先日、新居に取り付けるLEDシーリングライトをたくさん買いました。中でも人感センサー付きの小型シーリングライトを複数購入したので、その比較記事を書くことにしました。
しかしながら、ある程度の予備知識がないとご理解いただくことが難しく、逆にそこを簡単に説明しようとしても、ちょっとした論文と言えるほどのボリュームになることが判明。別に記事を作成することにしました。
というわけで今回は、LEDシーリングライトをはじめとする照明器具全般の選び方をご紹介したいと思います。なお、今回はインテリア性よりもスペックを中心に説明します。
※この記事は2020年3月17日時点の情報に基づいています(2023年9月18日一部更新)
ルーメン(光束)で適用畳数をチェック
一般的にシーリングライト(天井照明)はその明るさを測る際にルーメン(lm)という単位を用います。ルーメンとは照明器具から発せられる光の束(光束)のことで、基本的にはその値が大きければ大きいほど明るいと言えます。
上表はLEDシーリングライトの適用畳数の表示基準を示したものです。LEDシーリングライトを選ぶ際に「〇畳用」という表示を見ることがありますが、それは上表を参考に表示されています。
ちなみに、6畳用で2,700~3,699ルーメンとなっています。自動車のヘッドライトが片方でだいたい1,000~2,000ルーメン、自転車用は1,000ルーメン以下でも結構明るいほうですから、6畳用の3,000ルーメン前後というのがかなり明るいということがお分かりいただけるのではないかと思います。
ルーメンだけでは明るさが判断できない
では、ルーメンさえチェックすれば最適なLEDシーリングライトを選ぶことができるのかというとそうではありません。ルーメンは全方向に広がった光を全部束ねた場合の値なので、光を拡散する場合は暗く感じることがあります。
上図はそれを極端に示したものです。全光束を真下に向けるとシーリングライト直下は明るく感じますが、それ以外の周囲は相対的に暗く感じられます。一方で、光を拡散させると部屋全体を明るくすることができるものの、直下は期待したほど明るく感じられないということが起こるのです。
こういった違いは、ひとつの方法として照明器具のデザインで判断できます。天井も照らせるようなデザインの場合は光が拡散するので、6畳の部屋でも8畳用を買ったほうが良いかもしれません。
逆に、テーブルやデスクを照らす目的で設置する場合は、光を拡散しないデザインのものを選び、周辺を照らすには間接照明を併用するのが良いでしょう。
ただし、光を拡散させる照明器具かどうかはLED素子の配置や反射板、拡散レンズの有無などによっても変わるので、デザインだけでは判断できないところがあります。
ちなみに、シーリングライトとペンダントライトはルーメンで単純比較できません。ペンダントライトのほうが人体に近くなるので、シーリングライトの適用畳数を目安にルーメンの値を見て購入すると、一般的には明るすぎます。ペンダントライトを購入する場合はこちらの表を参照してください。
加齢とともに光の感じ方が変化する
照明器具を選ぶ際に厄介なことのひとつは、老若男女誰でも同じように光を感じるわけではないということです。一般的に加齢とともに眩しさを感じやすくなるとともに、若い人よりも暗く感じる傾向があります。
そのため、目の衰えを感じるようになったら、6畳間でも8畳用を選ぶなどするのが無難です。LEDシーリングライトなら調光機能が付いていることが一般的なので、明るすぎると感じれば光量を落とせば良いだけです。ただし、大きな照明器具を選ぶほど価格もアップします。
調色機能付きの照明器具がオススメ
LEDシーリングライトを選ぶうえでは光の量も重要ですが、光の色もとても重要です。以前に比べて光の色を選ぶことができる調色機能付きの照明器具の価格は手頃になっているので、できるだけ調色機能付きのものを選ぶようにしましょう。
光の色は大きく分けて以下の3つに分類されます。
分類 | 色温度 | 特徴 |
---|---|---|
電球色 | 2700K | リラックスできるあかり |
温白色(昼白色) | 3500K | 読書などに最適なあかり |
昼光色 | 5000K | 爽やかな真昼のあかり |
電球色はその名の通り電球のような黄色味が強いあかりで、色温度はだいたい3000K(ケルビン)よりも低い値です。リラックスするのには最適であるものの、色の再現性が低く、文字が読みにくいといったデメリットもあります。
温白色(おんぱくしょく)は昼白色とも呼ばれ、文字がくっきりと見えやすいため読書などに最適です。色温度は概ね3000~5000Kとなります。
一般的に色温度が5000Kを超える昼光色は爽やかな真昼のようなあかりです。覚醒作用が強いので計算や仕事には適しているものの、就寝前には使用を控えるようにしましょう。
このように調色機能付きのLEDシーリングライトなら、目的に応じて簡単にあかり環境を切り替えることができます。あかりが自律神経に与える影響はとても大きいので、意識して色温度を調節するようにしましょう。
天井照明だけに頼る必要はない
LEDシーリングライトは明るさを調節できる調光機能が付いていることが一般的で、色温度を調節できる調色機能もかなり普及してきています。そのため、最適なあかり環境を容易に選ぶことができます。
しかしながら、天井という場所にある以上、太陽のように頭の上から燦燦と光が降り注ぐことに変わりありません。この状態では心身を十分にリラックスさせることができない可能性があります。特にリラックスするときのあかりは天井から照らすよりも、目線よりも低い位置からのほうが効果的です。
LEDシーリングライトがハイスペックになったためにそれひとつで済ませようとしがちですが、フロアライトやスタンドライトも併用することを念頭に置いたほうが良いでしょう。
以上の通り、最適なLEDシーリングライトの選び方を紹介しました。amazonなどでシーリングライトのレビューを見ると「思ったよりも暗かった」という感想が散見されるのですが、広さに応じた光束は確保できているはずです。おそらくは直下に光が向いていて天井が相対的に暗く見えるか、逆に光を拡散させたせいで直下に必要な光量が得られなかったのだと思います。
もしくは、年配の方がレビューした可能性も考えられます。光の感じ方は加齢に応じて変わるので、レビュー主の年齢が分からない状態ではむやみに信用しないほうが良いと思います。
あと、調色機能はもはや必須と言える機能です。特になかなか寝付けない人は照明器具やその使い方をもっと工夫する余地があります。お子さんがいる家庭も、調色機能は積極的に使い分けるようにしましょう。
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