ニトリの「組合せ可能な収納ケースNS」は昨年秋に発売されて以来、常に売上上位となるほど好調なセールスを記録しています。奥行約45cm、サイズ違いを積み重ね可能という基本コンセプトはそれまでの「組み合わせて使える収納ケース」と同じであるものの、NSのほうが直線的なデザインであることや、専用のインナートレーを組み合わせて使うことができるという点などが支持されていると考えられます。
「Nインボックス」などのヒットに続き、製造元であるSANKA(サンカ)も鼻が高いことでしょう。私がサンカの社長だったら、「ニトリと取引していたら我が社は安泰」と言って胡坐をかいているだろうと思います。
しかし、サンカはそんなことで天狗になったりはしないようです。ヒット商品が出たら、その次を狙いに来ました。
※この記事は2024年12月2日時点の情報に基づいています
サンカ・コンビネーションケース
サンカの新商品「コンビネーションケース」は、ニトリの組合せ可能な収納ケースNS同様に奥行約45cmでサイズ違いを積み重ね可能なポリプロピレン製の引出しです。
パッと見た感じ、両者はとてもよく似ているように見えますが、どこがどう違うのでしょうか。詳しく見て参りたいと思います。
サイバリはニトリNSと同じ
サンカのコンビネーションケースのサイズバリエーションは上写真の通り。幅は29cm、39cm、52cmの3サイズ、高さは18cm、24cm、30cmの3サイズ、合計9サイズ展開です。
つまり、サイズバリエーションはニトリのNSとまったく同じ。ついでに言うと、引出し内寸もほぼ同じとなっています。
専用インナートレーも
サンカのコンビネーションケースには専用のインナートレーが用意されています。引出し内箱の縁に引っ掛けて、ハンカチや下着などを収納しやすくするアイテムです。
これもニトリのNSに用意されているものとまったく同じに見えます。ついでに言うと、専用キャスターも同じです。
上下左右に引き手がある!
では、サンカのコンビネーションケースはニトリのNSとどこが違うのでしょうか。違いは主に2つあります。
まずひとつは、引出しを引くときに手を掛けられるところが前板の上下だけでなく、左右にもあるということです。最初にコンビネーションケースを見たときに前板の左右に妙な縦線があると思いましたが、これは引き手だったのですね。
引出しの開け閉めというのは意外と億劫なもの。低い位置の引出しなら上から手を差し出しますし、逆に高い位置なら下から引出しを引いたほうが楽です。また、引出しの左または右からアプローチする際は、引出しの正面まで行くよりもその手前から引き出せたほうが便利です。
理屈は確かにそうですが、実際に採用したのはこの商品が初めてなんじゃないでしょうか。
コンビネーションケースは2色展開
ニトリのNSとのもうひとつの違いは、2色展開となっていることです。引出前板がクリアのほかにホワイトが用意されているのです。
引出しの中身が見えるのがイヤという方にはサンカのコンビネーションケースのほうがオススメと言えるでしょう。
価格の比較
販売元 | ニトリ | サンカ |
---|---|---|
商品名 | 組合せ可能な収納ケースNS | コンビネーションケース |
幅26×高さ18cm | 1,190円 | 1,500円 |
幅26×高さ24cm | 1,690円 | 1,800円 |
幅26×高さ30cm | 2,090円 | 2,000円 |
幅39×高さ18cm | 1,890円 | 2,000円 |
幅39×高さ24cm | 2,390円 | 2,500円 |
幅39×高さ30cm | 2,690円 | 2,800円 |
幅52×高さ18cm | 2,590円 | 2,800円 |
幅52×高さ24cm | 3,090円 | 3,000円 |
幅52×高さ30cm | 3,390円 | 3,300円 |
トレー幅26cm用 | 379円 | 500円 |
トレー幅39cm用 | 479円 | 550円 |
トレー幅52cm用 | 579円 | 600円 |
キャスター | 399円 | 660円 |
※いずれも税込価格、コンビネーションケースの価格は【サンカ公式】すてき快適ハウスの場合
価格についてはどうでしょうか。現在、ニトリは57周年記念創業祭を開催中のため、引出し本体が100円引き、インナートレーは20円引きとなっているため、概ねニトリのほうが安いです。それを抜きにするとやや微妙なところがあるものの、決してニトリのほうが割高ということはないでしょう。
一方で、ニトリのほうが安いと言える状態でもないので、左右にも引き手が付いていたほうが良い場合や、ホワイト色を希望する場合は、サンカのコンビネーションケースを選ぶと良いでしょう。また、楽天市場で購入する場合は、3,980円以上で送料無料になるサンカのほうがお得だと思います。
特許取得済みのスムーズな開閉
余談ですが、サンカのコンビネーションケースの商品ページには”開閉スムーズ!特許取得済みの引き出し機構”との記載があります。ニトリのNSと同じ仕様と思われますが、ニトリのほうには記載がないので、念のため関連する特許を調べてみました。
この特許とは「特開2014-128541」のことと思われます。ごく簡単に説明すると、上図4bと5bの突起部により摩擦が軽減されて引出しがスムーズに開けられるとともに、閉じる際は5aの傾斜によって自動的にスルッと引出しが奥に移動するというものです。また、4aおよび4b、5bおよび3それぞれの形状が、引出しを閉めたときにキチンと閉まったという安心感を与えてくれます。
この特許は2013年に出願されたもので、サンカの他のポリプロピレン製チェストでも採用されている構造です。
ちなみに、サンカのコンビネーションケースおよびニトリのNSで採用されている、サイズ違いのケースを積み重ね可能とする仕組みは「特開2023-034811」によって特許が取得されています。
奥行35cmならモジュールケース
今回ご紹介したサンカのコンビネーションケースは奥行約45cmです。洗面脱衣所やリビングダイニング、デスク周りなどで使いたい場合には、もっと奥行が浅いほうが良いということもあるでしょう。そんなときは奥行35cmの「squ+(スキュウプラス)モジュールケース」がオススメです。
こちらは幅が19cmと38cmの2サイズ、高さが13cm、19cm、25cmの3サイズ、合計6サイズ展開です。カラーはクリア、ホワイト、ブラックの3色展開となっています。ニトリでは「マルチ収納 (オールホワイト) 」としてホワイト色のみ販売しています。
無印良品や吉川国工業所(ライクイット)、サンコープラスチックなどにもありそうに見えて、サイズバリエーションなどがちょっと違うんですよね。モジュールケースもコンビネーションケースと同様に、特許取得済みのスムーズな開閉の引出しです。
というわけで、サンカの新商品「コンビネーションケース」はニトリの「組合せ可能な収納ケースNS」と価格はさほど変わらないものの、上下だけでなく左右からも引き出しやすい前板の構造と、ホワイトを含めた2色展開が魅力となっています。
もっとも、「その程度の違いなら近所のニトリで買うほうが良いかも?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。特に、中身が見やすいほうが良いとか、左右の引き手が見た目にウルサイと感じる方はそうでしょう。
無印良品、ライクイット、サンコープラスチック、リス、JEJアステージ、伸和、天馬、アイリスオーヤマ、カインズなど、他メーカーにも目を向けてみれば、より最適なサイズバリエーションや仕様のものもあるかもしれません。選択肢のひとつ程度に考えてもらえば良いのではないでしょうか。
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