前回に続きまして雑誌「MONOQLO(モノクロ)10月号」絡みのネタです。
収納マン推奨の商品が掲載されているページの隣のページに、GMS大手のイオンのPB「トップバリュ」の「オープンシェルフ3列×3段」が紹介されています。それが無印良品の「スタッキングシェルフセット3段×3列」と比較されているのを見て、思わず飲んでいたコーヒーを吹き出しそうになってしまいました。
まあ、確かにパッと見た目はよく似ています。しかし、無印良品のほうは曲がりなりにもオーク突板です。一方のトップバリュのほうはプリント紙です。
無垢だろうと突板だろうと天然木というのは木目や質感にバラつきが出やすく、特に無印良品の場合は樹種を優先するがために等級のかなり低いものが使われているようで、確かに質感はお世辞にも良いとは言えません。一方でトップバリュのほうは人工的に作られたプリント紙、しかもエンボスのかかった(木目に沿って凸凹のある)強化プリント紙と思われるものですから、質感は下手なオーク突板を使うよりも良いと言えるのは確かです。
しかし、オーク突板のものとプリント紙のものを比較して「半額なのに高級感あり」と言うのはちょっと無理があります。モノクロでは過去にパイン無垢とオーク突板を比較して「無垢のほうがコスパ良し」などとトンチンカンなことが書かれていたことがあるくらいですから、まあそういうところには頓着がないんだと思いますけど、それにしても違和感があります。
問題はむしろ材質よりも耐久性の点です。トップバリュのほうは左右方向のグラつきがあるのです。無印良品とトップバリュでは天地板の構造が異なりますが、トップバリュのほうが板の厚みが厚いことを考えると、これでグラつきが出るのはちょっとどうかとすら思うわけです。
もっとも、安い水牛の皮を使ったソファーよりも合成皮革のソファーのほうが質感が良いように、質感が悪いオーク突板を使うよりもプリント紙のほうが良く見えるという感覚は十分理解できます。ただ、私だったらグラつきのない商品をオススメするべきだと思ってしまうんですよね。
※この記事は2017年8月23日時点の情報に基づいています(2022年9月15日一部更新)
エイ・アイ・エス「レクタックス」
私がトップバリュの「スタッキングシェルフもどき」よりもオススメするとしたら、エイ・アイ・エスの「Rectax(レクタックス)」です。上写真は2列×3段ですが、これに拡張3段をセットすれば3列×3段となり、価格は税込み合計21,277円23,021円からで僅かにトップバリュよりも安いです。ちなみに、いずれもタイ製です。
レクタックスならグラつきはありません。ウォールナット色で木目もウォールナット調ですので、ナチュラル色をご希望の場合はご期待に添えないわけですが、色はともかくとして単純にコスパで比較するなら明らかにこちらのほうが上だと思います。
東京インテリア「DEE」との比較
ちなみに、以前にも同じような商品を紹介しましたよね。同じくエイ・アイ・エスが製造し、東京インテリア家具で販売されている「DEE」です。レクタックスはDEEよりもほんの少し縦横高さが大きくなっていますが、パッと見た感じはほとんどその違いは分からないでしょう。ラインアップと商品名が違うだけで、基本的な仕様はまったく同じではないかと思います。
それでいて、レクタックスは東京インテリア家具のDEEよりも安いです。それぞれを2列×2段で比較した場合、レクタックスは税込8,940円8,298円から、DEEは同9,800円です。ラインナップが違うもの同士を比べてもあまり意味はありませんが、同程度のサイズのもの同士を比べる限りはレクタックスのほうが安いわけですね。
一昔前はプリント合板を表面材に使った組立家具というのは、いかにも安物家具という感じでした。しかし近年、木目に沿って凸凹をつけた強化プリント紙やエンボスシートを使った組立家具が普及し、その質感は一見すると天然木の突板と区別がつかないほど良くなっています。
突板はプリント紙に比べて材料コストが高いだけでなく、塗装の手間が掛かりますから、ハッキリ言ってコスパは悪くなります。また、天然木も塗料も使用するものの品質やメーカーの技術によって質感には大きく差が出る場合がありますから、単純にスペックだけで比較することはできません。
そんなわけで、識者の意見を参考にすることもひとつの方法だと思うわけですが、私の目が節穴であることも少なくないように、それも確実とは言えないわけですね(苦笑)やはり家具を買うときは実際に店頭で自分の目で確認し、押したり引いたりしてみることが大切だと言えるでしょう。
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