。マフィンをひっくり返したような感じと言えば良いでしょうか。
生産終了品につき、通常価格の半値くらいで買えました。先ほど確認したら、さらに安くなってましたけどね(苦笑)
本体はオーソドックスな感じ
本体はオーソドックスなものです。ただ、以前に購入したオーデリックのLEDシーリングライトはLEDがオレンジや黄色でしたが、それに比べるとこちらはいずれも白い感じです。LEDを複数レイアウトしたうえにドーナツ型の透明のカバーで覆っている点は変わりません。
リモコンが格好良い
私がオーデリックのLEDシーリングライトを好むのは、リモコンが格好良いからです。個人的には主要メーカーの中でもっとも格好良いリモコンだと思います。
次に紹介するSH8205LDRも同じリモコンが付属しています。
オーデリック・SH8205LDR
もっとも箱が大きかったのは「SH8205LDR」。こちらも生産終了品のようで、通常価格の半値以下で買えました(笑)
白く塗装されたリングで装飾
SH8205LDRは少し装飾性があって、白く塗った木製のリングがカバーの周囲に付けられています。このリングのすき間から少し光が漏れるようになっているのですね。
照明器具本体の見た目はほぼ同じ
SH8205LDRの器具本体やリモコンは前述のSH8244LDRと見た目が同じです。確かにリモコンは同じなのですが、照明器具本体のスペックは異なります。これからそのあたりを説明してみましょう。
3モデルの光束と照度を比較
前回、LEDシーリングライトの明るさは光束(ルーメン)の値を見ればそれを設置する適切な部屋の広さが分かると説明しました。同時に、光束だけでは判断できないところもあるという話もしましたね。
実際にどれくらいの明るさが感じられるかを確認するためには上写真のような照度計を使います。簡易なものだと正確な値は出ませんが、それなりの数値は得られます。
今回はカタログに記載されているそれぞれの光束と、私がチェックした照度(lx=ルクス)を一覧にしてみました。なお、照度は照明器具からの距離によって変わるので、シーリングライトの直下で床から1000mmの地点の数字を拾っています。また、照度は温白色(昼白色)がもっとも明るいので、その値を用いています。
光束と直下照度は概ね比例する
品番 | 光束(lm) | 照度(lx) |
---|---|---|
OL291362BC | 4180 | 約780 |
SH8244LDR | 4299 | 約1070 |
SH8205LDR | 3700 | 約600 |
SH8244LDRとSH8205LDRは器具本体は同じように見えるものの、SH8244LDRのほうが高出力となっています。そのため、照度もSH8244LDRのほうが明るいです。
また、上表を見る限り、光束と照度は概ね比例すると言えます。しかしながら、OL291362BCとSH8205LDRは光束が3%ほどしか変わらないのに、照度は40%近くも違います。光束が同じくらいだからと言って同じ明るさが得られるとは限らないし、ましてや「〇畳用」という目安だけでは判断できないということですね。
部屋の端で照度を測ってみると…
品番 | 光束(lm) | 照度(lx) |
---|---|---|
OL291362BC | 4180 | 約170 |
SH8244LDR | 4299 | 約240 |
SH8205LDR | 3700 | 約110 |
LEDシーリングライトの直下ではなく8畳間の端に移動して照度を測るとどうなるでしょうか。上表はシーリングライト直下から約2,300mmほど離れた部屋の端で照度を測った結果です。
結果は概ね直下照度の比較と同じように見えます。しかしながら、SH8205LDRは部屋の端に行くほどSH8244LDRよりも照度が低くなっていることが分かります。これはおそらくSH8205LDRの縁にある装飾によってあかりが遮られているためでしょう。
一方で、OL291362BCはSH8244LDRと比較して部屋の端に行くほど照度が落ちている様子はありません。これはおそらくOL291362BCが薄型のため、水平方向に光が広がりやすいからと考えられます。これは面発光の持つ大きなメリットです。
以上の通り、LEDシーリングライトは光束を見れば相対的に明るさを比較できると言える一方で、あくまで目安にしかならないと言える部分もあります。
ただし、面発光を実現しているフラットプレートや、装飾性のあるSH8205LDRなど、デザイン性の高いものほど明るさを重視していないとも言えるので、明るさを重視するならオーソドックスなデザインのものを選んだほうがコスパが高いと思います。
ちなみに、家電量販店の店頭に照度計を持って行って照度を確認しようとしても無意味です。一般的に家電量販店の照明は非常に明るくて軽く1万ルクスを超えます。そのため、シーリングライトの照度を大幅に超えてしまい、測定不能になってしまうのです。
なので、LEDシーリングライトは表示されている光束を目安に選ぶとともに、明るさを重視する場合はデザインは二の次で考えるのが良いでしょう。逆にデザイン性が求められる部屋に設置する場合は、6畳間に8畳用を設置するなど、少し大きめのものを選ぶのが良いと思います。
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