かなり前の話になりますが、以前にキングジムの「スキットマン・冷蔵庫ピタッとファイル」という、冷蔵庫にマグネットで貼れるファイルを購入しました。既に廃番となったもう1タイプと合わせて2種類を買ったものの、使い勝手があまりにも悪くて長らく放置していました。
当時は冷蔵庫の前面がスチールでしたが今はミラーなので、マグネットで冷蔵庫の前面にスキットマンを貼ることはできません。また、いわゆるフレンチドア(観音開き)のため、A4サイズのファイルを貼るのはスペース的に難しいです。我が家だけでなく、最近は同様の事情のお宅も多いことでしょう。
そういう時代の変化に対応した冷蔵庫ピタッとファイル後継と見られる商品が発売されたので、試してみることにしました。
※この記事は2021年2月26日時点の情報に基づいています
キングジム・ハルファイル
キングジムの「ハルファイル」は同社が今月から販売を開始したばかりの「SPOT(スポット)」シリーズ3種のひとつです。ついつい冷蔵庫に雑然と貼り付けてしまいがちなプリントなどをクリアファイルにまとめて貼り付けられるというコンセプトは従来の「スキットマン・冷蔵庫ピタッとファイル」と同じと言えるかと思います。
逆に大きな違いと言えるのは、スキットマンがマグネットで冷蔵庫で貼り付けるようになっているのに対し、ハルファイルは基本的に吸盤でくっつけるということ。そのため、我が家のように冷蔵庫の前面がミラーでも貼り付けることができるわけです。
ラインナップは全5アイテム
上写真 | タイプ | サイズ | 税込定価※ |
---|---|---|---|
左上 | スタンダード | A4変形 | 1,540円 |
左下 | スリム | A4変形1/2 | 880円 |
右上 | クリップ | A4変形 | 1,320円 |
右下 | ポケット | A5変形 | 1,100円 |
– | マグネットセット | – | 748円 |
※2021年2月5日発売時のメーカー希望小売価格
ハルファイルのラインナップは全部で5種類。スタンダードはA4サイズのクリアファイルをそのまま冷蔵庫に貼る感じ。スリムはスタンダードを縦に半分にした大きさで、広げればA4サイズをそのまま収納可能。
クリップは表紙がマグネット式の用箋ばさみになっていて、広げると中に最大A3までのプリントを収納できるようになっています。ポケットは単行本サイズのアコーディオンファイルで、ポケットが7つあります。
基本的にハルファイルは吸盤式ですが、マグネットで貼り付けたい方のためにマグネットセットも用意されています。
スタンダードを買ってみた
今回は「スタンダード(KSP5011)」を買ってみました。袋の全面に使い方が書かれているので、すぐに理解して使うことができます。
スキットマンとの比較
引越しを機にスキットマンの見開きポケットタイプは妻の実家に引き取られたのですが、スライドポケットタイプ(上写真左)はどうにも使い物にならなくて手元に残っていました。
両者を比較してみると、ハルファイルのほうがちょっと横に大きいのかなという感じです。ファイルの厚み自体はほぼ同じですが、吸盤も含めるとハルファイルのほうが少し厚いです。
プリントを入れやすくなった
ハルファイルのスタンダードタイプの中身はスキットマンの見開きポケットタイプと基本的には同じ感じです。表紙と裏表紙の内側に縦挿しのポケットがあり、横挿しの両面クリアページが4枚(計8ポケット)付いています。
ただ、ハルファイルのほうがプリントを入れやすいです。上図の赤線はポケットの綴じている箇所を示していますが、ハルファイルのほうが綴じている部分が少ないのでプリントを抜き差ししやすいのです。
この違いは実際に使ってみないと分からないと思います。普通に机の上でファイルを広げるのと、冷蔵庫に貼った状態でプリントを出し入れするのとでは、まったく違うからです。
A3用紙も収納可能
綴じてある箇所が少ないと、A3用紙も収納しやすいです。綴じが少ないと封筒など小さなものは落ちてしまう可能性があるものの、それは扉裏のポケットに収納すれば問題ないでしょう。
ペンホルダーがショボすぎ
一方で、良いことばかりではありません。まず、ペンホルダーがショボすぎ(苦笑)上の写真で見るとそれほどではないと思われるかもしれませんけど、見た目が良くないし、むしろ邪魔なだけです。
全然くっつかない!!
そんなことよりも問題なのは、吸盤がまったくと言って良いほどくっつかないことです。冷蔵庫側面のスチール面だと、ほんの数秒で落ちてしまうのです。
表面がちょっとマットな質感だからかもしれませんけど、力いっぱい吸盤を押し付けて、カメラを構えるまでの一瞬で落ちてしまいます。その作業を10回以上やって、もう本当に投げつけてやろうかと思いましたよ(苦笑)
鏡面でも10分で落下
冷蔵庫前面のミラーのほうに貼り替えてみましたが、それでもたった10分でこの有様です。ページを広げた状態で固定するための小さな吸盤なんて、全力で押さえてもすぐに外れてしまいます。
ファイルの重さは約350gですから、耐荷重オーバーということはないでしょう。おそらく、ファイルの上から吸盤を押さえても十分に力が伝わらず、完全に真空状態にできないことが問題なのだと思います。
スキットマンからマグネットを移植
1500円も出して買ったハルファイルをこのまま捨てるのは忍びないので、放置されていたスキットマンからマグネットを移植することにしました。
ハルファイルの吸盤を固定するパーツは引きちぎることができます。ついでにショボいペンホルダーも切り落としてやりました。
捨てればゴミ、活かせば資源。7年間も死に体だったスキットマンもこれでようやく成仏してくれることでしょう。合掌。
マグネットでしっかりハル!
スキットマンからマグネットを移植したところ、ハルファイルがスチール面にしっかりとくっつくようになりました。表紙にもマグネットを移植したので、広げた状態をキープすることもできます。
鏡面に取り付ける場合はマグネットではくっつかないので、貼って剥がせるゲルパッドなどを使うと良いのではないでしょうか。そうしないとこれは使えません。
というわけで、ハルファイルはスキットマンよりプリントが入れやすくなったものの、肝心の吸盤がまったく使い物にならない欠陥品でした。せいぜい500円くらいならDIYで改良するのも良いでしょうけど、1500円でこんな体たらくでは買うに値しないと思います。
でも、フレンチドアの冷蔵庫が増え、表面がミラーのものも普及しつつある現代においては、コンセプトは評価できると思います。まだ発売されたばかりですが、早急に改良してくれることを期待したいところです。
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