近年、私を悩ましているモノのひとつが増え続ける学習机のカタログです。1年分が概ね幅10cmのファイルボックス1つ分で、もう15年分もストックしています。「15年も前のなんて、もう見ないでしょ?」と思われるかもしれませんが、これが何度も見る機会があるのです。だから捨てられないし、できるだけすぐに手が届く場所に置いておきたいと考えています。
学習机評論家を名乗る限り、カタログはこれからも増えるでしょう。そのときは他のモノを捨てでもスペースを確保するつもりですが、一方でできるだけコンパクトに収納できる方法も検討しておかなくてはなりません。
近年は紙カタログを発行せず、デジタルカタログに移行しているメーカーも増えており、幅10cmのファイルボックスの半分くらいで1年分が収まるようになってきていたりもします。今後もその傾向は強まるでしょうから、年度によって幅を調整できる方法があれば良いなーなどと考えておりました。
そんな時、無印良品から発売された新商品が私のニーズに合うかもしれないということで、試してみることにした次第です。今回はそのレビューをお届けしたいと思います。
※この記事は2025年10月20日時点の情報に基づいています
無印良品・PPじゃばらファイル
ポリプロピレンじゃばらファイルA4用
版 | ポケット | 外寸(mm) | 税込価格 | 商品番号 |
---|---|---|---|---|
A4 | 3 | 25~130×315×235 | 390円 | 84924842 |
6 | 490円 | 84924859 | ||
12 | 40~260×315×235 | 590円 | 84924866 |
ポリプロピレンスタンドじゃばらファイル
版 | ポケット | 外寸(mm) | 税込価格 | 商品番号 |
---|---|---|---|---|
A5 | 3 | 25~130×155×235 | 290円 | 84924811 |
6 | 390円 | 84924828 | ||
A4 | 3 | 25~130×268×310 | 390円 | 84924798 |
6 | 490円 | 84924804 |
今回ご紹介するのは、無印良品の新商品「ポリプロピレンじゃばらファイルA4用」3種と「ポリプロピレンスタンドじゃばらファイル」4種です。
前者はPPファイルボックスと同様にA4サイズのみで、ポケット(仕切り)が3個、6個、12個の3タイプ。後者はA4サイズだけでなくA5サイズもあり、それぞれポケットは3個と6個の2タイプとなっています。
ファイルボックスより一回り小さい
いずれもファイルボックスまたはスタンドファイルボックスより一回り小さい大きさに作られており、組み合わせて書類の収納に活用するのが基本的な使い方だと考えられます。
一回り小さいアコーディオンファイル
「PPじゃばらファイルって、ただのアコーディオンファイルじゃないの?」と思われた方もいるかもしれません。しかし、一般的なアコーディオンファイルの長辺はファイルボックスよりも少し長いです。ファイルボックスもアコーディオンファイルも、ファイルを収納できる大きさに作られているのですから、当然のことと言えましょう。
また、アコーディオンファイルはフタが付いていたり、ゴムバンドなどで綴じられるようになっていることが一般的です。PPじゃばらファイルにはフタがなく、綴じられるようにもなっていません。
ニトリのNオールにも使える
PPじゃばらファイルは内寸が315mm以上あるファイルボックスなら他社製にも組み合わせることができます。ニトリのA4ファイルケース「Nオール」にもセット可能です。同様に、PPスタンドじゃばらファイルもA4ファイルスタンド「Nオール」にセットすることができます。
溶着されていて丈夫
PPじゃばらファイル、PPスタンドじゃばらファイルともに、接合部は溶着されており丈夫です。一般的なPP製クリアファイルなどと同等の耐久性があると考えてよいでしょう。
目いっぱい引っ張ったりすれば破れてしまう可能性はありますが、常識的な範囲で書類を収納するなら十分と考えられます。
自立させることが可能
PPじゃばらファイルはファイルボックスにインするだけでなく、それ単体で使うこともできます。多少バランスを考えて書類を収納すれば、ちゃんと自立します。
持ち運びも可能
