近年、シューズクローク(シューズクローゼット)を採用する家がマンションでも一戸建てでも増えてきました。私はこの傾向は非常に良いと思うのですが、今回はその理由も含めてシューズクロークのメリットとデメリットについてまとめてみたいと思います。
※この記事は2015年3月29日時点の情報に基づいています(2023年8月3日一部更新)
シューズクロークは冷遇されてきた「土間」の復権
シューズクロークには床(フローリング)の上にあるものと三和土(たたき=土間)にあるものの2種類がありますが、私が理想的だと思うのは基本的に後者のタイプです。
日本において住宅は竪穴式住居に始まり、家の中はもともとすべて土間でした。それが時代が進むにつれて床の占める面積が増え、炊事場、トイレ、風呂までもが床の上のものとなりました。その結果、家の中に残った土間は玄関だけとなったのです。現代の住宅において玄関は残されたほぼ唯一の土間なのですね。
いわゆる水周りのものが床に上がることで清潔で便利になったのは良いことですが、残りものである玄関に土の付いたモノが集中して片づかなくなるという問題が生じてしまっているのが現状と言えます。土の付いたモノとは、靴や傘のほか、ベビーカー、外遊びのオモチャ、スポーツ用品、レジャー用品、自転車用品、園芸用品、大工道具、いただきものの野菜などです。ほか、灯油缶、ゴミ、濡れたレインコートなども床の上には置きたくないものなので、土間に置きたいところでしょう。
そういった置き場所に困るモノを置く場所としてシューズクロークが普及しつつあることは望ましいことだと思います。
シューズクロークのメリット
- 土の付いたモノを置く場所を確保できる
- 玄関をスッキリと見た目良くできる
前述の通り、土間である玄関に置きたいモノはこれでもかというほどにたくさんあります。シューズクロークを設ければ、それらの置き場所を十分確保することが可能です。一戸建ての場合は屋外物置があれば対処可能と言える部分もありますが、シューズクロークのほうが利便性が高く、セキュリティー面でも保管状況の面でも屋外物置より優れていると言うことができます。
また、一般的に玄関に置いている靴や傘なども含めてすべてのモノをシューズクロークに置くようにすれば、玄関は飾り物をする程度で何も置くことなくスッキリとした空間にすることが可能です。
シューズクロークのデメリット
- 十分なスペースが必要
- レイアウトが難しい
一般的に狭いと言われる日本の住宅において、玄関にシューズクロークを設けるスペースを確保することは非常に難しいと言えます。また、何をどれくらい置きたいかが明確になっていないと必要なスペースや棚などの構造が把握しにくいと言うこともできます。
そういう事情もあってか、現状では衣類などを収めるウォークインクローゼットと同様に、使いにくい”なんちゃってウォークインクローゼット=ステップインクローゼット”的なものが多い印象があります。

おおむね、シューズクロークのメリットとデメリットは以上の通りだと思います。理想を言えばシューズクロークは欲しい。けれども現実的にはなかなか難しいというところです。次回はシューズクロークの間取りについてもう少し詳しく見ていきたいと思います。
続編

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