無印良品のユニットシェルフには4つのグレードがあります。パイン材、スチール、ステンレス、そしてオーク材。パイン材、スチール、ステンレスはいずれも背面をクロスバーで支える構造で、他社でも類似品はいくつもあります。しかし、オーク材は筋交いで支える構造となっており、あまり他では見ない構造です。
基本的に私は「無印良品の家具なんて家具として認めん!」という考えなんですけど、ユニットシェルフに関しては別です。いずれも手頃な価格で使いやすくできていると思います。なかでもオーク材ユニットシェルフは組立家具でありながら質感も決して悪くなく、ハッキリ言って好きなほうです。
※この記事は2016年4月21日時点の情報に基づいています(2023年9月3日一部更新)
白井産業・kinarie(きなりえ)
で、こちらが白井産業の「kinarie(きなりえ)」です。写真をパッと見せられると無印良品のオーク材ユニットシェルフかと思ってしまいます。前述したように筋交いのある構造は珍しいからですね。
でも、私が昨年に店頭で実物を見たときにはまったくそんな風に思いませんでした。なぜなら白井産業のきなりえはプリント化粧合板でできているからです。ええ、そりゃあもう安っぽいですよ。無印良品の「無」の字も頭に思い浮かびませんでした。
安っぽいだけでなく「それなり」に安い
しかし悪いことばかりでもありません。まず天然木ではなくプリント合板なのでそれなりには安いです。無印良品の「オーク材ユニットシェルフ・大・基本セット」(税込36,000円)に近いサイズの場合、メーカー希望小売価格は25,098円、実売価は14,000円前後からとなっています。
つまりは半値以下。材質が全然違うんだから当然ですけど、それなりには安いというわけです。メーカー希望小売価格はちょっと高望みが過ぎると思いますけどね(苦笑)
カラー3色
他にもメリットはあります。まずカラーが3色揃っていること。無印良品は1色のみですが、きなりえはホワイト、ナチュラル、ダークの3色あります。
「学習机評論家のオススメ」のほうでも無印良品のオーク材ユニットシェルフをオススメしているんですが、そこでも「ホワイト色があれば」というニーズは何度か聞いたので、とりあえず色を合わせることを優先するのであれば、きなりえはアリなのかもしれません。
1cm単位でサイズオーダー可能
しかも驚くべきことに、きなりえは39~79cmの間で1cm単位でサイズオーダーが可能となっています(38、59、80cmは既製サイズ)。無印良品ではステンレスユニットシェルフはサイズオーダー可能ですが、オーク材ユニットシェルフはサイズオーダー対応ではありません。
このあたりはさすが、「タナリオ」で培ったノウハウが活かされてるんでしょうね。ちなみに高さは88.2cmと181.1cmの2タイプで、高さ3タイプ用意されている無印良品には劣ります。また、無印良品は奥行40cmですが、きなりえは奥行31.2cmとなっています。
その他の違い
そのほか、無印良品は最下段に幕板(台輪)が付いていますが、きなりえにはありません。強度的には幕板があったほうが丈夫なんですけどね。サイズオーダーに対応させるために手を抜いたんだと思います。
また、耐荷重については、無印良品が棚板1枚あたり30kg、きなりえは同じく20kgとなっています。さらに細かいことを言うと、無印良品の棚板ピッチは3.7cm間隔、きなりえは3.0cm間隔となっています。
あと、ホルムアルデヒドについて。無印良品では大型チャンバー法で測定しているうえにオーク材ユニットシェルフでは明示していませんが、白井産業はおそらく何の断りもないのでF★★ランク(★4つが最高で★2つは最低)であると推定されます。きなりえは国産品ではなくベトナム製ですが、F★★ランクは勘弁して欲しいですね(無印良品は中国製)。
総じて、無印良品のオーク材ユニットシェルフと白井産業のきなりえを比較した場合、予算ありき、カラーやサイズ重視であれば、きなりえを選ぶ選択肢もアリかなと思います。ただ個人的には、オーク材ユニットシェルフのほうがオススメです。オーク材で質感が良いし、価格差はそれで十分納得できるし、幕板付きで丈夫だし、やっぱりオープンラックは奥行が40cmほどあったほうが使い勝手が良いからです。本を収めるのがメインなら、ホルムアルデヒド対策F★★★★の「エースラック(カラーラックオーダー)」を買ったほうが良いでしょう。
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