本棚を購入する際に材質を気にすることはあるでしょうか?
本棚はフラッシュ合板(中空合板)にプリント紙を貼ったものが主流です。昔ながらの3段カラーボックス同様と言えば安っぽく聞こえるかもしれませんが、耐久性に問題はなく、比較的安く作ることができるというメリットがあります。
より耐久性の高いものにはベタ芯と呼ばれる、パーティクルボードやMDF、LVLを使った中空構造ではない合板や、スチール製の棒を仕込んだハイブリッド構造のものもあります。スチール棚板ももちろん丈夫です。
見た目や耐摩耗性を向上させるために、エンボスシート(表面に凸凹加工を施したプリント紙)、強化プリント紙、ポリエステル樹脂シート(いわゆるポリ合板)、突板(木材を薄くスライスしたもの)を貼った本棚もあります。また、パイン材など比較的安価な集成材を使ったものもあります。
一方で、メラミン化粧シートを貼った本棚というのは少ないです。メラミンはキズや汚れだけでなく熱にも強い一方、コストが上がり、本棚に使うにはオーバースペックだからです。価格が高くなるため、少なくとも家庭用ではほとんど使われることがありません。
にもかかわらず、ドウシシャからメラミン化粧シート貼りの本棚が発売されました!今回はその新商品をご紹介したいと思います。
※この記事は2025年3月24日時点の情報に基づいています
ドウシシャ・薄型大容量ブックシェルフ
こちらが今回ご紹介するドウシシャの新商品、「薄型大容量ブックシェルフ」です。
その名の通り薄型で、奥行は13cm。普通に床に置いただけでは不安定ですから、壁に固定する仕様となっています。
ベルメゾンとは違う
私はドウシシャの薄型大容量ブックシェルフを見たとき、ある商品と同じものだと思いました。ベルメゾンの「突っ張らずに取り付けられる薄型ラック・本棚」(上写真)です。こちらも同様に壁に固定して使う構造になっています。
しかし、スペックを比較してみると高さがちょっと違います。しかも、ベルメゾンはパイン材にラッカー塗装を施したものなのに対し、ドウシシャはメラミンシートを貼ったMDFというではありませんか。冒頭でも述べた通り、メラミンシートを使った本棚というのはとても珍しいので驚いた次第です。
価格が安い
品番 | サイズ(cm) | 棚板枚数 | 耐荷重 | 税込価格 |
---|---|---|---|---|
TEH30 | W30×D13×H190 | 9段 (固定棚×4 ・可動棚×5) |
全体:90kg 棚板:10kg/枚 |
9,800円 |
TEH50 | W50×D13×H190 | 10,800円 |
※価格はルミナスクラブショップの場合
ドウシシャの薄型大容量ブックシェルフはメラミンシートを貼っているにもかかわらず、価格が安いことにも驚きました。幅30cmタイプで税込9,800円、幅50cmタイプは同10,800円と格安です。ベルメゾンが幅30cmタイプで税込15,900円、幅50cmタイプが同21,800円ですから、最大で半額程度と言えます。
なお、ベルメゾンも棚板は9枚ですが、全段固定です。また、耐荷重は全体で48kg、棚板1枚あたりは6kgとなっています。もっとも、耐荷重の基準は各社で異なるため、単純に比較できないところはあります。
質感が良い
ドウシシャの薄型大容量ブックシェルフはホワイトとブラウンの2色展開です。メラミンシートを貼ることでキズや汚れや熱に強いだけでなく、見た目も良い感じです。シートの質感が良いことに加え、棚板に厚みを持たせることでボリューム感を出しています。
石膏ボード壁もOK
ベルメゾンと同様、こちらも木ネジまたは石膏ボード壁用のピンで壁に固定できるようになっています。これなら賃貸住宅でも設置可能です。
ただし、ベルメゾンが専用の樹脂パーツを用いて石膏ボード壁に固定するのに対し、ドウシシャは市販のフックでよく使われる3本ピン仕様です(上写真)。平常時の転倒防止には役立つと思いますが、地震対策としては不十分かもしれません。ベルメゾンの2ヶ所留めよりも多い4ヶ所留めだから大丈夫という判断でしょうか。
以上の通り、ドウシシャの薄型大容量ブックシェルフは石膏ボード壁に固定する方法にちょっと不安があるものの、丈夫で見た目も良いメラミンシート張りで低価格なのは非常に魅力的だと思います。ボリューム感もあって安っぽく見えないのもナイスです。コミックや単行本、文庫本をたくさんお持ちの方にはまたひとつ素敵な選択肢が増えたと思います。
奥行30cm以上のラインナップが増えれば、よりメラミンのメリットを活かしやすいのではないでしょうか。プラスチック製の収納ボックスを出し入れする際に棚板を傷める心配がないですからね。そんなわけで、ヒット商品に育つことを期待しています。
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