PPじゃばらファイルは左右に持ち手が付いているので、持ち運ぶことができます。前述の通り強度は十分なので、雑誌を目いっぱい詰めるなどの無茶をしなければ問題ないでしょう。
縦向きでは使いにくい
ここまでは概ね想定通りだったのですが、いろいろと使い方を検証するうちに問題点も浮かび上がってきました。まず、PPじゃばらファイルをファイルボックスに収めた場合、じゃばら部分が特に書類を収める際に引っ掛かって邪魔に感じられます。
また、ファイルボックスの開口部を手前に向けて縦向きに置いた場合、じゃばら部分が書類に押し潰されてしまいます。当然、書類を何度も出し入れするうちに、じゃばらが破損することもあるでしょう。
個別ホルダーのほうが使いやすい
ファイルボックスの開口部を手前に向ける場合も上に向ける場合も、PPじゃばらファイルよりも個別ホルダーのほうが使いやすいんじゃないかと思いました。
個別ホルダーなら、じゃばらが引っ掛かったり押し潰されることがありません。また、見出しが付いているので仕切り位置が分かりやすいです。
3辺とじ個別フォルダーのほうが使いやすい
もっと言うと、コクヨの「3辺とじ個別フォルダーNEOS」のほうが使いやすいです。こちらも底がじゃばらになっているので押し潰される可能性はあるものの、ひとまとめにした書類を出し入れしやすく、見出しも付いています。
また、PPスタンドじゃばらファイルのように斜めにカットされていても、書類の多くは四角いのですからあまり意味がないですよね。
3辺とじ個別フォルダーのほうが出し入れも楽
正面から見るとこんな感じです。PPスタンドじゃばらファイルのほうは仕切りが埋もれやすくて、書類を収めにくいです。3辺とじ個別フォルダーNEOSのほうが分類が分かりやすいというメリットもあります。
スタンドじゃばらは自立しにくい
また、PPスタンドじゃばらファイルは書類の量が少ないと自立しません。すぐに倒れてしまいます。
少ない書類を収納するなら、スタンダードプロダクツの「PP前開きファイルボックスW4」を使ったほうが安定します。もっとも、スタプロのファイルボックスは変形しやすいのが難点ですが。
A5ノートがギリギリ収まる
PPスタンドじゃばらファイルA5用は、A5用となっていますがA5ノートがギリギリ収まると言うか、はっきり言って収めにくい大きさです。PPスタンドじゃばらファイルA5用の内寸奥行(表示寸法)は150mm、A5ノートは148mmなので問題ないはずなのですが、これが現実です。
また、使用例として電卓などを立てて収納している写真があったので真似てみたものの、不安定だし、出し入れしにくいし、ほかの収納グッズを使ったほうが良いと率直に思いました。
単独での使用には不向き
つまるところ、PPスタンドじゃばらファイルはA5用もA4用も単独で使うのには不向きで、スタンドファイルボックスと併用することが望ましいと言えます。
また、スタンドファイルボックスと組み合わせるなら、市販の個別フォルダーや3辺とじ個別フォルダーNEOSを使ったほうが書類の収納がしやすいです。結論として、PPスタンドじゃばらファイルは買う価値がないと言えるでしょう。
伸縮式のファイルボックスとして有効か
一方で、PPじゃばらファイルA4はPPスタンドじゃばらファイルと違って、単体で使っても自立します。収納量に応じて伸縮できるファイルボックスと考えれば、スペースを有効利用するのに役立つアイテムと言えるでしょう。
ただし、ファイルボックスよりも内寸が小さくなるので、ファイルや封筒を収めにくいと感じることもあると思います。よって、収納量に応じた適切な大きさのファイルボックスを選んだほうがストレスがないことは間違いありません。
以上の通り、PPじゃばらファイルA4は一般的なアコーディオンファイルよりもコンパクトでファイルボックスに収まる特殊なサイズと考えれば、存在価値があると思います。また、伸縮可能なファイルボックスとして活用できると言えるでしょう。
一方で、PPスタンドじゃばらファイルは自立しにくく、スタンドファイルボックスと組み合わせるなら個別フォルダーなどを使ったほうが良いことのほうが多いと思います。個人的には残念ながら存在価値を見出すことができませんでした。
いずれも現状は無印良品の商品ページでは肯定的なレビューが大半ですが、あくまで信者の評価と考えたほうが良いのではないかと思います。
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