このたび、不動産・住宅サイトの「SUUMO(スーモ)」が、一戸建てに住んだ経験のある人を対象に一戸建ての不満点を調査しました。それによると、「庭の手入れが大変」、「お風呂が寒い」に続いて、「収納が少ない」が不満点の3位に上がったそうです。
※この記事は2018年3月23日時点の情報に基づいています
住んでみて分かった一戸建ての不満点は?
確かに一戸建ては庭の手入れが大変ですよねー。私も子供の頃から庭や外構の掃除を手伝っていましたし、今も芝刈りや植木の手入れを手伝っています。年に2回ほど庭師を呼べば数十万円が飛んでいくのですから、とてもじゃないですけど私は実家に住めそうにありません(苦笑)
お風呂が寒いっていうのも確かにその通りです。浴室乾燥機を入れても、やっぱり寒いものは寒いです。もっとも、最近の高気密の住宅ならちょっとはマシだと思いますが。
それはさておき、収納が少ないという不満が第3位に上がっているという点。これはちょっと意外でした。しかしながら、調査対象者が必ずしも現在一戸建てに住んでいる人ではなく、また新築した人でもないことから、割りと古い間取りの一戸建てに住んでいた人が多かったのではないかと考えられます。
「収納率」はアテにならない
一方で、最近の間取りの一戸建てなら収納面で不満を抱える心配がないかというと、必ずしもそうではありません。私の経験上、ちゃんとした収納が備えられている一戸建てというのは、大目に見ても半分もないのです。
一般的に、最近は家を設計するときに「収納率」というものを計算します。
マンションでは収納率8%~10%が、また一戸建て住宅では収納率13%程度が標準
引用:スーモ
私は以前から造り付けの収納スペースの目安は床面積の10%前後と申してきましたが、まさしくそれに合致する数字です。これらの値を満たしていれば一般的に「収納が多い」と言えるわけですが、それを満たしているからと言って片づけやすいとは言えません。
収納は適材適所でなければ意味がない
たとえば上の間取りの場合、収納率は概ね13%をクリアしていると思われます。しかし、その位置を具体的にチェックしてみると、1階は下駄箱のほかに半畳の階段下収納のみ。残りはすべて2階の個室に集中しています。
しかし、実際に生活するうえで収納が足りないと実感しやすいのは、むしろLDK中心のはずです。2階に行けば収納はあるけど、面倒臭いからついついLDKに置いてしまうわけです。結果、LDKが散らかりやすくなってしまいます。
収納は人が集まる場所に、使うモノに合わせた最適な構造と寸法のものを備える必要があるのです。つまりは、収納は適材適所でなければ意味がないということですね。
同時に、収納は必ずしも造り付けでなければならないわけではないということにも注意が必要です。収納家具を置けば事足りることも多々あります。造り付けにしてしまうとコストが掛かるし、簡単には移動もできませんから、デメリットも多いのです。
ですから、「収納率」を考えるよりも、家具の配置のしやすさを考えるほうが大切です。もっと言えば、いま身の周りにあるモノをどのように収納すれば良いかを具体的にイメージして、収納をレイアウトするべきでしょう。
収納が多い少ないということに惑わされないようにしないといけませんね。
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